144 / 380
大災害を隠匿する帝国
独逸帝国の独裁体制
しおりを挟む
海底軍艦のCICでは、キャプテンの声のみが聞えていた。「ロケット爆撃機、自爆装置解除、落下目標は原爆工場、マッハ3を維持。」 コパイが動力回路から自爆回路へとスイッチを切り替える。 自爆は緊急措置である、普段はやらない。(当然だ。) 無人機であるが、やはり自分が操縦している機体だ。 自爆などしたくないのだ。 しかし、原爆工場を破壊して原爆開発を遅らせることが日本の国益であり、ひいては国民ひとり、ひとりの将来につながるのだ。 自爆飛行コースが計算できた。 おおきな宙返りをして速度を落とさずに原爆工場に突っ込む。 その進入角度やら速度の計算を操縦装置に入力する。 ロケット爆撃機は宙返りする戦闘機とはワケがちがうのだ。 単に操縦幹を引けば宙返りするのではない。 ロケット噴射口のパドル(可変ノズル)を変化させなければ宙返りできない。 大気の薄い高度2万だ。 やったことの無い宙返りだ。 「自爆飛行コースに入る。」 「機首上げ30.」 「機首上げ30、了解。」 「噴射パドル電算機操作に切り替え。」 「切り替えよし。」 「スロット調整50.」 「スロット50.」 「コースズレないか。」 「コースよし。」 「操縦幹キャプテンへ。」 「操縦幹キャプテン渡した。」 原則、二人で操縦幹を操作するが、やはり機の最後はキャプテンのみで突入するのだ。 「機体内、飛行記録抹消。」 キャプテンが現在のフライトレコーダーに当たる装置の記録をシヨートさせて抹消した。 万一、帝国に発見されるのを防ぐためだ。 そのころ、投下した2発の地層破壊爆弾が地面に突き刺さった。 そして沈黙の地下での爆発で地下6メートルくらいに沈んだ。 ロケット爆撃機がダム工事現場の熱源に突き刺さるのと、山の地下で地層破壊爆弾が破裂するのにタイム差が演算機で3秒だ。 そのタイムのとうり、山が崩れ始めた。 爆発音は低く地鳴りのようだ。 グ、グ、グ、グ、ドヤ、ドヤ、と山が大きく崩れる。 雪崩のように崩れる。 そのカタマリがダム工事現場に降りかかるか、と同時に隕石かと思われる大爆発だ。 火山の噴火か、現場は真っ赤なマグマのごとく灼熱で、人間など近寄れない。 海岸を目指すレンジャー5人の背後で遠くに爆発音が聞える。 火山の爆発音に似ている。 黒田は内心、思う。 これを解析して爆弾の所為だと思うヤカラが何人いるかと。 今は発見されずに海岸を目指す、レンジャーだ。・・・こちらはゲシュタポ本部の夜間当直だ。 電話が鳴る。 ダム工事現場の付近の陸軍基地からだ。 「ハイ、こちら本部当直だ。」 「陸軍基地ですが、山のほうから、とんでもない爆発音と火炎が見えます。」 「偵察隊をだせ。」 「すでに、偵察隊は出ております。」 「そうか、とりあえず爆発現場付近に非常線を張り、不審な者は確保だ。」 「非常線、不審者確保了解です。」 当直は非常ベルを押した。 それは、非常召集のサイレンや検問所への通報を兼ねている。 独逸帝国もバカではない、常に考え反省して対処法を思考錯誤しているのだ。 サイレンが街に響く中をレンジャーは駆け抜ける。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記
糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。
それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。
かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。
ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。
※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
対ソ戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
1940年、遂に欧州で第二次世界大戦がはじまります。
前作『対米戦、準備せよ!』で、中国での戦いを避けることができ、米国とも良好な経済関係を築くことに成功した日本にもやがて暗い影が押し寄せてきます。
未来の日本から来たという柳生、結城の2人によって1944年のサイパン戦後から1934年の日本に戻った大本営の特例を受けた柏原少佐は再びこの日本の危機を回避させることができるのでしょうか!?
小説家になろうでは、前作『対米戦、準備せよ!』のタイトルのまま先行配信中です!
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
対米戦、準備せよ!
湖灯
歴史・時代
大本営から特命を受けてサイパン島に視察に訪れた柏原総一郎大尉は、絶体絶命の危機に過去に移動する。
そして21世紀からタイムリーㇷ゚して過去の世界にやって来た、柳生義正と結城薫出会う。
3人は協力して悲惨な負け方をした太平洋戦争に勝つために様々な施策を試みる。
小説家になろうで、先行配信中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる