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【万物殷富】なのじゃ
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ふくのデタラメな魔法には誰も触れず、その景色を見る。
先ほどの浮き島よりも数十倍高い位置にあるこの場所は太陽が少しだけ近くに感じた。
「【太陽】が熱く感じるの」
「近くなったから……じゃないかな?」
「ガルド君ならこの高さ飛び降りれる?」
「無理無理……!死んでしまう!」
「こんだけ高けりゃ誰も来れないでしょ?」
「そうですね、鳥人族も龍族もここまでの高度を飛ぶことがないので……」
ふくは眠たそうにあくびをするとヴォルフの毛に埋まって眠り始めた。
「【瞬転】は魔力をかなり消費するみたいだね……。まあ、高等魔法だし、そうなるよね」
「ええ!?じゃ、じゃあどうやっておりるの!?」
「ふくが目を覚ませば降りられるんじゃね?」
「……こんな高いところで起きるの待たなきゃいけないの……」
ライラはレプレを抱き上げ、誤って落ちないようにする。
ポチおは【太陽】の魔道具の様子を見て安心していた。
「その魔道具は壊れてなかったのか?」
「うん、寧ろ【太陽】に近付いたことでバリアの機能が付いてきてるみたいだ……。この【太陽】は生きてるの?」
「そりゃあオレの心臓だし」
「そっか」
「ふぁああぁ……。わしは寝とったのか?」
ふくが眠りから覚め、背伸びをするとヴォルフから頬にキスされる。
「なんじゃ……そんなに交わりたいのかの?」
「オレはいつでも大丈夫だよ!」
「そーんーなーこーとーよーりーっ!!早く下ろしてちょうだい!」
ふくは周りを見ると一番高い浮き島にいることに気がついた。
ムクリと起き上がり、髪の毛を手櫛で整えると真剣な顔をしてライラたちを見る。
「今からわしとぼるふ、そして皆でこの国を豊満な土地にする魔法を放つ。協力してくれるかの?」
「そんな事できるの?」
ライラはそんな魔法の事を知らず、ふくに訊ねると、勿論といった表情で頷く。
「【万物殷富】といった魔法じゃ。全ての元素魔法を使ったもので、わしとぼるふの魔力でないと使えぬ。じゃが、この地に草花や木々、そして新たな命を生み出すことができると言われとる」
「毎回思うんだけど、ふくさんってどんな魔法使うの?」
「わしの魔法は【森羅万象】と言っての、簡単に言うと何でも知ることができて、それを再現することができる魔法じゃ。あとは衝撃波の魔法じゃな」
「なんでも魔法だ……!」
「じゃの。わしは神と同じじゃからの、当然じゃ」
ふくが得意そうに笑っているとライラが足をダンッ、ダンッと鳴らしていた。
その姿を見て、ふくは真面目な顔に戻り、全員を見る。
「これから【万物殷富】始める。お前たちには魔力を少しばかり貰いたい。わしとぼるふの周りで好きに舞ってくれぬか?」
「まって……?」
「踊りのことだよ。オイラたちのいた世界で『舞い』というのがあって、それは神様や大きな自然に対して敬意を表す事なんだ」
ライラは納得したようでレプレを抱えながら準備運動する。
他のヒトも各々背伸びしたり、軽く体操をして準備する。
ふくはヴォルフを見つめて口を開く。
「……この魔法、わしらの魔力を完全に持っていくかも知れぬが……良いか?」
「大穴も封印できたし、暫くは魔物の心配もないだろう?魔力はまた回復できるからできる事はやってしまおう」
「そうじゃの。後のことは全て彼奴らに任せるとしよう」
ふくはヴォルフと口を重ねる。
それはとても濃厚なもので、お互い舌を絡ませあうほどに。
いきなりその様なものを見せつけられたライラたちは恥ずかしそうにしていたが、ライラとガルドは軽くキスをする。
パートナーや番のいないポチお、にゃん、ウルは三人で困った様に笑っていたが、ふくとヴォルフの姿を見ていた。
――では儀式を始める。皆はわしの周りを囲む様にしておくれ。ぼるふはわしと魔法を発動するのじゃ。詠唱はわしがする。
