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72.迎え
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家の前にはすでに馬車が止まっており、馬車の前には花束を抱えた男性が立っていた。
あの裁判後も変わらず付き合いを続けてくれている侯爵家のエミリオ様。
赤い花束を持つ姿はまるで絵本の中から出てきた王子様のようだ。
その姿を見て私は早足でエミリオ様に近寄る。
「エミリオ様、お待たせして申し訳ありません。いつからここに?
声をかけてくださればよかったのに。申し訳ありません」
私と目が会った瞬間から、目元を緩めて見つめてくれる優しい顔で口を開いた。
「ナタリーがいつ出てきてくれるか、今日はどんな素敵な恰好で出てきてくれるのか、待っているだけで楽しいんだ。そんなせっかくの楽しみを減らしてしまってはもったいないだろう。
僕は好きでナタリーを待っているんだから、ナタリーは気にしなくていいんだよ。
それよりも今日も相変わらず綺麗だね。綺麗なナタリーにこのアクセサリーが似合っててよかった。
こんな素敵な女性をエスコートさせて頂ける幸運に感謝して、こちらの花をプレゼントいたします」
こんなことを恥ずかしげもなく、言ってしまえるエミリオ様。
確かにこんな方にエスコートされて行けば、女性陣の格好の的。これはいい勉強になりそうだわ。
そう納得しながらも、顔の熱が引いてくれない。
だって私の人生で私にこんなことを言ってくれる男性はいなかった。
耐性がないのは仕方のないことだと思う。
元婚約者だってこんな甘い事、私に言ったことはない。
だから顔どころか、体中が熱いのは許してほしい。
今日のこのパーティーに行くために、エミリオ様がワザワザ私の装いを一式準備してくださった。
エミリオ様の服装に合わせて、私のドレスはオレンジ色のドレス。
そして、エミリオ様の瞳の色に合わせて青色のアクセサリーもプレゼントしてくださった。
きっと本当の婚約者だったらこうしてお揃いのコーディネーターで社交界に参加するのだろうけれど、私はエミリオ様の婚約者ではない。
それなのに、いいのだろうか……
何度もお断りしたけれど、エミリオ様に押し切られ、そのうえアミおば様にも「実際に社交の場ではそれくらいしとかなきゃダメよ」と言われればそれ以上お断りすることもできなかった。
あの裁判後も変わらず付き合いを続けてくれている侯爵家のエミリオ様。
赤い花束を持つ姿はまるで絵本の中から出てきた王子様のようだ。
その姿を見て私は早足でエミリオ様に近寄る。
「エミリオ様、お待たせして申し訳ありません。いつからここに?
声をかけてくださればよかったのに。申し訳ありません」
私と目が会った瞬間から、目元を緩めて見つめてくれる優しい顔で口を開いた。
「ナタリーがいつ出てきてくれるか、今日はどんな素敵な恰好で出てきてくれるのか、待っているだけで楽しいんだ。そんなせっかくの楽しみを減らしてしまってはもったいないだろう。
僕は好きでナタリーを待っているんだから、ナタリーは気にしなくていいんだよ。
それよりも今日も相変わらず綺麗だね。綺麗なナタリーにこのアクセサリーが似合っててよかった。
こんな素敵な女性をエスコートさせて頂ける幸運に感謝して、こちらの花をプレゼントいたします」
こんなことを恥ずかしげもなく、言ってしまえるエミリオ様。
確かにこんな方にエスコートされて行けば、女性陣の格好の的。これはいい勉強になりそうだわ。
そう納得しながらも、顔の熱が引いてくれない。
だって私の人生で私にこんなことを言ってくれる男性はいなかった。
耐性がないのは仕方のないことだと思う。
元婚約者だってこんな甘い事、私に言ったことはない。
だから顔どころか、体中が熱いのは許してほしい。
今日のこのパーティーに行くために、エミリオ様がワザワザ私の装いを一式準備してくださった。
エミリオ様の服装に合わせて、私のドレスはオレンジ色のドレス。
そして、エミリオ様の瞳の色に合わせて青色のアクセサリーもプレゼントしてくださった。
きっと本当の婚約者だったらこうしてお揃いのコーディネーターで社交界に参加するのだろうけれど、私はエミリオ様の婚約者ではない。
それなのに、いいのだろうか……
何度もお断りしたけれど、エミリオ様に押し切られ、そのうえアミおば様にも「実際に社交の場ではそれくらいしとかなきゃダメよ」と言われればそれ以上お断りすることもできなかった。
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