37 / 88
38.まずは身分詐称について
しおりを挟む
コンコン
「あいわかった。その他、話をしたいものがあるかもしれないがそれは後ほど聞くこととする。
それでは裁判職員、カルラド・マクレドより提出のあった証拠書類は皆に配るように。
それをもとに私たちの方から質問を行う。
まず1つ目の質問はわかりやすいところからいこうか。
そちらにいる女性、夜会ではナタリアと名乗っていたようだが、今の話では虚偽の可能性があるようだ。改めて自分の名前を名乗るように」
そこで初めてアルバがキョロキョロとあの男とヨランダそしてグレン様の顔を見た。
しかしその視線に応えるものは誰もいなかった。この場での虚偽の発言は罪に問われる。それがわかっていながら肯定していいとは言えなかったようだ。しかし反対に本当の名前を名乗ればそれは身分詐称していた事がこの場で証明されてしまうという事。どちらにしても罪を認めることにしかならないのだ。
そうして皆が黙ったことでようやく事の重さがわかったのか、アルバが取った方法は黙ると言うものだった。何も答えない、そうであれば何も示せないとそう思ったのかもしれない。
「そうか。何も答えないと言うことだな。
では質問者を変えよう。マルク・パレドス、そこにいるそなたの娘の名は?…
そうか、こちらも回答はないという事だな。
これでは審議が先に進まないため、こちらで先ほど提出のあった宣誓書を読み上げる。父上、あなたの名前はマルク・パレドス、そしてその娘の名前はアルバ・マルクスと記入がある。この署名に虚偽があった場合、即刻罪に問われると言う事は先に説明があった通り。
この署名が嘘か、それともパーティーでの紹介が虚偽かどちらかはっきりしてもらおう」
裁判長のその声掛けに観念したのか、力のないあの男の声が聞こえてくる。
「……申し訳……ありません………この娘はアルバ・パレドスです」
ある日、ナタリアが急に部屋から姿を消したことにより、アルバをナタリアとして社交界デビューさせてしまおうと思ったのだという。しかし、事前から計画していたことではなく、ナタリアが姿を消したことでその考えが浮かんでしまったと言った。このような安易な行動をしてしまい申し訳ないと謝っていた。
その謝罪は本当に後悔しているように見え、まるで同情を誘うような謝罪に、一部はどこか同調するようなささやきも聞こえた。
「あいわかった。その他、話をしたいものがあるかもしれないがそれは後ほど聞くこととする。
それでは裁判職員、カルラド・マクレドより提出のあった証拠書類は皆に配るように。
それをもとに私たちの方から質問を行う。
まず1つ目の質問はわかりやすいところからいこうか。
そちらにいる女性、夜会ではナタリアと名乗っていたようだが、今の話では虚偽の可能性があるようだ。改めて自分の名前を名乗るように」
そこで初めてアルバがキョロキョロとあの男とヨランダそしてグレン様の顔を見た。
しかしその視線に応えるものは誰もいなかった。この場での虚偽の発言は罪に問われる。それがわかっていながら肯定していいとは言えなかったようだ。しかし反対に本当の名前を名乗ればそれは身分詐称していた事がこの場で証明されてしまうという事。どちらにしても罪を認めることにしかならないのだ。
そうして皆が黙ったことでようやく事の重さがわかったのか、アルバが取った方法は黙ると言うものだった。何も答えない、そうであれば何も示せないとそう思ったのかもしれない。
「そうか。何も答えないと言うことだな。
では質問者を変えよう。マルク・パレドス、そこにいるそなたの娘の名は?…
そうか、こちらも回答はないという事だな。
これでは審議が先に進まないため、こちらで先ほど提出のあった宣誓書を読み上げる。父上、あなたの名前はマルク・パレドス、そしてその娘の名前はアルバ・マルクスと記入がある。この署名に虚偽があった場合、即刻罪に問われると言う事は先に説明があった通り。
この署名が嘘か、それともパーティーでの紹介が虚偽かどちらかはっきりしてもらおう」
裁判長のその声掛けに観念したのか、力のないあの男の声が聞こえてくる。
「……申し訳……ありません………この娘はアルバ・パレドスです」
ある日、ナタリアが急に部屋から姿を消したことにより、アルバをナタリアとして社交界デビューさせてしまおうと思ったのだという。しかし、事前から計画していたことではなく、ナタリアが姿を消したことでその考えが浮かんでしまったと言った。このような安易な行動をしてしまい申し訳ないと謝っていた。
その謝罪は本当に後悔しているように見え、まるで同情を誘うような謝罪に、一部はどこか同調するようなささやきも聞こえた。
344
あなたにおすすめの小説
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
悪女と呼ばれた王妃
アズやっこ
恋愛
私はこの国の王妃だった。悪女と呼ばれ処刑される。
処刑台へ向かうと先に処刑された私の幼馴染み、私の護衛騎士、私の従者達、胴体と頭が離れた状態で捨て置かれている。
まるで屑物のように足で蹴られぞんざいな扱いをされている。
私一人処刑すれば済む話なのに。
それでも仕方がないわね。私は心がない悪女、今までの行いの結果よね。
目の前には私の夫、この国の国王陛下が座っている。
私はただ、
貴方を愛して、貴方を護りたかっただけだったの。
貴方のこの国を、貴方の地位を、貴方の政務を…、
ただ護りたかっただけ…。
だから私は泣かない。悪女らしく最後は笑ってこの世を去るわ。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ ゆるい設定です。
❈ 処刑エンドなのでバットエンドです。
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
旦那様に愛されなかった滑稽な妻です。
アズやっこ
恋愛
私は旦那様を愛していました。
今日は三年目の結婚記念日。帰らない旦那様をそれでも待ち続けました。
私は旦那様を愛していました。それでも旦那様は私を愛してくれないのですね。
これはお別れではありません。役目が終わったので交代するだけです。役立たずの妻で申し訳ありませんでした。
【完】愛していますよ。だから幸せになってくださいね!
さこの
恋愛
「僕の事愛してる?」
「はい、愛しています」
「ごめん。僕は……婚約が決まりそうなんだ、何度も何度も説得しようと試みたけれど、本当にごめん」
「はい。その件はお聞きしました。どうかお幸せになってください」
「え……?」
「さようなら、どうかお元気で」
愛しているから身を引きます。
*全22話【執筆済み】です( .ˬ.)"
ホットランキング入りありがとうございます
2021/09/12
※頂いた感想欄にはネタバレが含まれていますので、ご覧の際にはお気をつけください!
2021/09/20
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
さこの
恋愛
恋がしたい。
ウィルフレッド殿下が言った…
それではどうぞ、美しい恋をしてください。
婚約者候補から外れるようにと同じく婚約者候補のマドレーヌ様が話をつけてくださりました!
話の視点が回毎に変わることがあります。
緩い設定です。二十話程です。
本編+番外編の別視点
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる