選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ

暖夢 由

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16.事実を知る

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「そうか。あの女とその娘が……

ナタリー、今から話す事はナタリーにかなりの衝撃を与えるだろう」


そう言って話し出す内容。

それは………


私には長年に渡って毒が盛られていたこと。

だからなにかある時には体調を崩し、参加を阻まれていたのだという事。

それは殺すほどの量や頻度ではなく、量がしっかりと調節されていたという事。

家から離れたから、リッタさんの所に行ったから、私の症状はこの何日間か出ていないのだという事。


毒?………毒って………

待って………

…………それってもしかして………母も………毒で死んだという事?

同じ症状で同じ病状で遺伝かもしれないと言われた。


それが毒が原因だというのなら………



でも………でも………それって…………




「でも…………医師は遺伝だって………」

そう、医者に見せていないのなら毒かもしれないって疑わなかったわけではない。

でも私に症状が出てすぐに医者に診てもらった。それからだってずっと診てもらっていた。
それなのに毒だなんて………

「主治医以外の医師に診てもらった事は?」

その言葉に私は頭を横に振る。

「他の医師ならこの症状をもしかしたら知ってるんじゃないかって聞いてみたことはあります。

でも………他の医師にも尋ねては見たが、他にそんな症例見たこともない。力になれないと断られてしまったと、父が………。




でっ、でも………でも………もし本当に私のこの症状が毒なら………


毒なら………同じ症状だった母は……母は…………」



そう……私と同じ症状の母も毒で死んでしまったのかもしれない。

でも……あの時家にはまだ義母や義姉はいなかった。

それなら母を殺したのは…………


「そうだな。

もしマリアも同じ症状で死んだのなら、マリアも同じ毒を盛られ……そして亡くなってしまったのかもしれない。

現状ではマリアはどうかはまだ分からない。

だがナタリー、君が毒に侵されていたことは事実だ。

ジャリッタさんが君の髪の毛を調べてくれた。

それによって、3年以上に渡って毒を摂取させられていたことが分かっている。

ナタリーの話を聞く限り、きっと社交界デビューの前に摂取させられたのが始まりだろう。

それからずっと摂取させられ続けた。

すまない………気付いてやれなくて本当にすまない………」


そう言って私の手を握りしめてくれる。

右手は祖母が、左手は祖父が。
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