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『えぴろおぐ』なのじゎ
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ここは地底世界にある国。
二度国が崩壊しかけ、立ち直った国であり、国民のほとんどがケモノの姿をしている。
犬、猫、ネズミ、ウサギと様々な種族が手を組んで作り上げた国でお互いが助け合う理想の国である。
以前は全てを使い物にならない暗黒に染める魔物が存在していたが、この国の王と女王の二人によって、根絶やしにした。
王の名はヴォルフ。
彼はこの世界を作り上げた神であり、元々この国の王であった。
しかし、彼の間違えた政策で国は荒れ果て、崩壊寸前であった。
そんな時、一人の人間の女がこの世界に堕ち、彼と手を取り合って国づくりをしていった。
人間の女はヴォルフの力を受け継ぎ、姿をキツネの女へと変貌させた。
神を調伏し、手懐け、世界を回り、理を知った。
初めての国はネズミと手を取り合うも、邪な存在である魔物に国を半壊させられ、建て直す為犬族と野狐族と手を取り合う。
しかし、野狐族の野望によりキツネの女は操られ、ヴォルフが国を守る要となった。
ヴォルフは野狐族からキツネの女を取り戻し、再び旅に出る。ウサギ族を連れ、竜人族と出会い、魔物を倒す鍵を見つけ、攻勢に転じた。
犬族と猫族の男女と竜人族、鳥人族により魔道具を発明し、【太陽】は輝きを取り戻す。
ヴォルフとキツネの女は手を取り合い、大穴より這い出る招かれざる客人を追い返し、大穴を聖なる力で閉じた。
キツネの女はヴォルフと共に魔力を共鳴させ、『豊穣の儀』を行い、この国に緑と新たな命を生み出したのだった。
「以上がこの国の女王であるふく様のお話です。ここ、テストに出るのでしっかりと覚えておくように。それと、この学園最初の生徒であるみんなに一つ課題があ――」
――キーンコーンカーンコーン
授業の終了を知らせる鐘が響き渡り、生徒たちは立ち上がって帰宅の準備をする。
「あ、ちょっと……!まだ途中なのだけど……!!」
「先生、授業の時間は終わったので帰ります」
「そーですよ!あたしたちはこれから魔獣狩りに大人と出掛けるんだから!」
「……すみません」
生徒たちはそう言ってそそくさと教室を出ていった。
一人教室の教壇で佇む猫族の教師。
彼女の名は『にゃん』。
この学園『フォクノナティア学園』の教師で主に文字と歴史を教えている。
文字は彼女の元の国である『ニホン語』を教え、平仮名とカタカナを生徒に教えていた。
それはこの国の女王『ふく』の生まれ故郷が『日本』である事が一番の要因だった。
文字の普及率はそれほど高くはないが、書物に魔法を残したり、魔道具の制作法などを残したりと色々役に立っている。
ポチおは魔道具の発明と製作を行っており、学園の一角で生徒に制作法を教えていた。
基本的に高出力の魔道具は作れないので、彼の指導を受けるヒトはそれほど多くはない。
それでも、彼の作った魔道具は町のインフラを担っているため、技師にとっては憧れの的になっていた。
ライラは魔法の根源や発動の訓練を担う教師に抜擢され、活躍していた。
彼女の授業はとても人気であり、特に対人戦闘の訓練が人気である。
娘のレプレも学園に入学しており、日々訓練に励んでいるようだった。
ガルドはヴォルフと共に近衛師団を結成し、竜騎士として名を馳せていた。
唯一の竜人族という事もあり、彼と手合わせをしたがる同僚が多く、戦闘技術を上げていた。
ウルはヴォルフと離れ、衣料品の製作に携わっていた。
ポチおの発明で従来の糸にミスリルを組み込ませる事で簡易的な鎧のような服が出来上がり、学園の制服に採用されている。
そして、ガブは学園で生活しており、学業が終わると王の住む浮き島へと戻り、ヴォルフから戦闘訓練を受け、ふくから政治を学ぶのであった。
ふくとヴォルフは浮き島にある自宅から基本的に出てこない。
執務スペースがあるため、そこで書類などを処理していた。
因みにヴォルフは基本的に寝てばかりでいるが、魔獣や龍が襲来した時、彼が先陣を切って出る。
