32 / 39
お茶がなくなる…
しおりを挟むそうして、やはり黙ったまま我が家の前で馬車が止まります。
フレッド様は黙ったまま馬車を降り、私に手を差し出してくれます。
私はその手を取り、馬車をおりますが、この空気はなんだか嫌です…
「あの、フレッド様?お話したくないことはお話されなくても…「サリー、この後部屋に行ってもいい?さっきのことをちゃんと話す」」
少し苦そうな顔をしながらフレッド様が手をギュッと握りそう言います。
「畏まりました。ではお茶の準備をしてお待ちしておりますね」
玄関まで私の手を引いてくれたフレッド様といったん別れ、私は自分の部屋へ、フレッド様はお父様の執務室へ報告へ行くそうです。
私はメイドのアンにお茶の準備をお願いします。
そして椅子に腰掛け、フレッド様を待っていると予想より早くドアをノックする音が聞こえます。
アンがドアを開けるとやはりフレッド様で、アンには席を外してもらいます。
フレッド様は私の隣に腰をかけ、お茶を飲み始めます。
なんだか緊張しているように見えるのは私でしょうか。それともやはりまだ機嫌が悪いのでしょうか。
それでもお話をしたいとおっしゃったのはフレッド様です。私はフレッド様がお話を始めるのを待ち、同じようにお茶に口をつけ待ちます。
…………………そんなにこのカップ大きくありません……お茶がなくなってしまいます……
そんな変などぎまぎを胸の中で抱えていると、なんだかフレッド様のか細い声が聞こえてきます。
「サリー、、、その笑わないで聞いてくれる?」
正直まだ話しを聞いていないので笑うか笑わないかはわかりませんが、とりあえず今の空気では笑えそうにもありません。
「はい。もし面白い話であっても笑わないよう努力致します」
「………面白くはないと思うんだけど、、、その、、僕らが初めてあったのは王誕祭の時だよね。サリーのエスコートをできるようにデイヴに頼んで、そこで出会ったのが初めてだったと思う。でもその前に何度もサリーの話しをデイヴから聞いてた。綺麗な子だけど、領地の特産品に関してとても詳しい。特産品のことを聞くと目を輝かせて話し出すと。そのほかにもご令嬢とは思えないほどの知識があり、マナーも公爵家にも引けを取らないと。」
そう言えば、初めてお会いした時にデイブから聞いてたと言っていましたよね。でも織物のことだけでなく、そんなことも…
「そうですか…デイヴが…」
なんだかデイヴが少し恨めしい気がします。私の知らない人に領地のものに関して目を輝かせて話すだなんて、令嬢としてはあるまじき行為ではないですか…
「そうだから興味を持った…以前そう話したよね。」
「そうですね。伺いました」
このぐらいの内容なら初めて我が家に来て頂いた時の話しと一致する。
70
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者?勘違いも程々にして下さいませ
リリス
恋愛
公爵令嬢ヤスミーンには侯爵家三男のエグモントと言う婚約者がいた。
先日不慮の事故によりヤスミーンの両親が他界し女公爵として相続を前にエグモントと結婚式を三ヶ月後に控え前倒しで共に住む事となる。
エグモントが公爵家へ引越しした当日何故か彼の隣で、彼の腕に絡みつく様に引っ付いている女が一匹?
