伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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酸素が・・・持たないぞ~

ここは、魚雷しかない・・・

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 「艇長、もうそろそろ。」と、機関員がツツイた。
「うむ。」と、了解の合図だ。
 そろそろ、2時間を廻って・・・空気が酸素濃度が少なくなってきたのだ。
どうする、と思案するハインリッヒ艇長だ。
 「そうだ。」と、閃きが・・・
魚雷だ、そうだ魚雷があったんだ。
 このドイツ潜水艇3号には、ドイツ技術の粋を集めた新型魚雷が1発あるのだ。
発射菅は潜水艇の大きさから無理だったので、船底へぶら下げてあるのだ。
 スイッチひとつで、発射できるのだ。
まあ、留め金を外してスクリュー推進するだけなのだが・・・
 それで、スクリュー音が遠ざかれば・・・警備艇が魚雷を潜水艇と間違えて追うかもしれないのだ。
さすが、歴戦の勇士であるハインリッヒ艇長である。
 発射菅では、空気の泡が多量に出るが・・・船底にぶら下げてあるから・・空気の泡はでないのだ。
空気とエタノールを混ぜて爆発させてエンジンを廻してスクリュー推進する魚雷なのである。
 はじめは酸素だったが・・・酸素だけだと、扱いが難しくて事故が多発したから、空気を使っているのである。

 「しかし、艇長。」と、耳元で航海士が・・・
「狙いを、どう定めるんですか。」だ。
 なんせ、今は海底に鎮座しているからである。
「いや、いつまでもでは、酸素が減る。」と、ハインリッヒ艇長が、
さらに、「魚雷は爆発する信管のフタを取らなければ爆発しない。」と、部下を安心させる。
 なんせ、戦時ではないし、先に攻撃すれば・・・撃沈されるまで、英海軍の報復は続くだろう。
それは、避けたい艇長だ。
 偵察は生還しなければ意味が無いのだ。
この当時のドイツ製魚雷は・・・まあ、信管つまり魚雷の先にある爆発する信号を出すところだが・・・
 信頼性に欠けていたのだ。
まあ、サメやクジラが当たったら爆発しかねない。
 それは、避けたいのだ・・・潜水艇まで爆発しかねないからだ。
それで、発射するときに魚雷の先に付いてるフタを紐を引いて取るのだが・・・
 「ヒモを引かなければいいのだ。」と、艇長は英海軍の警備艇をあざむきたいのである。

 「よし、少し浮き上がるぞ。」と、海底から船体を起こす。
なぜなら、海底に鎮座していては魚雷が発射できないからだ。
 「2メートル、船体を上げろ。」「ヤー。」
ぶくぶく、と泡が少しでる。
 「おや、艇長。」と、英海軍のトマス警備隊員が海面を指していう。
「泡がでてますぜ。」「やはり、ヤツらが居るんですよ。」
 「なんだと、やはりかっ。」
「こちら、警備艇3号です。」「やはり、居ます、空気の泡がでてます。」と、無線連絡だ。
 「よし、でかしたぞ。」と、警備本部だ。
「動いたら、逐一場所をしらせろ。」「アイアイサー。」
 潜水艇では・・・「艇長。」「魚雷発射OKです。」
「よし、フタは取るなよ。」「ヤー。」
 「魚雷、発射だ。」「ヤー。」と、部下が発射レバーを倒す。
まあ、留め金が外れるだけなんだが・・・
 留め金が外れると・・・魚雷の中でエタノールと空気を混ざって・・・そのガスがエンジンを廻して・・・
魚雷の2枚のスクリューが反転回転するのだ。
 魚雷はスクリューが2枚ついている。
そして、それぞれが反対方向へ回転する。
 スクリューの回転する力が魚雷本体を廻してしまうのを防いでいるのだ。

 魚雷が、「シュル、シュル、シュル。」と、泡を吹いて進みだした。
「あっ、やつらが動きました。」と、英海軍警備艇のソナー員が叫んだ。
 「よし、追跡だ。」「サー。」
警備艇は魚雷の泡の方向へ動き出した。
 ところで、諸君は魚雷だと速度が速くないかと思ってるかもしれないが・・・
開発当時は・・・・あまり、速くは進まなかったのだ。
 日本海軍も琵琶湖での発射試験など、苦労してたのだ。
それを、英海軍は日本人より武器に関してはスキルがあるから・・・
 使える魚雷を・・・
だが、しかしだ。
 当時のドイツ海軍が使える魚雷をいきなり完成したとは・・・思えないのである。
とりあえず、警備艇が追跡できるほどは、進むようである。
 「不審潜水艇は、8ノットあまりの速さで進んでいます。」と、無線を入れる警備艇だ。

 「艇長、うまくいきました。」と、ドイツ潜水艇のソナー員がささやく。
「ふう、もうダメかと・・・」と、言いかけてやめるハインリッヒ艇長だ。
 部下に余計な一言は言わないのである。
「よし、深度このままで、軍港をでるぞ。」と、指示を出す。
 もう、写真は撮影したからだ。
ポーツマス軍港を偵察したという証拠があればいいのだ。
 英海軍へ仕返しができればいいのだから・・・
「5ノットで、このまま出るぞ。」と、艇長が指示を出す。
 「あのう・・・艇長。」と、航海士が・・・
「なんだ、せっかくうまくいきそうなのに・・・」
 「現在地を把握できません。」「なんだと。」「その、位置の特定が・・・」
そろゃあ、逃げてなんとか着低して、警備艇からにげたのだ。
 場所の逐一の把握は・・・オレでも、無理だろう、とハインリッヒが・・・
「わかった、潜望鏡深度だ。」「ヤー。」
 潜水艇はモーターを動かしながら海面まで3メートルくらいまで浮上する。
「潜望鏡あげます。」「うむ。」
 まあ、潜水艇だ、少し上がるだけなのだが。
そして、潜望鏡の接眼レンズを覗く艇長だ。
 しかしだ。しかし、なのだ。
ハインリッヒ艇長はポーツマス軍港に詳しいわけではない。
 軍港の入り口なら、わかるが・・・軍港内で、ここはどこと言われても・・・わかんないのだ。
「うむ。」と、潜望鏡を廻して観察するフリだ。
 航海士は、返事を待ってるが・・・
まわりが明るくならなければ、わかんないハインリッヒ艇長である。

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