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ロンメロ確信す!
総帥暗殺の事実
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ハインリッヒは手に入れた証拠の紙ぐずを封筒に入れて、ロンメロ将軍へ渡した。 封筒を開けたロンメロ将軍は、「やはり、だったのか。」と小さくつぶやいた。 ロンメロ将軍は、ハインリッヒへ、「ご苦労だった、この事は他言無用、ところで、鉄道監察官は、任期は2年だが。」 「ロンメロ将軍、自分は最後まで勤めたいです。」 「わかった、隊への復帰はそれからでいいだろう。」 「ありがとうございます。」 「一応、任官の推薦にはあげておくから。」 ハインリッヒは敬礼で返答して退出した。 ロンメロ将軍が任官の推薦といった、ということは少尉から中尉へ昇進だ。 部下が増えるな、ハインリッヒは、あと1年半の監察官を勤め上げるべく、前線基地をあとにする。 ・・・・ロンメロは総帥遭難事故の裏をひとつ解明できた。 関係者は機関士からリムジンの運転手、指揮戦闘車の乗員まで、全員死亡なのだ。 物的証拠なる物は皆無であり、想像で推察するしかなかった。 しかし、ここに紙クズとはいえ、物的証拠のひとつがあるのだ。 ロンメロがソ連へ放ったスパイからは、まだ何の報告も無かったのだ。 ロンメロは整理した、まず使えない秘書の証言だ。 (まさか、使えない秘書まで殺さないだろうな・・・・)それとなく、シュミットへ助言しようと思うロンメロだ。 ソ連の連絡員(スパイだ。)が総帥室で、ひとりになっていたのだ。 シュミットは使えない秘書との連絡を取れるようにしているらしい。 証言の調書は取れるだろう。 そして、フランス国鉄の保線区員のメモが紙クズとして手に入った。 あいにく、保線区員は口封じで殺されていたが、証拠の紙クズで十分である。 そして、総帥の専用リムジンが故障した件だ。 それは、まだロンメロも確たる証拠や証言を手に入れていない。 今度は、総帥専用リムジンに密偵を放つか。 ロンメロは考えた。 ロンメロも男性である、それも軍人である。 とうぜん、機械物には興味があるし、好きである。 それに、将軍ともなると、それなりの乗用車が配付となる。 総帥用リムジンではないが、(あれは、V型12気筒8000ccだ。)将軍用はV型6気筒3000ccエンジンだ。 それに、閲兵式などあるので、ホロ式のオープンカーである。 もちろん、運転手付きだ。 運転手はロンメロが自身の部下から選んだ。 テロや暗殺はクルマで移動中が多いのだ。 基地内や戦場では、無理であるからだ。 それで、運転手は、それなりの腕のヤツだ。 それで、ロンメロは運転手を呼んだ。 「将軍、お呼びで。」 「うむ、君を呼んだのは、とある情報を掴んできてもらいたいからだ。」 「わかりやした、どんな?」 「君は、あの総帥遭難事故の件をどうおもうかね。」 「あれは、本来のリムジンなら、我らが総帥は・・・」 「そうだな。」 「それに、整備士は独逸マイスターのハイネンだった。」 「そうだな。」 「ハイネンは点火装置のデスビ(デストリビューターのことだ。)の点検を忘れるなんて思えない。」 「うむ。」 「それに、我が独逸帝国の頂点の技術で作ったクルマでさあ。」 「最悪、砲弾の直撃にも耐えますです。」 「80トンの機関車の直撃でも・・・」 運転手は悔しそうにいう。 「しかし、リムジンは予備のヤツだった。」ロンメロは言った。 「そこでだ、君に総帥本部の自動車管理部への出張を命ずる。」 「なお、どうしてか言わなくともわかるな。」 「ハイ、わかりやす。」 「ゲシュタポには注意しろ。」 「わかっておりやす。」 ロンメロと運転手は、部下と上司の関係だが、打てば響く関係なのだ。 ふたりだけのときは、ぞんざいな会話となるのだ。 運転手は退出した。 ロンメロは、代わりの運転手のあてを考えていた。 そうだ、隊内で、自動車レースでもやろうか、と考えるロンメロ将軍であった。
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