27 / 88
28.孫を見て抱く懸念
しおりを挟む「マルク、来ていたのね。
あら……その女性は…もしかしてナタリアなの?
まぁ、身体はもういいの?何度も会わせるように言うのにうつすといけないからと言って会わせなかったのに、パーティーに来れるくらいに元気になったのなら先に連絡を入れなさい!
あぁ、ナタリア、顔をよく見せて……
ナタリア…?
」
ナタリアと呼ばれる女性に近寄り、その姿を見た瞬間、怪訝そうに顔を歪める祖母。
「ち…父上、母上、連絡もせず申し訳ありません。
ナタリアの調子が良くなってきて、まずはデビューをさせてやりたいと思い、準備を進めていたら連絡が遅くなってしまいました。
ですが今日はどうしてこちらへ……私たちの招待状にはパレドス家代表と書いてあったのに」
「何を言っているのです。
どちらを優先させるかではなく、どちらもやるなどあたりまえでしょう。
それに私たちはダスカート家より招待状を頂いたので伺ったまで。あなたがとやかくいうことではありません!」
「っっ……申し訳ありません。
ナタリア、久しぶりに会うが、こちらがお前のお祖母様とお祖父様だよ。ご挨拶は?」
「はいっ!
お祖父様、お祖母様、ナタリア・パレドスでございます。
お祖父様とお祖母様にずっとお会いしたかったですわ。今まではずっとベッドから出られなかったけれど、病気も良くなったのでこれからはたくさんお会いしたいです」
その挨拶に祖母の眉間の皺は深くなった。
「最後にナタリアと会ったのは5歳の頃だったね。だがその頃の面影がないのはなぜ?
瞳の色は同じ緑のようだが、髪は幼いときは茶色だっただろう。こんな玉ねぎのような色ではなかったはずだよ」
その声掛けに父は顔色が青ざめているのがわかる。
しかし、誰よりも肝が座っていたのがアルバだった。
「お祖母様、年齢とともに髪の毛の色が変わってしまったのですわ。それに病でずっと食事も満足に取れなかったので、栄養が抜けてしまい、色が抜けてしまったのですわ。
でも栄養が足りなくても瞳の色は変わらないのですね。生まれて今まで変わらず自慢の緑色のままですわ」
その言葉に頭を横にかしげながらまじまじとアルバの顔を見つめている。
見つめられているアルバはにこにこと笑顔を絶やさずに、祖父母の顔を見つめている。
どうしてこんなに堂々と嘘をつきとおせるのか。
父とグレン様の顔はひきつっていると言うのに。
その時、私の背中に回されたロドル兄様の手に力がこもった。
私がロドル兄様を見ると、ニコッとわらってくれる。きっと、これから何が起ころうとついていると言ってくれているのだろう。
そしてその手はさらに力が入り、自分について来いというようにロドル兄様の歩調と一緒に私の身体も押し出される。
そしてみんなが足を進め、祖父はフランク祖父様とイサベル祖母様と向かい合う場所で止まる。
336
あなたにおすすめの小説
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
【完】愛していますよ。だから幸せになってくださいね!
さこの
恋愛
「僕の事愛してる?」
「はい、愛しています」
「ごめん。僕は……婚約が決まりそうなんだ、何度も何度も説得しようと試みたけれど、本当にごめん」
「はい。その件はお聞きしました。どうかお幸せになってください」
「え……?」
「さようなら、どうかお元気で」
愛しているから身を引きます。
*全22話【執筆済み】です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/09/12
※頂いた感想欄にはネタバレが含まれていますので、ご覧の際にはお気をつけください!
2021/09/20
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
さこの
恋愛
恋がしたい。
ウィルフレッド殿下が言った…
それではどうぞ、美しい恋をしてください。
婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました!
話の視点が回毎に変わることがあります。
緩い設定です。二十話程です。
本編+番外編の別視点
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる