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隊員を増員しての処女訓練航海だ。
イ号潜水艦1番艦、外洋へ・・・
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海軍軍令部の参謀から電話である。
あわてて、駆け足で電話口へ・・・急ぐ松本注意ならぬ、中尉だ。
遅れては・・・言い訳を言わねばならない・・・
「シーマセン、遅れまして・・・ハッ、ハッ。」と、ペコペコする。
相手が電話の向こうなのに、ペコペコするのは、日本人の証拠なのである。
「うむ、話は先日の件だ。」・・・あ、あ、乗員のことだな・・・
「いまの乗組員らは、全員が優秀なサブマリナーです。」
「どうか、おねがいです。」と、懇願する中尉だ。
もう、他にサブマリナー(潜水艦乗組員)は、日本にはいないから、決まりなのだが・・・
そこは、タダでは起きない参謀だ。
「うむ、そうだな君の希望を無下には扱えんしな。」と、恩着せがましい参謀だ。
「わかった、他からの要望もあるんだが・・・君の希望を優先しようではないか。」と、恩を売る参謀だ。
こうして、ちくま号の隊員は全員がスライドしてイ号1番艦へ・・・
しかし、それでも不足なのだ。
もう、外洋処女訓練は・・・迫っているのだ。
不足する隊員は40名を超えるのだ・・・
魚雷が装備されれば、魚雷専門の隊員を増員せねばならない。
まだ、潜水艦学校は開校前なのだ。(訓練施設を建設中)
しかし、とうとう外洋訓練の初日が・・・
潜水艦桟橋に並んだ隊員らである。
その数は7名・・・そう、潜航艇は定員が7名だったのだ。
そして、岸壁には潜水艦イ号1番艦が巨大な姿を・・・
そして、なんと軍神東郷元帥が・・・訓示を・・・
お立ち台へ・・・
「敬礼。」と、軍令部の幹部が・・・
答礼する元帥だ。
「なおれ。」と、幹部が・・・
元帥が手で・・・
「やすめ。」と、幹部が・・・
気をつけ(直立不動)していたが・・・やすめの体勢だ。(すこし足を開く。)
「うっ、オッホン。」と、話を始める元帥閣下だ。
「諸君らは、世界初の潜水艦乗りである。」「そして、同時に世界イチの潜水艦乗りなのである。」
「我が国の国益のために奮闘努力を期待するものである。」「以上。」
さすが、東郷元帥だ。 短い訓示に全員が感動したのである。
校長の長話に、うんざりの記憶が誰にでもあるのだ。
そして、海軍の艦艇からの余剰人員が補充された・・・隊員は全員で47名と膨れ上がったのだ。
そして自然と、ちくま号の乗組員から潜水艦イ号1番艦は、第2ちくま号と呼ばれるようになったのである。
「機関始動。」「機関、始動します。」
「ガタ、ガタ、ガタ。」と、エンジンのタペットの音が・・・モーターがエンジンを始動する音だ。
やがて、「ゴウン、ゴウン、ゴウン。」と、巨大なジーゼル発動機が動き出した。(モーターは発電機に・・・)
艦尾でスクリューが回転して水流が沸き起こる・・・
友綱を解いて・・・イ号1番艦の第2ちくま号は潜水艦桟橋を離れる・・・
見送る海軍の幹部連中だ。
もちろん、タグボートが舳先を誘導しているのである。(港内は操船が複雑だからだ。)
軍港内を離れて・・・タグボートにお別れだ。
はじめて、単独航行する第2ちくま号である。
潜水艦に艦橋なるものが・・・そこで、周囲を監視する隊員が数名・・・
新規に採用された隊員らである。
いままでの経験者の7名の隊員は、いづれも部署の責任者であるのだ。
機関員(電気技師)は機関主任へ
空気弁や水圧装置の操作員はバルブの数が・・・それで、操作員も1名から6名へ増員だ。
潜航艇はメインタンクは1ヶ所だったが・・・潜水艦は前後左右に4ヶ所だ。
そして、バルブの操作は4ヶ所に・・・潜航、浮上の合図とともに、最高に忙しくなるのである。
廻してバルブを開けるんだが・・・1ヶ所じゃないからね。
間違えれば・・・潜水艦が傾いたり浮上を艦尾から・・・最悪、水中で逆立ちである。
責任重大な役なのである。
潜水艦映画では、バルブレバーを廻してるだけの糞役だが・・・現実は重要な役なのだ。
