伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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英仏海峡の海流が・・・

潜水艇の安定が大切なのだ。

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 「母艦へ。」「どうした。」
「海中に変流が・・・」
 「海流の速度は?」
「いま、左右のスクリューで停止できるか調整してみるよ。」
 「できなければ、速報してくれ。」「ちくま了解。」
救難潜航艇は乗員は3名だ。
 操舵員と機関員と艇長だ。
小森艇長が、「懸垂ができるか試してくれ。」「了解です。」と、操舵員だ。
 四方にあるスクリューが廻りだす。
英仏海峡は海中で、上層と下層で海流の速度が違うのだ。
 つまり、海水の温度差があるからだ。
この時点で、音声はケーブルに繋いだ、絶縁電線での有線通話だ。
 つまり、電話だな。
英仏海峡も、それなりに海流が複雑なようだ。
 海流は月(お月様)の位置によっても変化するからね。
満潮、干潮は月の引力だからだ。

 「うむ、水深は大したことは無いが・・・海流が複雑で救助艇の意地が・・・」
「どうだ、できそうか?」と、小森艇長が操舵員へ・・・
 「なんとかします。」「うむ、頼んだぞ。」
ここで、失敗すれば日本海軍の名折れだし、操舵員は・・・
 「そうだ、機械の腕を使うか。」と、救助艇に附いてる機械の腕の操作レバーを
カテリーナ号へ、「ドン。」と、ぶつける。
 そして、もう片方の腕でカテリーナ号のハッチをつかんだ。
「うまく、いきそうです。」「そうか。」
 こちらは、カテリーナ号のマツモト艦長だ。
ハッチ付近で変な音が・・・「いいかよ、なにやってるんだよ。」と、不安だ。
 事故の訓練で事故っては・・・シャレにならないからだ。

 「艇長、なんとかハッチへの接合できました。」「おお、そうか。」
「水漏れが無いか、再度確認しろ。」「ハイ。」
 「結合完了です。」「よし。」
小森艇長が救助艇の救出ハッチを開ける。
 その下には、クリステーナ号のハッチが見える。
そして、クリステーナ号のハッチを、「トン、トン、トン。」と、叩いた。
 これは、開けてもイイよという合図だ。
やがて、クリステーナ号のハッチが開いた。
 マツモト艦長が顔を出す。
「おや、小森少尉、ごくろうさんです。」と、挨拶だな。
 「なんとか、できましたよ。」と、小森君だ。
「話には聞いてたが・・・進歩したもんだね。」と、マツモト艦長が感心する。
 「海底で死にたくは無いですからな。」と、笑い合うふたりだ。
そして、救助潜水艇へ数人の英海軍の隊員が乗り込む。
 「手がすいてる者は、参考になるから救助してもらえよ。」と、周りへマツモト君が叫んでる。
「あと、2人は、いけます。」「そうか、じゃあオレが。」と、先任士官までもが・・・救助された・・・

 「では、母艦へあがります。」「うむ。」
小森艇長がハッチを閉める。 そして、クリステーナ号のハッチが閉まる。
 「よし、接続解除だ。」「了解です。」
「ガクン。」と、音がして救助艇がフラりと揺れる。
 「浮上するぞ。」と、小森艇長がモーターを操作する。
「増えた分の排出を確認だ。」「了解です。」
 つまり、救助した人員の重さの海水をメイン・タンクから出すのだ。
でないと、浮上できないからだ。
 「ん、なんか、まだ・・・」「おい、腕が離れていないぞ。」
「それが、ワイヤーが絡んで外れないんです。」と、操舵員がレバーを操作するが・・・外れない・・らしい。
 「仕方がない、片方の腕でワイヤーを切れ。」「いいんですか。」
「うむ、あとでマツモト艦長には詫びをいれておくから・・・」と、いい加減な返事の小森艇長だ。
 しかし、浮上しなければ訓練は終わらない、仕方が無いのだ。

 やがて、潜水母艦ちくまの脇に浮上した救助艇だ。
見学していたマーガレット2号艦の見物が拍手だ。
 海軍大臣は、潜水母艦の佐伯艦長へ、なにやら・・・おそらく、技術指導の話だろう・・・
これほど、あざやかに訓練が終了したのだから・・・
 わざわざ、極東の日本から航海してきた成果である。
これで、軍事同盟が一層に堅固になれば・・・マツモト君も低い鼻が高くなるってもんだ。
 そして、クリステーナ号も浮上する。
クリステーナ号の甲板員がハッチから・・・「あれっ、ハッチが開かないぞ。」
 仕方がない、艦橋のハッチから・・・マツモト中尉が・・・
「おい、ハッチにワイヤーが絡んでるぞ。」と、驚く。
 もちろん、小森艇長は、あっち向いてホイだ。
「なぜだろう・・・これは、調査せねば・・・」と、ますます言いづらくなるのだが・・・
 まあ、英海軍では無いからね・・・ダンマリだな。

 そして、潜水母艦へ英海軍の技術士官が乗り込んで・・・救助艇の記述指導を・・・
英海軍の技官は日本海軍が飛行艇へ救助艇を吊り下げて・・・救助活動を迅速にできるように・・・との計画を知り。
 「では、わが国の四発爆撃機のランカスターの技術を・・・」と、トレードが成立した。
液冷9気筒の縦長エンジンだ。
 確か、排気タービンが3連ついた3500馬力だったかな・・・
「それは、ありがたい、もう完成したようなものだ。」と、佐伯艦長は顔がほころんだ。
 救助潜水手は重いから・・・四発飛行艇でないと運べないからだ。
潜水母艦はフネだ。 
 潜水艦の事故は時間が勝負だからだ。
1分、1秒の差が命を救えるのだ。
 久々に日本海軍の訪問で、懐かしさを覚えたマツモト君であったのだった・・・
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