選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ

暖夢 由

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17.守られていた

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私は毒に侵されていたのかもしれない。

でもそれはそれを飲ませた人たちのせいであって、今までずっと会えなかった祖父母のせいではない。

それに祖父母はずっと会う努力をしてくれていたと知った。

それなのにどうやって防ぐことができただろう。

「お祖父様、お祖父様が謝る必要などありません。

気付いてくれてありがとうございます。

私はずっと誰にも愛されていないと思っていました。

そして婚約者に裏切られていることを知り、もう生きている希望なんて抱けなくて、死んでしまってもいいと、死んでしまいたいと思ったんです。

でもリッタさんに会って、リッタさんがここに連れてきてくれて、まだ生きていたいと思えたんです。

だから毒の事を気付いてくれて、愛してると教えてくれて本当にありがとうございます」


そういうとまたぎゅーっと抱きしめてくれる。

分からないけれど、父が愛してくれていればこうして抱きしめてくれたのかな。

ここに来てからまだ何日かしか経っていないのに、こうして何度も抱きしめてくれる。

母がいてくれた頃に感じてた幸せを私は今感じている。

それは毒を飲んでいた年月よりも価値がある。

だから祖父にも祖母にもそんな責任を感じて欲しくないと思った。


「ナタリー、ありがとう。

生きていてくれて本当にありがとう。

でもナタリーの毒に気付いたのはジャリッタさんだよ。

店に来た時に気付いて、その時から解毒剤をスープに入れて飲ませてくれていたんだよ。

その日から体調がいいんだろう?」


思わぬ発言に私はリッタさんに視線を向ける。
まっすぐと私を見つめてくれ、困ったように口を開く。


「すぐに言わなくてすまなかったね。それに騙すようにして薬を飲ませたことも謝らなきゃね。

あんたが店に来て、その顔には白い斑点が薄く浮かんでいた。それを見てすぐにわかったんだ。

すぐに伝えるべきか迷ったが、そんな環境に置かれているんだ。先にマリアの親にと思ってね」

白い斑点?

そう言えば死ぬ前の母の顔には白い斑点が顔のいたるところにあったかもしれない。

あの時はそれが異常だなんて疑いもしなかった。

でもそれがおかしなことなら、周りの人間が気付いたんじゃ……
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