彼の能力や魔法が強いため、近衛師団の出る幕がないのが残念である。
ふくは書類を片付け終わり、背伸びをする。
ヴォルフがそれを察して、側に寄る。
「ふく?外に出よっか?」
「そうじゃの。少しくたびれてしもうた」
昼間の【太陽】はとても輝いており、ふくは目を細めて光の加減を制御する。
次第に光に順応し、島の淵から町を眺める。
「のう」
「?」
「学園の中で優秀なヒトを選抜して、鳥族の大穴を封じ込めようと思っておる。じゃが、わしやぼるふは忙しくて叶わぬ。生徒だけで行かせても良いかの……?」
「……犬っころと猫ちゃん連れて行けば大丈夫でしょ?アイツらまた変な魔道具作ってるみたいだし。それも、魔物を斃す事ができる機能付きだって」
ふくは難しい顔をするが、ヴォルフの信頼を得ているポチおとにゃんのことを聴き、ため息を吐く。
「そうじゃの。心配してもしょうがないじゃろうな。あとは上手く彼奴らがやってくれる事を期待しようかの」
「そうだよ。ずっとオレらに頼りっぱなしだと、オレらがいない時に国が壊れてしまうしな」
「うむ。にゃんにはもう伝えておるから、いずれ報告が来るじゃろう。一先ず、わしは休憩じゃ――んむ」
ヴォルフはふくに口付けをし、ふくもそれに応える。
ふくの冒険は女王となった事で終わりを告げた。
しかし、彼女の国をより良くしていきたいという気持ちは、国民にしっかりと伝わっており、国は発展を続けた。
彼女が来なければ、もっと早くにこの世界が滅んでいたかもしれなかったと考えると、運命だったのかとふくは考える。
これまでも、これからもふくは『キツネの女王』として、国民の先頭に立って国を発展させるのであった。
「ふく?」
「ぼるふ。わしはお前に会えて良かったの。大好きじゃ」
「えへへ……嬉しい!」
「なんじゃ、気持ち悪い」
「えぇ……」
キツネの女王 完
あとがき
ここまでご愛読ありがとうございました。
次回作も製作中ですので気長にお待ちくださいね!
応援してくれた方、たくさん読んでくれた方、とても励みになりました。
末筆ではありますが、お礼を申し上げます。
ありがとうございました!
わんころ餅
二度国が崩壊しかけ、立ち直った国であり、国民のほとんどがケモノの姿をしている。
犬、猫、ネズミ、ウサギと様々な種族が手を組んで作り上げた国でお互いが助け合う理想の国である。
以前は全てを使い物にならない暗黒に染める魔物が存在していたが、この国の王と女王の二人によって、根絶やしにした。
王の名はヴォルフ。
彼はこの世界を作り上げた神であり、元々この国の王であった。
しかし、彼の間違えた政策で国は荒れ果て、崩壊寸前であった。
そんな時、一人の人間の女がこの世界に堕ち、彼と手を取り合って国づくりをしていった。
人間の女はヴォルフの力を受け継ぎ、姿をキツネの女へと変貌させた。
神を調伏し、手懐け、世界を回り、理を知った。
初めての国はネズミと手を取り合うも、邪な存在である魔物に国を半壊させられ、建て直す為犬族と野狐族と手を取り合う。
しかし、野狐族の野望によりキツネの女は操られ、ヴォルフが国を守る要となった。
ヴォルフは野狐族からキツネの女を取り戻し、再び旅に出る。ウサギ族を連れ、竜人族と出会い、魔物を倒す鍵を見つけ、攻勢に転じた。
犬族と猫族の男女と竜人族、鳥人族により魔道具を発明し、【太陽】は輝きを取り戻す。
ヴォルフとキツネの女は手を取り合い、大穴より這い出る招かれざる客人を追い返し、大穴を聖なる力で閉じた。
キツネの女はヴォルフと共に魔力を共鳴させ、『豊穣の儀』を行い、この国に緑と新たな命を生み出したのだった。
「以上がこの国の女王であるふく様のお話です。ここ、テストに出るのでしっかりと覚えておくように。それと、この学園最初の生徒であるみんなに一つ課題があ――」
――キーンコーンカーンコーン
授業の終了を知らせる鐘が響き渡り、生徒たちは立ち上がって帰宅の準備をする。
「あ、ちょっと……!まだ途中なのだけど……!!」
「先生、授業の時間は終わったので帰ります」
「そーですよ!あたしたちはこれから魔獣狩りに大人と出掛けるんだから!」