――わかったよ。でも、詠唱は一緒にしよう。魔力が一緒になれば、詠唱もわかるから。
ふくはヴォルフの言った事を理解し、ふふんと笑う。
深呼吸をし、ヴォルフを見つめる。
ヴォルフはふくを見つめ返す。
お互いがニコリと笑うと二人の莫大な魔力が解放される。
今まで魔力を解放してきていたが、比にならない魔力量であり、国土を包み込むほどの量だった。
その光景を見たライラは驚く。
「い、今までのは手を抜いていた……ってコト……!?」
そう思う程の魔力であり、この魔力に敵意を込められると確実に失神する程の威圧感であった。
ふくとヴォルフはそんなことお構いなしに詠唱を始めていく。
それは詩を唄うように綺麗な声であり、自然と体が動く。
各々が独自の舞いを行いつつ、魔力を高めていく。
『生命をもたらす水、命を育てる母なる大地、すべてに成長の変化を与える風、命を消し新たなる姿を与える火、未来を明るく照らす光よ、すべてに安らぎを与える闇よ、わが願いを聞き入れ、我らが愛する子供たちに繫栄と安寧を齎さん。』
詠唱を完了させ、解放された魔力を二人が作った手の器の上に凝縮させる。
お互いが見つめ合い、口付けをする。
すると二人の魔力は完全に溶け合って一つの強力な魔力の塊となる。
ゆっくりと【太陽】に向けて掲げるとその場にいたライラとガルド、ポチおとにゃん、そしてウルとレプレとガブの魔力を少しずつ吸収していった。
ふくの毛は白金へと変わり、ヴォルフの毛は白銀に変わる。
そして、二人の赤い紋様は繋がり、一つの紋様となった。
ふくとヴォルフはニコリと笑うと鼻をコツンと当てるとその魔力が解放され、国土という名のヴォルフの縄張り全てに魔力の波動が伝わると【太陽】がより一層輝いた。
ふくたちのいる島から草花が生え始め、ライラが外を見ると大穴を中心にして荒野が緑溢れる大地へと変わっていく。
その力は非常に強力で、岩山ですら草花を咲かせ、山と思われる部分には草花だけでなく、木々も次々と生え、伸びていく。
荒れ果てていた大地は緑一色となり、新たな時代の幕開けとなったのだった。
先ほどの浮き島よりも数十倍高い位置にあるこの場所は太陽が少しだけ近くに感じた。
「【太陽】が熱く感じるの」
「近くなったから……じゃないかな?」
「ガルド君ならこの高さ飛び降りれる?」
「無理無理……!死んでしまう!」
「こんだけ高けりゃ誰も来れないでしょ?」
「そうですね、鳥人族も龍族もここまでの高度を飛ぶことがないので……」
ふくは眠たそうにあくびをするとヴォルフの毛に埋まって眠り始めた。
「【瞬転】は魔力をかなり消費するみたいだね……。まあ、高等魔法だし、そうなるよね」
「ええ!?じゃ、じゃあどうやっておりるの!?」
「ふくが目を覚ませば降りられるんじゃね?」
「……こんな高いところで起きるの待たなきゃいけないの……」
ライラはレプレを抱き上げ、誤って落ちないようにする。
ポチおは【太陽】の魔道具の様子を見て安心していた。
「その魔道具は壊れてなかったのか?」
「うん、寧ろ【太陽】に近付いたことでバリアの機能が付いてきてるみたいだ……。この【太陽】は生きてるの?」
「そりゃあオレの心臓だし」
「そっか」
「ふぁああぁ……。わしは寝とったのか?」
ふくが眠りから覚め、背伸びをするとヴォルフから頬にキスされる。
「なんじゃ……そんなに交わりたいのかの?」
「オレはいつでも大丈夫だよ!」
「そーんーなーこーとーよーりーっ!!早く下ろしてちょうだい!」
ふくは周りを見ると一番高い浮き島にいることに気がついた。
ムクリと起き上がり、髪の毛を手櫛で整えると真剣な顔をしてライラたちを見る。
「今からわしとぼるふ、そして皆でこの国を豊満な土地にする魔法を放つ。協力してくれるかの?」
「そんな事できるの?」
ライラはそんな魔法の事を知らず、ふくに訊ねると、勿論といった表情で頷く。
「【万物殷富】といった魔法じゃ。全ての元素魔法を使ったもので、わしとぼるふの魔力でないと使えぬ。じゃが、この地に草花や木々、そして新たな命を生み出すことができると言われとる」
