選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ

暖夢 由

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27.待っていた人たち

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あの家族の様子を眺めていると、父たちは主催であるダスカート家の皆様のもとへ挨拶に行った。
そこにはアミ様とエミリオ様の姿もあり、エミリオ様の姿を見た途端、アルバは顔を真っ赤に染め、グレン様の腕から手を離していた。
何を話しているかまでは聞こえないけれど、なにか熱心にエミリオ様に話しかけているが、エミリオ様は普段見せてくれるような笑顔ではなく、なにか機械的に相槌をうっているように見えた。

少しして父たちがダスカート家の皆様から離れたと思ったら、父の元へはロドル兄様が近寄っていった。

私の従兄弟を父が知らないはずはない。
貴族にとって親族とは有利にも不利にもなる存在。それを知らないはずがない。
今兄様がここにいるとわかれば警戒するのではないか、と思っていたが、杞憂だったとわかる。
父は私の従兄弟のことさえ知らなかったようだ。

少し話したと思ったらロドル兄様は2階に戻ってきた。その横にはエミリオ様も一緒に。

顔を歪めた2人が話し始めた内容、それはアルバが自己紹介で私の名前を語ったということ。

身分詐称は立派な罪。しかも貴族の身分となると重罪だ。

それをあの家族は家族ぐるみでやったということ。

そんな話が2人の口から聞かされた直後、ダスカート家の使用人がエミリオ様に耳打ちをする。

それを聞いたエミリオ様は綺麗な顔に不敵な笑みを浮かべ、「到着されたようです。下へ参りましょうか」と言った。

その言葉を合図に私たちは皆、下に降りる。
私たちが待つパーティー会場に姿を表したのはパレドス前子爵夫妻。そう、父の両親であり、私の祖父母だ。

夫妻は主催であるダスカート家に挨拶に行く。

その姿を見つけ、目を泳がせているのは父。両親がここに来るとは思っていなかったのだろう。

きっとどうしようかと考えていた時、ダスカート夫人のアミ様が「ご子息家族も挨拶に来ていただきましたよ」とその存在を伝えると、祖母の視線が動き、父へと向かった。

挨拶が終わるとすぐに祖母は父の元へ向かっていった。
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