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王としてやるべき事
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今まで、歓声を受けることがなく、むしろ罵声の多かった人生、もとい神生であった。
生まれた時から軍神オーディンを消すための存在として育てられ、その役目を果たしたと思えば、厄災として恐怖される存在となり、地底世界へと幽閉させられた。
生活は自身で獲物を狩ることができるので特には困らなかったが、誰もいないこの世界は非常に寂しいものであった。
そこから創造神の真似事をし、自身の魔法と血を分け、獣人を作り上げた。
様々な動物的要素を加えた民たちは非常に面白いと感じ、眺めていた。
彼は神様だから従われているのだと感じ、領土拡大のため実力無きものを無理やり連れていき、命を失わせていった。
いつしかヴォルフの領土拡大の案に賛同するものは減り、ヴォルフは一人で旅をすることも多くなった。
一緒に行ってくれるものを探そうにも冷ややかな目で見られ、自身を否定するものを殺していった。
そうしていくとヴォルフの信用は地の底まで沈み、邪神と言われるようになった。
この時、自身の作った狼族が一斉消滅したことを知り、そこへと向かうと、真っ黒に変わった土地だけ残り、あったはずの集落とヒトの姿は見当たらなかった。
自分が創造したものが亡くなると寂しいという気持ちを覚え、自身が今まで虐げたモノのところに行くが、すでに居場所はなく、輪に入ることもできなくなった。
今までのやってきたことが自分に返ってきたことで途方に暮れていたところふくと出会う。
ヴォルフを見ても恐怖心を抱かず、頼ってくれることに充足感を持つ。
彼女の王としての振る舞いを見て、自身の行動を顧みることで、犬族から信頼を取り戻すことができた。
そして今、国民がヴォルフを見ても恐怖しない、そんな世の中になった。
もちろん、噂の一人歩きや本人の顔が怖いことで恐れられることはあるのだが。
レオンが前に出て右手を上げる。
合図だったようで歓声は収まり、全ての視線がヴォルフに向けられる。
「オレは氷狼ヴォルフだ。前国王より王位を継承した。これからはお前たちを導いていくのだが、手はじめにオレ直属の軍を作り、お前たちを鍛え上げていく。別に軟弱者とは言わないが、今のままでは必ず滅びる運命になっている。それは、若者の力不足が原因だ。」
そう言うと観衆がどよめき始めた。
仕方のないことではあるのだが、若者のせいにされてしまえば若者は黙ってはいられないのが心情というものだ。
ヴォルフは反感を買われる前にこの世界の戦いの神だけでなく創造した者として秘密を言うことにした。
「若者の力が少ないのは仕方がない。それは年を取るごとに魔力は大きくなり、三百歳で魔力が成熟するからだ。しかし、それは一人での話。お前たちはパートナーを見つけるのだ。パートナーと【親愛の契約】を結ぶことで、大人はもちろん、若い世代も魔法の本質が変わるほどの力を得られる。これはオレがそうなるように創ったのだ。今まで秘密にしてすまなかった」
ヴォルフの秘密は国民に電撃が走り、お互いを見つめ合う。
しかし、同族の中でも魅力がいまいち伝わらない個体は意気消沈してしまう。
ヴォルフはもう一つ、切り札を切る事にした。
「お前たちの中でも、好いてはいるのに種族の違いで諦めているものがいるだろう。心配は要らん。狼と羊、獅子と馬、犬と兎でもどの組み合わせでも子を成すことができる。種族関係なく、好きになってほしい」
他種族でも【親愛の契約】を結びパートナーとなれると聴き、さらに歓喜の渦に包まれる。
それほど恋愛に対して力を入れていたというわけではないのだが、ヴォルフの一人は寂しいという気持ちが反映されたものだった。
国民が喜ぶ中、申し訳ない顔をするヴォルフを見て少し気まずい雰囲気が出てくる。
「それでもパートナーができない奴は、すまない。そればかりはどうにもできないから鍛錬を積んでくれ」
と頭を下げると拍手が起こる。
その拍手の中に飛び交う励ましの言葉が贈られる。
「モテない奴はしょうがないさ!」
「種族無くしてくれてありがとう!」
「もっと早く言えよなー!」
ヴォルフは深く、さらに深くお辞儀をした。
そして、本題へと戻る。
「明日、軍属を希望するものを募集する。どうしても戦闘に向かない魔法や種族があるから、強制はしない。軍属希望は獅子頭……れ、れ、レンレンに言ってくれ。」
「ヴォルフ様、レオンです……」
「ごめんて……」
ヴォルフとレオンの漫才に(ヴォルフは本気)国民は笑い、ヴォルフのことを恐怖の対象として見られることは無くなっていた。
ヴォルフは頭を掻きながら観衆を見て口を開く。
「訓練はオレが担当する。魔法の使い方、大型魔獣の対峙の仕方、竜族の違いなどいろいろ教えていく。それに進むだけでなく、防衛の大事さも教えていくことになると思う。心して聞くと良い」
ヴォルフ直々に指導を受けられることで期待感を持つ者、不安感を持つ者と様々ではあったが、上々のようだ。
