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事の顛末を話すのじゃ
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犬の少女の案内で集落の中を歩いていく。
犬族はネズミ族同様に基本的に年齢は若層であり、特にこの少女は若く見えた。
服を着ていない二人はどんなに貧相に見えても着衣がされてある犬族と比べてかなり異端というか、変質者に見えてしまう。
豊満な胸を隠さないふくを犬族のオスが鼻の下を伸ばして眺め、つがいと思われる女性に窘められていた。
少女は小枝を集めたような家の前に着くと振り返り頭を下げる。
「こ、こちらが長の家になります。中へどうぞ……」
ふくは頷き、すれ違い際に少女の頭を撫でて、長と呼ばれる家に入る。
少女は若干嬉しそうな表情を浮かべた後、ヴォルフを見て委縮して後ずさる。
獣人の姿にしても怖いものは怖いのだ。
中に入ると白黒ツートーンカラーの体毛と立派な耳を立てた隻眼の犬族の男性が座っていた。
ふくとヴォルフが入ってきたことに気が付き、振り返ると「ブーッ」と吹き出す。
ふくの胸を二度見し、「ゴホンッ」と咳をして仕切り治す。
「客人……というより恩人と呼べばいいかな?私はこの村の長を一応させてもらっているコリーという。本日はどのような用件で来られたのかな?」
コリーと名乗る長はよく見ると左足を失っており、生まれてからずっと戦ってきた元戦士だったと思う。
右目左足を失っていても隙を一つも見せない彼に対し、魔法を発動しようものなら、即座に対応するだろうとふくは感じた。
「わしらはネズミ族の集落からこちらへ上がってきた旅人での。近いうちに国興しでもしようと思うておるのじゃ」
「旅人が国興しですか……?中々不思議なことを言うものだね。それにネズミ族の集落から来たということは、全滅した現場におられたのですか?」
「うむ。突然大穴が空いての、中から異形の者が出てきたのじゃ」
「……邪神ヴォルフが絡んでいる可能性はないですか?」
「無いの」
どうやらコリーはネズミ族全滅事件はヴォルフが仕組んだものではないかと疑っているようだった。
ふくが即答でヴォルフが絡んでいないと言ったため、コリーは少々困っている様子であった。
「わしから一つ伝えておこうと思うのじゃが、よいか?」
「……少しお待ちください。コロン、入りなさい」
コロンと呼ばれるものが同席する。
コロンは先ほど案内をしてくれた少女であり、長とは何かしらの関係があるのだと思われた。
「コロンは類稀なる才能の持ち主です。戦闘経験は殆どありませんが、【飛翔】の魔法を使うことができる個体です」
「ちっこいのは空を飛べるのか!」
ヴォルフが驚きのあまり身を乗り出すと、コロンはびっくりしてコリーの後ろに隠れる。
ふくは身を乗り出したヴォルフの尻を叩き、下がらせる。
完全に飼い主に怒られた犬である。
「いやはやヴォルフ様をここまで調伏させているとは驚きだ……!」
「わしはあくまで付き人なのじゃがの。……と本題じゃ」
そう言うと部屋の空気が若干張り詰める。
「大穴から出たものじゃが、負の魔力を帯びた生き物での、傷口が塞がっていなければ何度でも再生するのじゃ」
「何度……でも?」
「そして知性……とでもいうべきか非常に賢くてのぼるふの氷で傷口をふさいだら、自分で引き千切って即座に再生するのじゃ」
そう告げるとコリーとコロンは苦虫を噛み潰したような顔をする。
再生する魔獣は多少存在するのだが、即座に再生できる魔獣は存在しないし見たこともなかった。
「そんな魔獣をどうやって倒したのですか?」
「わしとぼるふでちょちょいとな。じゃが、問題はこの次じゃ。奴らの中にはどす黒い石があっての、それが外側を操っておるようじゃ」
「石が魔獣を操る……?」
「うむ、それだけならよいのじゃが、石から大量の邪気を放出するのじゃ」
「邪気……」
ヴォルフは胡坐を描き、頬杖をついて口を開く。
「非常に強い負の魔力で、触れた大地や環境、生き物を殺す。それ程強い」
「ネズミ族はわしらが逃がしておったのじゃが、それより早く巻き込んで……の……」
「対策はあるのですか?」
「【浄化】なら無力化できる。じゃが、それを見たならばすぐに逃げるのが一番じゃろう」
ふくから伝えられた情報をコリーは整理する。
そして困った顔をして悩んでいた。
「【浄化】は非常に強力な魔法です。普通のヒトには到底扱えません。私達には逃げるしか方法がないと思うのですが……」
「じゃから国を興すのじゃ。今、ネズミ族の集落には獅子のれおんが国お越しの手伝いをしておる。お前たちにも参加してもらいたい」
「……。少し考えさせてください。あなたたち実力者が苦戦するものは私達にはどうにもならないので……」
「うむ、良い答えを待っておる。それとな、話は変わるのじゃが、湯あみをすることができる場所は知らぬじゃろうか?」
意外な質問にコリーは驚いていたが、ふくの毛並みが整っていないことが分かり、コロンに風呂の手配をさせた。
「続きはお風呂が終わってからにしましょう」