「僕の幼馴染で従妹なんだ。身体も弱くて余り外にも出られないんだ。今度僕が公爵になるって言えばね、是が非とも住んでいる所を見てみたいって言うから連れてきたんだよ。いいよねヤスミーンは僕の妻で公爵夫人なのだもん。公爵夫人ともなれば心は海の様に広い人でなければいけないよ」
はて、そこでヤスミーンは思案する。
何時から私が公爵夫人でエグモンドが公爵なのだろうかと。
また病気がちと言う従妹はヤスミーンの許可も取らず堂々と公爵邸で好き勝手に暮らし始める。
最初の間ヤスミーンは静かにその様子を見守っていた。
するとある変化が……。
ゆるふわ設定ざまああり?です。
見るに堪えない顔の存在しない王女として、家族に疎まれ続けていたのに私の幸せを願ってくれる人のおかげで、私は安心して笑顔になれます
珠宮さくら
恋愛
ローザンネ国の島国で生まれたアンネリース・ランメルス。彼女には、双子の片割れがいた。何もかも与えてもらえている片割れと何も与えられることのないアンネリース。
そんなアンネリースを育ててくれた乳母とその娘のおかげでローザンネ国で生きることができた。そうでなければ、彼女はとっくに死んでいた。
そんな時に別の国の王太子の婚約者として留学することになったのだが、その条件は仮面を付けた者だった。
ローザンネ国で仮面を付けた者は、見るに堪えない顔をしている証だが、他所の国では真逆に捉えられていた。
【完結】お姉様!脱お花畑いたしましょう
との
恋愛
「私と結婚して頂けますか?」
今日は人生で最高に幸せな日ですわ。リオンから結婚を申し込まれましたの。
真実の愛だそうです。
ホントに? お花畑のお姉様ですから、とっても心配です。私の中のお姉様情報には引っかかっていない方ですし。
家族のため頑張って、脱お花畑目指していただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
初投稿です。不慣れな点、多々あるかと思います。
よろしくお願いします。
【完結】義家族に婚約者も、家も奪われたけれど幸せになります〜義妹達は華麗に笑う
鏑木 うりこ
恋愛
お姉様、お姉様の婚約者、私にくださらない?地味なお姉様より私の方がお似合いですもの!
お姉様、お姉様のお家。私にくださらない?お姉様に伯爵家の当主なんて務まらないわ
お母様が亡くなって喪も明けないうちにやってきた新しいお義母様には私より一つしか違わない双子の姉妹を連れて来られました。
とても美しい姉妹ですが、私はお義母様と義妹達に辛く当たられてしまうのです。
この話は特殊な形で進んで行きます。表(ベアトリス視点が多い)と裏(義母・義妹視点が多い)が入り乱れますので、混乱したら申し訳ないですが、書いていてとても楽しかったです。
婚約破棄?私の婚約者はアナタでは無い リメイク版 【完結】
翔千
恋愛
「ジュディアンナ!!!今この時、この場をもって、貴女の婚約を破棄させてもらう!!」
エンミリオン王国王妃の誕生日パーティーの最中、王国第2王子にいきなり婚約破棄を言い渡された、マーシャル公爵の娘、ジュディアンナ・ルナ・マーシャル。
王子の横に控える男爵令嬢、とても可愛いらしいですね。
ところで、私は第2王子と婚約していませんけど?
諸事情で少しリメイクさせてもらいました。
皆様の御目に止まっていただけたら幸いです。
最愛の人に裏切られ死んだ私ですが、人生をやり直します〜今度は【真実の愛】を探し、元婚約者の後悔を笑って見届ける〜
腐ったバナナ
恋愛
愛する婚約者アラン王子に裏切られ、非業の死を遂げた公爵令嬢エステル。
「二度と誰も愛さない」と誓った瞬間、【死に戻り】を果たし、愛の感情を失った冷徹な復讐者として覚醒する。
エステルの標的は、自分を裏切った元婚約者と仲間たち。彼女は未来の知識を武器に、王国の影の支配者ノア宰相と接触。「私の知性を利用し、絶対的な庇護を」と、大胆な契約結婚を持ちかける。
姉の歪んだ愛情に縛らていた妹は生傷絶えない日々を送っていましたが、それを断ち切ってくれる人に巡り会えて見える景色が様変わりしました
珠宮さくら
恋愛
シータ・ヴァルマは、ドジな令嬢として有名だった。そして、そんな妹を心配しているかのようにずっと傍らに寄り添う姉がいた。
でも、それが見た目通りではないことを知っているのといないとでは、見方がだいぶ変わってしまう光景だったことを知る者が、あまりにも少なかった。
婚約破棄されました。
まるねこ
恋愛
私、ルナ・ブラウン。歳は本日14歳となったところですわ。家族は父ラスク・ブラウン公爵と母オリヴィエ、そして3つ上の兄、アーロの4人家族。
本日、私の14歳の誕生日のお祝いと、婚約者のお披露目会を兼ねたパーティーの場でそれは起こりました。
ド定番的な婚約破棄からの恋愛物です。
習作なので短めの話となります。
恋愛大賞に応募してみました。内容は変わっていませんが、少し文を整えています。
ふんわり設定で気軽に読んでいただければ幸いです。
Copyright©︎2020-まるねこ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる