伊号式潜水艦。

ゆみすけ

文字の大きさ
44 / 253
ピッカース造船場。

さすが、蒸気機関車を実用化した国だ。

しおりを挟む
 英国は蒸気機関車を鉄道として、使えるインフラへ発展させた国だ。
蒸気機関車では、スチーブンソンが有名だが・・・
 彼が発明したのではない。
かれは、鉄道という仕組みを、商売になるインフラとして産業革命の波に乗せただけなのだ。
 実用になる蒸気機関車が、スチーブンソンのロケット号であったということなのである。
多くの発明家や技術者の工夫が組み合わさってできたことである。
 英国で発明された魚雷も、そうである。
発明された最初は6ノット(時速10キロくらい。)くらいだった。
 それが、松本君がロイヤル・トーピード学校へ臨時聴講生として入ったころには、なんと40ノットに・・・
つまり、大抵の艦船に追いつけるほど、実用化されていたのだ。
 ちなみに、トーピードとは魚雷の英語読みだ。
王立魚雷学校という。
 英国は女王の国だからである。(野郎の王も、いるが・・・まあ、役立たない。)
そして、王立魚雷学校はポーツマス軍港の側にあるのは、当然なのだ。
 学校の横には・・・ちくま2号と同じ潜水艦が建造されている。
そして、ちくま2号へ魚雷発射菅室も組み込まれている。
 単に兵員室を造り変えるほど単純ではない。
なぜなら、ちくま2号の舳先は切断されて・・・新しい舳先が・・・

 「ふう、この年で、化学や計算式を覚えるのは・・・辛いなぁ・・・」と、愚痴が・・・出る松本中尉だ。
「発射する前に過酸化水素を魚雷のポンべに積めて・・・」
 「そのガスでタービンを廻して・・・」
「過酸化水素を使うのが日本式と違う特徴だが。」
 「それなら、酸素を直に使えば・・・しかし、酸素は扱いが・・・」
それで、潜水艦の空気は酸素だけでは、電気火花で爆発する危険が・・・
 そのために、普通の空気を使っている潜水艦だ。
これは、現在の宇宙船も同じである。
 米国の月ロケット計画でのカプセルでの事故が教訓だ。

 「魚雷も、はじめは圧搾空気で・・・」
「まるで、初期の潜航艇だな・・・」
 先任士官と英国の魚雷について話し合う中尉だった。
そこへ、スミス大尉が?
 「松本サン、魚雷のセンモンを指定シテクダサイ~。」と、言ってきたのだ。
まあ、そろそろ講義も専門的になってきたからのようだ。
 半分、講義の内容が理解不能な中尉なのである。
なんせ、日本語訳が無い専門用語が多いからだ。
 まあ、艦長などは、原理さえ知ってればいいんだが・・・
「そうだな、専門か・・・誰がイイ?」と、先任へ丸投げする松本君だ。
 「そうですね、ナベなんかどうです。」
「渡辺伍長か・・・」
 数字や暗算が得意なヤツだったかな・・・なら、いいか。
基本、松本君は先任の意見を尊重する傾向が強いのだ。
 まあ、ヒトを見る眼は先任がと思ってるからである。
艦長は基本、敵を潜望鏡で確認して方角や深度を指定するだけだ。
 海流や海の水温で微妙に進路が替わる魚雷を調整するのは、魚雷発射菅室の班長なのだ。
それで、渡辺伍長は、学校で寿司詰め講習となったらしい・・・
 同情しか、できない松本艦長だった・・・

 そして、ちくま2号の改造の様子を見に足を運ぶ、艦長だ。
「おお、だいぶ改造が進んだな・・・」と、感心して見てると・・・ジョーンズ大尉が建造中の潜水艦から顔を出した。
 「おお、マツモトキャプテン、君の艦はそっちだよ。」と、隣を示す。
「えっ、これが英国のヤツなのか!」と、びっくりの艦長殿だ。
 さすが、大英帝国の工業力である。
戦艦金剛が英国から運ばれてきたときも・・・驚いたが・・・
 英国の職人技も・・・侮れんな・・・と、今更に驚く・・・
潜水艦イ号1番艦の姉妹というか、双子が・・・
 すこし、長さがちくま2号より、長いが・・・
ジョーンズ大尉がいう。
 「ちくま2号の予備タンクを外付けではなく、内部へ増設したので船体が長くなってのですよ。」
「それで、無給油で外洋航行ができますからネ。」と、ちくま2号の欠点を改良したてる英海軍だ。

 「さらに、この艦には後部にも魚雷発射菅が1本あるんですよ。」と、ささやくジョーンズ大尉だ。
なんと、追跡してきた戦艦へ攻撃ができるなんて・・・
 唖然とする松本君であった。
「これは、ちくま3号艦は後部魚雷は必須だな。」と、3号艦の夢が膨らむ松本艦長である。
 そして、3ヶ月が過ぎて・・・英国初の実用的な潜水艦の浸水式である。
マーガレット王女(6歳)がテープカットだ。 シャンパンが割れる・・・
 「この潜水艦をマーガレット2号と・・・」どうやら、自身の名前を付けたらしい。
2号とは・・・1号は自身なんだな・・・
 日本は、ちくま〇号と・・・英国はマーガレット〇号が定番になったときである。
そして、英海軍の潜水艦には・・・なぜか、便器が2個あるらしいのだ。
 そう、つまりマーガレット王女が視察で・・・オマルでは、イヤだそうなのだ。
それで、王女用の便器が備えられたとか・・・(これは、ラノベだ。ウソも多いのだ。)
 もちろん、レバーは2本あり、図入りの使用図まで・・・

 そして、英国のマーガレット2号艦が・・・訓練航行へ・・・
もちろん、ちくま2号艦が付き添いだ。
 このとき、すでに英海軍はドイツのキール軍港の偵察を画策していたらしい・・・
なぜって・・・ドイツの潜航艇が何度も、ポーツマス軍港へ入り込んでいたことが判明したからである。

 


 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

If太平洋戦争        日本が懸命な判断をしていたら

みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら? 国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。 真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。 破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。 現在1945年夏まで執筆

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

処理中です...