「ふく様、ヴォルフ様……こちらでございます」
二人はコロンに案内され、ついていくことになった。
犬族はネズミ族同様に基本的に年齢は若層であり、特にこの少女は若く見えた。
服を着ていない二人はどんなに貧相に見えても着衣がされてある犬族と比べてかなり異端というか、変質者に見えてしまう。
豊満な胸を隠さないふくを犬族のオスが鼻の下を伸ばして眺め、つがいと思われる女性に窘められていた。
少女は小枝を集めたような家の前に着くと振り返り頭を下げる。
「こ、こちらが長の家になります。中へどうぞ……」
ふくは頷き、すれ違い際に少女の頭を撫でて、長と呼ばれる家に入る。
少女は若干嬉しそうな表情を浮かべた後、ヴォルフを見て委縮して後ずさる。
獣人の姿にしても怖いものは怖いのだ。
中に入ると白黒ツートーンカラーの体毛と立派な耳を立てた隻眼の犬族の男性が座っていた。
ふくとヴォルフが入ってきたことに気が付き、振り返ると「ブーッ」と吹き出す。
ふくの胸を二度見し、「ゴホンッ」と咳をして仕切り治す。
「客人……というより恩人と呼べばいいかな?私はこの村の長を一応させてもらっているコリーという。本日はどのような用件で来られたのかな?」
コリーと名乗る長はよく見ると左足を失っており、生まれてからずっと戦ってきた元戦士だったと思う。
右目左足を失っていても隙を一つも見せない彼に対し、魔法を発動しようものなら、即座に対応するだろうとふくは感じた。
「わしらはネズミ族の集落からこちらへ上がってきた旅人での。近いうちに国興しでもしようと思うておるのじゃ」
「旅人が国興しですか……?中々不思議なことを言うものだね。それにネズミ族の集落から来たということは、全滅した現場におられたのですか?」
「うむ。突然大穴が空いての、中から異形の者が出てきたのじゃ」
「……邪神ヴォルフが絡んでいる可能性はないですか?」
「無いの」
どうやらコリーはネズミ族全滅事件はヴォルフが仕組んだものではないかと疑っているようだった。
ふくが即答でヴォルフが絡んでいないと言ったため、コリーは少々困っている様子であった。
「わしから一つ伝えておこうと思うのじゃが、よいか?」
「……少しお待ちください。コロン、入りなさい」
コロンと呼ばれるものが同席する。
コロンは先ほど案内をしてくれた少女であり、長とは何かしらの関係があるのだと思われた。
「コロンは類稀なる才能の持ち主です。戦闘経験は殆どありませんが、【飛翔】の魔法を使うことができる個体です」
「ちっこいのは空を飛べるのか!」
ヴォルフが驚きのあまり身を乗り出すと、コロンはびっくりしてコリーの後ろに隠れる。
ふくは身を乗り出したヴォルフの尻を叩き、下がらせる。
完全に飼い主に怒られた犬である。
「いやはやヴォルフ様をここまで調伏させているとは驚きだ……!」
「わしはあくまで付き人なのじゃがの。……と本題じゃ」
そう言うと部屋の空気が若干張り詰める。
「大穴から出たものじゃが、負の魔力を帯びた生き物での、傷口が塞がっていなければ何度でも再生するのじゃ」
「何度……でも?」
「そして知性……とでもいうべきか非常に賢くてのぼるふの氷で傷口をふさいだら、自分で引き千切って即座に再生するのじゃ」
そう告げるとコリーとコロンは苦虫を噛み潰したような顔をする。
再生する魔獣は多少存在するのだが、即座に再生できる魔獣は存在しないし見たこともなかった。
「そんな魔獣をどうやって倒したのですか?」
「わしとぼるふでちょちょいとな。じゃが、問題はこの次じゃ。奴らの中にはどす黒い石があっての、それが外側を操っておるようじゃ」
「石が魔獣を操る……?」
「うむ、それだけならよいのじゃが、石から大量の邪気を放出するのじゃ」
「邪気……」
ヴォルフは胡坐を描き、頬杖をついて口を開く。
「非常に強い負の魔力で、触れた大地や環境、生き物を殺す。それ程強い」
「ネズミ族はわしらが逃がしておったのじゃが、それより早く巻き込んで……の……」
「対策はあるのですか?」
「【浄化】なら無力化できる。じゃが、それを見たならばすぐに逃げるのが一番じゃろう」
ふくから伝えられた情報をコリーは整理する。
そして困った顔をして悩んでいた。
「【浄化】は非常に強力な魔法です。普通のヒトには到底扱えません。私達には逃げるしか方法がないと思うのですが……」
「じゃから国を興すのじゃ。今、ネズミ族の集落には獅子のれおんが国お越しの手伝いをしておる。お前たちにも参加してもらいたい」
「……。少し考えさせてください。あなたたち実力者が苦戦するものは私達にはどうにもならないので……」
「うむ、良い答えを待っておる。それとな、話は変わるのじゃが、湯あみをすることができる場所は知らぬじゃろうか?」
意外な質問にコリーは驚いていたが、ふくの毛並みが整っていないことが分かり、コロンに風呂の手配をさせた。
「続きはお風呂が終わってからにしましょう」
「ふく様、ヴォルフ様……こちらでございます」
二人はコロンに案内され、ついていくことになった。
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