伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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分からないとは、とても言えない・・・

ううぬ、悩むハインリッヒ艇長だ。

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 「ううむ、ううむ。」と、潜望鏡を廻して唸るハインリッヒ艇長である。
まさか、場所がわかんないなんて、口が裂けてもいえないのである。
 幹部士官として、落第だからである。
ドイツ海軍軍人として、少しは自負があるのだ。
 「ううむ、そうだな。」と、軍港内を潜望鏡で検索するが・・・なかなか、位置はつかめない。
まして、航海士へ・・・とても、言えない艇長だが・・・言わねばならないのでもあるのだ。
 「おい。」と、小声で航海士へ・・・「減殺地位は把握してるか?」と、ささやいた。
「え、え、と、この辺じゃないかと。」と、ポーツマス軍港の海図で位置を示す。
 しかし、だ。 その位置では・・・軍港外へでるのに・・・魚雷を同じ方角だったかな・・・
しかし、出なければならない。
 「よし、取り舵20度。」と、操舵員へ告げる。
「ヤー。」と、小声で返答だ。
 ドイツ潜水艇3号は、約5ノットで軍港外へ進みだしたのだった。

 そのころ、8ノットで進む魚雷を追う警備艇3隻だ。
2隻は左右と後ろから、魚雷を潜水艇と思って位置を確実に狭めていく。
 「そろそろ、水中機雷を投下できますが。」と、無線を入れる。
「警備本部了解、しばらく待て。」と、指示が無線でくる。
 「しばらく待てだってさ。」と、無線員が艇長へ伝える。
「ん、わかった・・・しかし、チャンスなんだが・・・」と、警備本部を・・・
 そのころ、警備本部では・・・不審潜水艇への処遇で揉めていたのだ。
まあ、不審潜水艇への対処マニュアルを作成してなかった英海軍の汚点だが・・・そこは、言うまい。
 「で、どうするんです。」「うむ、とりあえず。」
「先ほどから、とりあえずは聞き飽きましたよ。」「ううむ・・・」
 松本艦長は英海軍でのい新参だ・・・そこは、沈黙である。
新参が古参に意見は言えないからだ。
 警備本部のキャツプは、ドイツとの開戦は・・・開戦だけは・・・避けたいだろう。
なんせ、準備が整ってないからだ。
 潜水艦も、2隻目が進水したが艤装が終わってないからだ。
ドイツ潜水艇は脅威なのである。
 その準備が万全ではないからだ。
ここは、捕獲したいのが山々なキャップなのである。
 
 「すまない、遅れた。」と、アラン中尉が・・・
色男は登場が遅いのだ。
 そして、混乱している警備本部を見て・・・遅れたことは無しだなと、安心したアラン中尉だ。
「おい、どうしたんだよ。」と、マツモトへ聞くアランだ。
 これこれ云々と・・・納得するアランだ。
「じゃあ、女王陛下へ判断を仰げば。」と、恐ろしいことをいうアランだ。
 「そうか、じゃあ君、頼めるか。」「いいよ。」と、平気なアランである。
マツモトは・・・こいつ、何者だ?と・・・
 アランが電話を取り、「オレだ、内務省へ繋いでくれ。」だ。
やがて、アランが、「オレだ、婆さんへ繋いでくれ。」
 え、婆さんって・・・・まさか、ビクトリア14世だぞ・・・恐ろしいのだぞ。
マツモト君はアランの身の上を心配しきりだ。
 「あ、あ、たぶんドイツらしいんだが・・・」「うむ、それでいいですか。」「ハァ。」「わかりました。」
「責任はマツモトも居ますし。」「わかりました。」
 なにが、わかったんだ、それにオレは何なんだ・・・冷や汗がタラタラのマツモト君である。
「君、生け捕りができなかったら逃がしていいそうだ。」と、警備本部のキャップへ・・・
 「ふう、わかりました、では。」と、キャップが無線機で指示を出す。
「いいか、無理して撃沈は無しだ。」「鹵獲できなかったら逃がせ。」と、指示を出している。

 「おい、指示が着たぞ。」「鹵獲出来なかったら、逃がしていいそうだ。」「アイアイサー。」
「よし、3隻で囲むぞ。」と、ドイツ軍の魚雷を潜水艇と思い・・・英海軍の警備艇が囲みを狭めていく。
 しかし、相手は魚雷である。(信管はカバーがあり爆発はしないが。)
いくら囲んでも反応はあるわけ無いのだ。
 「くそっ、ヤツらは、3隻で包囲してもあきらめないのか。」「もうすぐ、出口だぞ。」
「うむ、ここは無理しないでイイどうだ。」「責任を取らずにすめばいいんだが。」
 「警備本部の指示だ。」「しゃあないな。」と、軍港を8ノツトで出ていく魚雷を・・・見送る英海軍の警備艇である。
 そして、魚雷は燃料が尽きて・・・ポーツマス軍港の沖で海底へ・・・爆発はしなかったのである。
めでたし、めでたし・・・いや、まだ終わってないのだが・・・
 そう、逃げようとモノホンのドイツ潜水艇がチンタラやってきたのだ。
それも、3隻の警備艇が居るところへである。

 「ん、艇長。」「なんだ。」「まだ、スクリュー音が聞こえますが。」
「なんだと、かせ。」と、艇長がイヤフォンでソナーの音を聴く。(モーター推進音だ。)
 「まさか、これは間違いない、モーター推進音だ。」「先ほどのヤツはデゴイだぞ。」
デゴイとは、偽物の事である。
 なんと、ドイツ海軍はデゴイを放って、トンズラしようと・・・侮りがたしドイツ海軍だ。
「くそっ、今度は逃がさんぞーっ。」「絶対に生け捕りだーっ。」と、気合を入れる艇長だ。
 「無線をかせ。」「こちら、3号艇。」「3号、どうぞ。」
「先ほどのヤツはデゴイでした。」「なんだと。」
 「こんどは、モノホンのヤツです。」
「わかった、しばらく待て。」
 そして、警備本部だ。
「おい、ヤツらはデゴイをつかって・・・逃げようと。」「なんだと。」「マジかよ。」
 「許せんぞ。」「逃がさんぞ。」
「英海軍をコケにしゃがって。」と、怒り心頭の警備本部だ。
 
 

 
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