そうなのだ、潜水艦では全員が重要な役どころなのだ。
そして、いままではガスマスクなぞ・・・
しかし、蓄電池が増えたので・・・万が一に希硫酸の電解液から水素ガスが・・・多量に漏れたら・・・
潜水艦は密閉空間だ、乗員が全員殉職もありかも・・・
それで、訓練には身が入るのだ。
なぜって、海中で死にたくないからだ。
敵空母へ特別攻撃するゼロ戦なら、華々しく散るのだが・・・
海の底へ、生きながら沈みたくはないからだ。
「ガーーー、ガーーー。」と、サイレンが鳴る。
「訓練、訓練、ベント開け。」「緊急潜航だ。」
もちろん、ハッチを閉めて・・・梯子を下りながらの訓練警告だ。
手のすいた隊員は・・・潜水艦の前へ走る。
そう、潜水艦の前を重くするためだ。
本日、4回目である。
サイレンを聞いたら、体が動くようになるまで・・・繰り返す。
「深度、50です。」と、深度計の係員が報告する。
そこで、「何分だった。」と、計測員へ聞く艦長だ。
「15分、26秒です。」
「うむ、12秒の短縮だな。」
「訓練警報解除。」と、艦長だ。
「全員へ、解除、解除だ。」
「ふう。」「少しは縮まったな。」「・・・・」と、隊員らが各々の部署へ戻る。
58名に隊員が増えたので・・・松本艦長に先任士官が部下に・・・
偉くなったものだ・・・
まあ、潜航艇ちくま号の隊員から、1番古参が先任士官となるから・・・
海軍の飯を一番古くから喰ってるヤツが先任だからだ。
要は、先輩ということである。
軍隊経験が長いほど先輩なのである。
古参兵というものは・・・それなりの経験を積んでなるものだから・・・だ。
「先任、すこし頼めるか。」と、休憩にでる松本君だ。
潜水艦の司令塔は座席があるのは、操舵員と水中聴音員だけだ。
残りの・・・通信員、バルブ操作員、先任士官、艦長などは・・・せまい司令室で立ちっぱなしなのだ。
そして、潜水艦は24時間体制なのである。
ところが、ヒトは24時間も無理である。
労働時間は8時間と・・・戦闘中は例外だが・・・
それで、艦長が居なくても運航できるように、先任士官を指名するわけだ。
第2ちくま号の先任士官は古田1等兵曹である。
兵曹は3段階あり、3等兵曹が新任士官となる。
海軍は、階級がコロコロ変わったから・・・ラノベの階級だ。
あわてて、駆け足で電話口へ・・・急ぐ松本注意ならぬ、中尉だ。
遅れては・・・言い訳を言わねばならない・・・
「シーマセン、遅れまして・・・ハッ、ハッ。」と、ペコペコする。
相手が電話の向こうなのに、ペコペコするのは、日本人の証拠なのである。
「うむ、話は先日の件だ。」・・・あ、あ、乗員のことだな・・・
「いまの乗組員らは、全員が優秀なサブマリナーです。」
「どうか、おねがいです。」と、懇願する中尉だ。
もう、他にサブマリナー(潜水艦乗組員)は、日本にはいないから、決まりなのだが・・・
そこは、タダでは起きない参謀だ。
「うむ、そうだな君の希望を無下には扱えんしな。」と、恩着せがましい参謀だ。
「わかった、他からの要望もあるんだが・・・君の希望を優先しようではないか。」と、恩を売る参謀だ。
こうして、ちくま号の隊員は全員がスライドしてイ号1番艦へ・・・
しかし、それでも不足なのだ。
もう、外洋処女訓練は・・・迫っているのだ。
不足する隊員は40名を超えるのだ・・・
魚雷が装備されれば、魚雷専門の隊員を増員せねばならない。
まだ、潜水艦学校は開校前なのだ。(訓練施設を建設中)
しかし、とうとう外洋訓練の初日が・・・
潜水艦桟橋に並んだ隊員らである。
その数は7名・・・そう、潜航艇は定員が7名だったのだ。
そして、岸壁には潜水艦イ号1番艦が巨大な姿を・・・
そして、なんと軍神東郷元帥が・・・訓示を・・・
お立ち台へ・・・
「敬礼。」と、軍令部の幹部が・・・
答礼する元帥だ。
「なおれ。」と、幹部が・・・
元帥が手で・・・
「やすめ。」と、幹部が・・・
気をつけ(直立不動)していたが・・・やすめの体勢だ。(すこし足を開く。)
「うっ、オッホン。」と、話を始める元帥閣下だ。
「諸君らは、世界初の潜水艦乗りである。」「そして、同時に世界イチの潜水艦乗りなのである。」
