伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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王女様からの命令だ。

あたいの騎士なんでしょ・・・問答無用の命令だ。

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 アラン中尉とポーツマス軍港の喫茶部でお茶する松本君である。
英国は紅茶文化なのである。
 なには、なくとも、まず紅茶なのだ。
松本君はコーヒー派なんだが・・・そこは、会わせなくてはならないようだ。
 「少なくとも、うまいお茶を入れれないと・・・ナイトとして認めてもらえないぞ。」と、アランが教授する。
二人で、マーガレット王女のナイトに任ぜられてから、やたらとアランが作法や習慣を説くのだ。
 松本君は日本人なのだ、日本の習慣が根付いているのである。
しかし、英国のナイトとしての習慣へ切り替えなくてはならないようだ。
 いつ、マーガレット王女から命令が・・・あるやも、しれないからだそうだ。
「命令、軍の命令のことか。」「いいや、王女の私的な用事だな。」「・・・・・」
 なんも、言えない・・・
「でも、オレ達は潜水艦艦隊の・・・」「いいか、ミスターマツモト。」「あ、あ。」
 「それ以前に、王女のナイトなんだぞ。」「軍より、王女が優先なのだ。」
「それが、王立海軍たる所以なのだぞ。」
 「そうだ、海軍は王立だったんだ。」と、正式名を・・・思い出した松本君である。

 「軍の命令は、すべてマーガレット王女からの命令となるんだよ。」と、アラン君が。
「それなら、理解できるよ。」「まさか、私的な行事へ付き合わされるかと・・・」
 「・・・・」複雑な表情のアランだ。
「まあ、そのうちにあるさ。」と、カップを取るアランだ。
 そこへ、伝令が通信文を・・・
アランが開く、「さっそく、お出ましだな。」と、お茶を飲みほした。
 通信文には、午後からの王女の遠出の警護の件のようだ。
文には、拳銃装着のこと・・・と、まさか、テロに・・・
 「スタッフカーがあるから、それで行こう。」と、アランと行動を共にすることとなった。
スタッフカーとは、小型自動車の部内用のヤツだ。
 オーステンの1200ccだったかな。
それで、王女の馬車の警護をするのである。
 日取りは・・・「明日じゃないかっ。」と、アランが叫んだ。
「なんか、用事でも?」「あ、あ、彼女との・・・まあ、中止だな。」
 「宮仕えは、苦労しますね。」「しょうかないじゃないか。」
てっ、アランて彼女いたんかい・・・オレは、リア充じゃないのだが・・・
 まあ、松本君は彼女が日本にいなくてよかったんだが・・・

 彼女への言い訳に苦労したアランと二人でスタッフカーで警護へ出発である。
「オレは銃なんて、持ってないが・・・」と、海軍の庶務へ・・・
 そこで、ガンルームを案内された松本君だ。
アランは愛用のコルトだそうだ。
 45口径のコルトガバンメントという軍用拳銃だ。
かなり、重いが威力は絶大で、どこでも人体へ当たれば致命傷となるほどだ。
 松本君は潜水艦乗りだ、愛用の銃なんて無い。
なんせ、潜水艦では銃は使わないからだ。
 ガンルームの係員に勧められて・・・エンフィールドNo.2Mk1という英国製の拳銃を・・・
「リボルバー式はないのか?」と、聞いたら。
 「これが、英国製の名銃だ。」と、渡された銃だ。
弾の入れ替えは銃が蝶番で折れて、レンコンが上を向くので銃弾の交換はカンタンのようだ。
 「用心に予備弾丸も・・・」と、係が渡してくれる。
あまり、銃撃事件は米国ではないから無い英国だ・・・なんせ、英国の警察官は警羅で警棒しか持ってない。
 我が、日本は当時はサーベルだったが・・・(刃は無い、飾りだ。)
拳銃は戦後にGHQ(米軍の占領軍)が警察官へ装備させたのだ。
 それで、日本の警察は米軍の払い下げの拳銃だった。
知人のオヤジが・・・コルト・ガバンメントだったとか。
 へたな、漬物石くらい重いのだそうだ。
日本人は小柄でヤワだったころだ。

 「どうも、オレは拳銃をツルと肩が・・・」と、違和感がある松本君である。(重いのだ。)
「軍人なのに?」と、不思議がるアラン中尉だが・・・
 潜航艇の時から、ピストルなんて縁がなかったからだ。
潜水艦でピストルというと、部下の反乱くらいだ。
 日本軍人は、まず反乱なぞ無い。
日本軍には脱走兵が・・・まず、いないのだ。
 恥の文化の日本なのだ。
息子が脱走兵・・・親は夜逃げしないと・・・そんな話は聞いたことが無い!
 シナや半島では、脱走兵なんて・・・下手すると・・・半分が、いなくなるらしいとか・・・
その逃げた兵が・・・軍閥の私兵となるのだ。
 まあ、シナや半島は・・・どうでもイイから、話を戻そう。
慣れない拳銃を腰へ付けて、アランとスタッフ・カーで王女様の警護へ出発する、我が中尉殿である。
 英国は日本と同じ交通法規だから・・・右ハンドルのクルマである。
あと右ハンドルは、英国の植民地だった国と日本くらいかな・・・
 特亜三国(シナ、南、北)は左ハンドルだから。
地理が、まだ慣れないからアランの運転だ。
 離宮(王女のお城だ。)へ、到着する。
馬車がすでに待機だ。
 「ところで、どこへ行くんだろう。」と、聞いたら、「オレも、知らない。」
これが、日本なら3ヶ月も前から計画を・・・
 「まさか、馬車に着いてくだけなのか。」「そうだよ。」
「6歳の王女のお守りだからね。」と、アランが軽くいなす。
 「でも、拳銃を・・・」「なんか、あったら困るだろう。」
そうだった、オレ達は王女様の警護(剣)なのだった。
 やがて、馬車が王女様を乗せて・・・「おい、行くぞ。」と、アランが馬車へ追従する。
 


 
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