ヴォルフは最後にもう一つ伝えようと思っていることを口にする。
「現女王、ふくのことなんだが、聞いてほしい。」
観衆は固唾を飲んで次の言葉を待つのであった。
生まれた時から軍神オーディンを消すための存在として育てられ、その役目を果たしたと思えば、厄災として恐怖される存在となり、地底世界へと幽閉させられた。
生活は自身で獲物を狩ることができるので特には困らなかったが、誰もいないこの世界は非常に寂しいものであった。
そこから創造神の真似事をし、自身の魔法と血を分け、獣人を作り上げた。
様々な動物的要素を加えた民たちは非常に面白いと感じ、眺めていた。
彼は神様だから従われているのだと感じ、領土拡大のため実力無きものを無理やり連れていき、命を失わせていった。
いつしかヴォルフの領土拡大の案に賛同するものは減り、ヴォルフは一人で旅をすることも多くなった。
一緒に行ってくれるものを探そうにも冷ややかな目で見られ、自身を否定するものを殺していった。
そうしていくとヴォルフの信用は地の底まで沈み、邪神と言われるようになった。
この時、自身の作った狼族が一斉消滅したことを知り、そこへと向かうと、真っ黒に変わった土地だけ残り、あったはずの集落とヒトの姿は見当たらなかった。
自分が創造したものが亡くなると寂しいという気持ちを覚え、自身が今まで虐げたモノのところに行くが、すでに居場所はなく、輪に入ることもできなくなった。
今までのやってきたことが自分に返ってきたことで途方に暮れていたところふくと出会う。
ヴォルフを見ても恐怖心を抱かず、頼ってくれることに充足感を持つ。
彼女の王としての振る舞いを見て、自身の行動を顧みることで、犬族から信頼を取り戻すことができた。
そして今、国民がヴォルフを見ても恐怖しない、そんな世の中になった。
もちろん、噂の一人歩きや本人の顔が怖いことで恐れられることはあるのだが。
レオンが前に出て右手を上げる。
合図だったようで歓声は収まり、全ての視線がヴォルフに向けられる。
「オレは氷狼ヴォルフだ。前国王より王位を継承した。これからはお前たちを導いていくのだが、手はじめにオレ直属の軍を作り、お前たちを鍛え上げていく。別に軟弱者とは言わないが、今のままでは必ず滅びる運命になっている。それは、若者の力不足が原因だ。」
そう言うと観衆がどよめき始めた。
仕方のないことではあるのだが、若者のせいにされてしまえば若者は黙ってはいられないのが心情というものだ。
ヴォルフは反感を買われる前にこの世界の戦いの神だけでなく創造した者として秘密を言うことにした。
「若者の力が少ないのは仕方がない。それは年を取るごとに魔力は大きくなり、三百歳で魔力が成熟するからだ。しかし、それは一人での話。お前たちはパートナーを見つけるのだ。パートナーと【親愛の契約】を結ぶことで、大人はもちろん、若い世代も魔法の本質が変わるほどの力を得られる。これはオレがそうなるように創ったのだ。今まで秘密にしてすまなかった」
ヴォルフの秘密は国民に電撃が走り、お互いを見つめ合う。
しかし、同族の中でも魅力がいまいち伝わらない個体は意気消沈してしまう。
ヴォルフはもう一つ、切り札を切る事にした。
「お前たちの中でも、好いてはいるのに種族の違いで諦めているものがいるだろう。心配は要らん。狼と羊、獅子と馬、犬と兎でもどの組み合わせでも子を成すことができる。種族関係なく、好きになってほしい」
他種族でも【親愛の契約】を結びパートナーとなれると聴き、さらに歓喜の渦に包まれる。
それほど恋愛に対して力を入れていたというわけではないのだが、ヴォルフの一人は寂しいという気持ちが反映されたものだった。
国民が喜ぶ中、申し訳ない顔をするヴォルフを見て少し気まずい雰囲気が出てくる。
「それでもパートナーができない奴は、すまない。そればかりはどうにもできないから鍛錬を積んでくれ」
と頭を下げると拍手が起こる。
その拍手の中に飛び交う励ましの言葉が贈られる。
「モテない奴はしょうがないさ!」
「種族無くしてくれてありがとう!」
「もっと早く言えよなー!」
ヴォルフは深く、さらに深くお辞儀をした。
そして、本題へと戻る。
「明日、軍属を希望するものを募集する。どうしても戦闘に向かない魔法や種族があるから、強制はしない。軍属希望は獅子頭……れ、れ、レンレンに言ってくれ。」
「ヴォルフ様、レオンです……」
「ごめんて……」
ヴォルフとレオンの漫才に(ヴォルフは本気)国民は笑い、ヴォルフのことを恐怖の対象として見られることは無くなっていた。
ヴォルフは頭を掻きながら観衆を見て口を開く。
「訓練はオレが担当する。魔法の使い方、大型魔獣の対峙の仕方、竜族の違いなどいろいろ教えていく。それに進むだけでなく、防衛の大事さも教えていくことになると思う。心して聞くと良い」
ヴォルフ直々に指導を受けられることで期待感を持つ者、不安感を持つ者と様々ではあったが、上々のようだ。
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