「我が国の国益のために奮闘努力を期待するものである。」「以上。」
さすが、東郷元帥だ。 短い訓示に全員が感動したのである。
校長の長話に、うんざりの記憶が誰にでもあるのだ。
そして、海軍の艦艇からの余剰人員が補充された・・・隊員は全員で47名と膨れ上がったのだ。
そして自然と、ちくま号の乗組員から潜水艦イ号1番艦は、第2ちくま号と呼ばれるようになったのである。
「機関始動。」「機関、始動します。」
「ガタ、ガタ、ガタ。」と、エンジンのタペットの音が・・・モーターがエンジンを始動する音だ。
やがて、「ゴウン、ゴウン、ゴウン。」と、巨大なジーゼル発動機が動き出した。(モーターは発電機に・・・)
艦尾でスクリューが回転して水流が沸き起こる・・・
友綱を解いて・・・イ号1番艦の第2ちくま号は潜水艦桟橋を離れる・・・
見送る海軍の幹部連中だ。
もちろん、タグボートが舳先を誘導しているのである。(港内は操船が複雑だからだ。)
軍港内を離れて・・・タグボートにお別れだ。
はじめて、単独航行する第2ちくま号である。
潜水艦に艦橋なるものが・・・そこで、周囲を監視する隊員が数名・・・
新規に採用された隊員らである。
いままでの経験者の7名の隊員は、いづれも部署の責任者であるのだ。
機関員(電気技師)は機関主任へ
空気弁や水圧装置の操作員はバルブの数が・・・それで、操作員も1名から6名へ増員だ。
潜航艇はメインタンクは1ヶ所だったが・・・潜水艦は前後左右に4ヶ所だ。
そして、バルブの操作は4ヶ所に・・・潜航、浮上の合図とともに、最高に忙しくなるのである。
廻してバルブを開けるんだが・・・1ヶ所じゃないからね。
間違えれば・・・潜水艦が傾いたり浮上を艦尾から・・・最悪、水中で逆立ちである。
責任重大な役なのである。
潜水艦映画では、バルブレバーを廻してるだけの糞役だが・・・現実は重要な役なのだ。
そうなのだ、潜水艦では全員が重要な役どころなのだ。
そして、いままではガスマスクなぞ・・・
しかし、蓄電池が増えたので・・・万が一に希硫酸の電解液から水素ガスが・・・多量に漏れたら・・・
潜水艦は密閉空間だ、乗員が全員殉職もありかも・・・
それで、訓練には身が入るのだ。
なぜって、海中で死にたくないからだ。
敵空母へ特別攻撃するゼロ戦なら、華々しく散るのだが・・・
海の底へ、生きながら沈みたくはないからだ。
「ガーーー、ガーーー。」と、サイレンが鳴る。
「訓練、訓練、ベント開け。」「緊急潜航だ。」
もちろん、ハッチを閉めて・・・梯子を下りながらの訓練警告だ。
手のすいた隊員は・・・潜水艦の前へ走る。
そう、潜水艦の前を重くするためだ。
本日、4回目である。
サイレンを聞いたら、体が動くようになるまで・・・繰り返す。
「深度、50です。」と、深度計の係員が報告する。
そこで、「何分だった。」と、計測員へ聞く艦長だ。
「15分、26秒です。」
「うむ、12秒の短縮だな。」
「訓練警報解除。」と、艦長だ。
「全員へ、解除、解除だ。」
「ふう。」「少しは縮まったな。」「・・・・」と、隊員らが各々の部署へ戻る。
58名に隊員が増えたので・・・松本艦長に先任士官が部下に・・・
偉くなったものだ・・・
まあ、潜航艇ちくま号の隊員から、1番古参が先任士官となるから・・・
海軍の飯を一番古くから喰ってるヤツが先任だからだ。
要は、先輩ということである。
軍隊経験が長いほど先輩なのである。
古参兵というものは・・・それなりの経験を積んでなるものだから・・・だ。
「先任、すこし頼めるか。」と、休憩にでる松本君だ。
潜水艦の司令塔は座席があるのは、操舵員と水中聴音員だけだ。
残りの・・・通信員、バルブ操作員、先任士官、艦長などは・・・せまい司令室で立ちっぱなしなのだ。
そして、潜水艦は24時間体制なのである。
ところが、ヒトは24時間も無理である。
労働時間は8時間と・・・戦闘中は例外だが・・・
それで、艦長が居なくても運航できるように、先任士官を指名するわけだ。
第2ちくま号の先任士官は古田1等兵曹である。
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