「……すみません」
生徒たちはそう言ってそそくさと教室を出ていった。
一人教室の教壇で佇む猫族の教師。
彼女の名は『にゃん』。
この学園『フォクノナティア学園』の教師で主に文字と歴史を教えている。
文字は彼女の元の国である『ニホン語』を教え、平仮名とカタカナを生徒に教えていた。
それはこの国の女王『ふく』の生まれ故郷が『日本』である事が一番の要因だった。
文字の普及率はそれほど高くはないが、書物に魔法を残したり、魔道具の制作法などを残したりと色々役に立っている。
ポチおは魔道具の発明と製作を行っており、学園の一角で生徒に制作法を教えていた。
基本的に高出力の魔道具は作れないので、彼の指導を受けるヒトはそれほど多くはない。
それでも、彼の作った魔道具は町のインフラを担っているため、技師にとっては憧れの的になっていた。
ライラは魔法の根源や発動の訓練を担う教師に抜擢され、活躍していた。
彼女の授業はとても人気であり、特に対人戦闘の訓練が人気である。
娘のレプレも学園に入学しており、日々訓練に励んでいるようだった。
ガルドはヴォルフと共に近衛師団を結成し、竜騎士として名を馳せていた。
唯一の竜人族という事もあり、彼と手合わせをしたがる同僚が多く、戦闘技術を上げていた。
ウルはヴォルフと離れ、衣料品の製作に携わっていた。
ポチおの発明で従来の糸にミスリルを組み込ませる事で簡易的な鎧のような服が出来上がり、学園の制服に採用されている。
そして、ガブは学園で生活しており、学業が終わると王の住む浮き島へと戻り、ヴォルフから戦闘訓練を受け、ふくから政治を学ぶのであった。
ふくとヴォルフは浮き島にある自宅から基本的に出てこない。
執務スペースがあるため、そこで書類などを処理していた。
因みにヴォルフは基本的に寝てばかりでいるが、魔獣や龍が襲来した時、彼が先陣を切って出る。
彼の能力や魔法が強いため、近衛師団の出る幕がないのが残念である。
ふくは書類を片付け終わり、背伸びをする。
ヴォルフがそれを察して、側に寄る。
「ふく?外に出よっか?」
「そうじゃの。少しくたびれてしもうた」
昼間の【太陽】はとても輝いており、ふくは目を細めて光の加減を制御する。
次第に光に順応し、島の淵から町を眺める。
「のう」
「?」
「学園の中で優秀なヒトを選抜して、鳥族の大穴を封じ込めようと思っておる。じゃが、わしやぼるふは忙しくて叶わぬ。生徒だけで行かせても良いかの……?」
「……犬っころと猫ちゃん連れて行けば大丈夫でしょ?アイツらまた変な魔道具作ってるみたいだし。それも、魔物を斃す事ができる機能付きだって」
ふくは難しい顔をするが、ヴォルフの信頼を得ているポチおとにゃんのことを聴き、ため息を吐く。
「そうじゃの。心配してもしょうがないじゃろうな。あとは上手く彼奴らがやってくれる事を期待しようかの」
「そうだよ。ずっとオレらに頼りっぱなしだと、オレらがいない時に国が壊れてしまうしな」
「うむ。にゃんにはもう伝えておるから、いずれ報告が来るじゃろう。一先ず、わしは休憩じゃ――んむ」
ヴォルフはふくに口付けをし、ふくもそれに応える。
ふくの冒険は女王となった事で終わりを告げた。
しかし、彼女の国をより良くしていきたいという気持ちは、国民にしっかりと伝わっており、国は発展を続けた。
彼女が来なければ、もっと早くにこの世界が滅んでいたかもしれなかったと考えると、運命だったのかとふくは考える。
これまでも、これからもふくは『キツネの女王』として、国民の先頭に立って国を発展させるのであった。
「ふく?」
「ぼるふ。わしはお前に会えて良かったの。大好きじゃ」
「えへへ……嬉しい!」
「なんじゃ、気持ち悪い」
「えぇ……」
キツネの女王 完
あとがき
ここまでご愛読ありがとうございました。
次回作も製作中ですので気長にお待ちくださいね!
応援してくれた方、たくさん読んでくれた方、とても励みになりました。
末筆ではありますが、お礼を申し上げます。
ありがとうございました!
わんころ餅
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