伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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ジャイロ製造依頼・・・

卒業生への斡旋なら・・・

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 「ぜひ、貴殿の学校の生徒のお力を・・・」と、斎藤主任技官(弟が満州国の戦車開発会社へ・・・)が頭を下げる。
 それを、冷めた眼で観る・・・腐った教頭の五十女だ。
やがて、銀縁メガネ(腐女子はメガネなのだ。)をカチャと掛けなおして・・・
 永遠の処女が・・・
「軍の兵器を造れと。」「そうです。」
 「乙女に兵器が造れますかね。」と、兵器と聞いて軍艦とか戦車を想像する五十オンナだ。
「いえ、鋼鉄のカタマリでは、ありません。」と、図面を見せる。
 そこには、最高機密の軍のハンコが・・・
「わたくしに、見せていいもんではないでしょうに。」と、驚く教頭だ。
 内心、見てしまった・・・下手な返事なら、憲兵隊に拘束されかねないと、焦る教頭だ。
最高軍事機密となると・・・下手すると・・・数年いや数十年は・・・
 「いえ、他にしゃべらなければ。」と、いう技官だが・・・
オナゴはおしゃべりなのである。
 「あたい、最高軍事機密を・・・」と、井戸端会議で・・・即、しゃべりかねないのだ。
 
 「いえ、見てわかるなら、あなたは軍事兵器の専門家ですよ。」と、謙遜する技官だ。
「なんか、時計のような・・・科学玩具の地球ゴマみたいな・・・」と、いう教頭だ。
 技官はギョッと驚く、このバアさんは何者だよ・・・である。
「わたくしは、教頭ですが。」と、あわてて言い訳のバアさんだ。
 ババァは帝国女学校の教頭だ、スパイの可能性はゼロだと信じたい技官だ。(五十越えなら、メンスはご卒業だろう・・・だから、永遠の処女なのだ。)
 「でも、この機械を組み立てるのなら、とても無理ですよ。」
「出来ない訳はないんですが、学生ですから、勉学が本分ですから。」と、もっともなご意見だ。
 「しかし、野郎の手先では・・・とても無理です。」
「腕時計製作の工員でも?」と、聞く教頭だ。
 「え、え、出来ないことは無いんですが・・・ばらつきが。」と、言い訳の技官だ。
1個、1個ならできるんだが・・・それでは、魚雷を発射するときの調整が・・・1本、1本違ってくるのだ。
 とてもじゃないが・・・それでは、使えない。
野郎の小手先では、品質が一定の水準には維持ができない。
 ここは、熟した腐女子の技が・・・そうとはとても、言えない技官だ。
 
 「なら、卒業した子女なら時間もあり、紹介できますが。」と、解決策を提示する教頭先生である。
「本当ですか、ぜひお願いします。」と、深々と頭を下げる主任技官であった。
 「我が帝女には同窓生の会がございます、そこを紹介いたしますわ。」との、提案だ。
「それで、失礼ですが・・・あのう・・・」と、言いにくそうだ。
 「お給金ですか?」と、水をむける。
「身分は軍事機密を扱うので、公務員というか・・・身分保障は当然ありますよ。」と、技官だ。
 その当時の女子のお仕事といえば・・・電話交換手が花形だった。
「同等以上は、なんとか。」と、答える。
 なんせ、魚雷の開発は海軍の悲願だ。
安い予算は組んではいない。
 「では、募集人員は?」と、具体的な話が進む・・・
「そうですね、30名は欲しいですが。」
 「それくらいなら、なんとかなりそうですね。」
「では、正式な軍からの確約書を・・・」
 「帰り次第、お送りします。」
「では、よしなに・・・」と、帝女の教頭は技官と別れたのだ。

 「それで、君は工場、いや工房をどこに・・・」
「それは、帝女の側でないと。」
 「そうなるな。」
そりゃあ、卒業生を集めるんだ・・・学校の側しか場所はないだろう。
 交通の便も考えねばならない。
そして、それは帝女の教育施設モドキの外観から・・・まさか、魚雷の部品の製作工場とは・・・スパイにも悟られなかったとか・・・
 なんせ、すこし老けた女子高生が出入りする校舎っぽい建物だからだ。
そして、日に1台のノルマでジャイロスコープという超精密機器を・・・19歳から21歳の乙女が製作するのである。
 ミクロン単位の細密工作は・・・大和撫子しか・・・使いのもになるジャイロは造れなかったのだ。
そして、その試作1号機が魚雷へ・・・
 さあ、琵琶湖で試験である。
内地ならスパイ対策が完璧だからである。
 大発(上陸用舟艇)に積まれた試作魚雷は旗が付いたブイが湖面に並んだ発射位置へ・・・
発射菅へ装填された魚雷の最終チェックだ。
 「雷管は外してあるな。」「当然ですよ。」
「なにいっとる、確認だ。」「ハイ。」
 なんどもチエックする試験技官だ。
もう、予算オーバーで失敗は許されないと、海軍の庶務が・・・五月蠅いのだ。
 「ガス圧、チエック。」「OK.]
「推進弁の開閉チェック。」「OK.]
 「ジャイロ、安定してるか?」「いまのところは・・・」
なんせ、はじめてのジャイロ走行魚雷だ。
 湖面には数多くの監視ボートが・・・
赤い旗が振られた。
 「発射の合図だ。」
「いけぇぃ~っ。」と、圧搾空気弁を開く。
 発射菅から「ボコ・・・ボコ。」と、泡を出して・・・琵琶湖の水中へ・・・
「計測はじめっ。」
 魚雷が通り過ぎると緑の旗が監視ボートから上がる。
コースを外れたら黄色い旗だ。
 そして、停止したら赤い旗が・・・
「うん、いまのところ緑だ。」
 「速度もなかなかじゃないか。」
そうなのだ、おもったより監視ボートの旗が上がるのが速いのだ。
 「そろそろ、終点なんだが・・・」
「いや、まだいけるようだぞ。」
 どうなってるんだ・・・すでに予定推進距離は・・・過ぎてるんだが・・・



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