「毎回思うんだけど、ふくさんってどんな魔法使うの?」
「わしの魔法は【森羅万象】と言っての、簡単に言うと何でも知ることができて、それを再現することができる魔法じゃ。あとは衝撃波の魔法じゃな」
「なんでも魔法だ……!」
「じゃの。わしは神と同じじゃからの、当然じゃ」
ふくが得意そうに笑っているとライラが足をダンッ、ダンッと鳴らしていた。
その姿を見て、ふくは真面目な顔に戻り、全員を見る。
「これから【万物殷富】始める。お前たちには魔力を少しばかり貰いたい。わしとぼるふの周りで好きに舞ってくれぬか?」
「まって……?」
「踊りのことだよ。オイラたちのいた世界で『舞い』というのがあって、それは神様や大きな自然に対して敬意を表す事なんだ」
ライラは納得したようでレプレを抱えながら準備運動する。
他のヒトも各々背伸びしたり、軽く体操をして準備する。
ふくはヴォルフを見つめて口を開く。
「……この魔法、わしらの魔力を完全に持っていくかも知れぬが……良いか?」
「大穴も封印できたし、暫くは魔物の心配もないだろう?魔力はまた回復できるからできる事はやってしまおう」
「そうじゃの。後のことは全て彼奴らに任せるとしよう」
ふくはヴォルフと口を重ねる。
それはとても濃厚なもので、お互い舌を絡ませあうほどに。
いきなりその様なものを見せつけられたライラたちは恥ずかしそうにしていたが、ライラとガルドは軽くキスをする。
パートナーや番のいないポチお、にゃん、ウルは三人で困った様に笑っていたが、ふくとヴォルフの姿を見ていた。
――では儀式を始める。皆はわしの周りを囲む様にしておくれ。ぼるふはわしと魔法を発動するのじゃ。詠唱はわしがする。
――わかったよ。でも、詠唱は一緒にしよう。魔力が一緒になれば、詠唱もわかるから。
ふくはヴォルフの言った事を理解し、ふふんと笑う。
深呼吸をし、ヴォルフを見つめる。
ヴォルフはふくを見つめ返す。
お互いがニコリと笑うと二人の莫大な魔力が解放される。
今まで魔力を解放してきていたが、比にならない魔力量であり、国土を包み込むほどの量だった。
その光景を見たライラは驚く。
「い、今までのは手を抜いていた……ってコト……!?」
そう思う程の魔力であり、この魔力に敵意を込められると確実に失神する程の威圧感であった。
ふくとヴォルフはそんなことお構いなしに詠唱を始めていく。
それは詩を唄うように綺麗な声であり、自然と体が動く。
各々が独自の舞いを行いつつ、魔力を高めていく。
『生命をもたらす水、命を育てる母なる大地、すべてに成長の変化を与える風、命を消し新たなる姿を与える火、未来を明るく照らす光よ、すべてに安らぎを与える闇よ、わが願いを聞き入れ、我らが愛する子供たちに繫栄と安寧を齎さん。』
詠唱を完了させ、解放された魔力を二人が作った手の器の上に凝縮させる。
お互いが見つめ合い、口付けをする。
すると二人の魔力は完全に溶け合って一つの強力な魔力の塊となる。
ゆっくりと【太陽】に向けて掲げるとその場にいたライラとガルド、ポチおとにゃん、そしてウルとレプレとガブの魔力を少しずつ吸収していった。
ふくの毛は白金へと変わり、ヴォルフの毛は白銀に変わる。
そして、二人の赤い紋様は繋がり、一つの紋様となった。
ふくとヴォルフはニコリと笑うと鼻をコツンと当てるとその魔力が解放され、国土という名のヴォルフの縄張り全てに魔力の波動が伝わると【太陽】がより一層輝いた。
ふくたちのいる島から草花が生え始め、ライラが外を見ると大穴を中心にして荒野が緑溢れる大地へと変わっていく。
その力は非常に強力で、岩山ですら草花を咲かせ、山と思われる部分には草花だけでなく、木々も次々と生え、伸びていく。
荒れ果てていた大地は緑一色となり、新たな時代の幕開けとなったのだった。
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