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針のムシロだ。
言っていいことと、言ってはいけないこと
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しばらく、待合室で待たされて、さあ国会答弁の現場に出る。 一応、軍服は新品を下ろした。 靴も新品を出して気合を入れて磨いて履いている。 カッターからネクタイも新品だ。 官品の新しい帽子をかぶり直して、イザ戦場 イヤ国会の証人台へ登った。 なんか、造船所のドックの底から広い天井を見上げているようだ。 すると、野党第一党の議員が即、質問だ。 「ええーっ、佐藤隊員とお呼びすればいいでしょうか。」 「ハイ。」 「えーっ、不時着したのは本当ですか。」 「え、え、ソ連の新型にヤラれて、爆片で尾翼などに被害がでました。」 「それで、不時着したと。」 「ハイ、操縦士の先輩隊員がなんとか平原に機を降ろしました。」 「で、その後は。」 「機体を点検して修理しました。」 「失礼ですが機銃員のあなたが、できるのですか。」 「ハイ、一応修理や整備の免許は持っております。」 「紛争現場で修理できたのですか。」 「あまり、軍事機密は申し上げられません。」 「私は野党とはいえ、愛国者だ、決して他言はしない、説明して欲しい。」 佐藤君返答に困る、愛国者といわれれば弱いのだ。 議長が助ける。「お気持ちはわかりますが、これは全国テレビ放送していますので。」 「そうですか、わかりました、それで、あなたが修理できたと、それから。」 「ソ連の戦車が迫ってきたので、二人乗り込んで、なんとか飛んで帰ってきたのです。」 「私の質問は以上です。」 「ハイ。」 野党第二党の議員が質問だ。 「ソ連の新型とはいかなる物ですか。」 「ハイ、今まで見たことがない形でしたから。」 「具体的に言える範囲で。」 「そうですね、でかいミサイルが付いていました。」 「わが国の脅威になるとお思いですか。」 「えーっと、それは、脅威かと問われればそうです。」 「紛争現場には他の飛行機は。」 「それは、軍事機密であるからお答えできません。」 「わかりました、では私達にあるスジから情報が入りました。」 議長が、あわてて、「それは、後ほど閣議で・・・。」 「イヤ、とても大変なことですから、皆さんにも聞いていただきたい。」 「満州国の姫が拉致されたことはご存知ですか。」 佐藤君、詰まる。 「えーっ、言えません。」 「そう、知ってるんですね。」 「言えません。」 「じつは、私の親しい満州国の友人から聞いた話ですが、満州国の姫が離宮から拉致されて、それをあなた達が・・・。」 議長があわてて、「それは、軍事機密だ、ここで言えば・・・。」 「もう、皆知ってしまった。」 「これは、テレビ中継だ。」 「テレビカメラを止めろ。」 もう、ゴチャゴチャだ。会場警備の係がテレビカメラに、あわてて指示している。 やっとテレビ回線がテストパターンになる。 もう、佐藤君は証言台から待合室にMP(軍警察官)に連れられて逃げ込んだ。 もう、国会は場外乱闘現場のようだ。 ブンヤはメモを持って、あわてて駆け出していく。 そう、号外だ。 山田総理は途方にくれた・・・・・ヤラれた、すでに満州国内でバレていたのだ。 満州国の内紛が日本で明るみに出てしまったのだ、それも国会でだ。 国際問題になりかねないのだ。 佐藤君の国会の喚問を利用されてしまった。 もう佐藤君の国会喚問など、どこかに吹っ飛んでしまったのだ。 議長は国会の再開を後日にして、とりあえず国会は閉会となった。 満州国とソ連の紛争は思わぬ方向へ向かうこととなった。
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