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ランチからの発光信号。
あまりに広大な河口なのだ。
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「しかし、エルベ河の河口は初めてだが・・・」と、潜望鏡から周囲を除くシトロエン艇長だ。
河口というより、まだ海のようだ。
どちらかというと、内海のようだ。
とても、河口とは・・・
「しかし、広すぎるぞ。」「どうやって、見つけるんだ。」と、周囲を見回す・・・
そのころ、河口へやっと着いたランチ(小舟)だ。
エリザベート嬢は、「どこに、迎えのフネが?」と、見回すが・・・暗いし、わからないようだ。
侍従の家族がカンテラを数個出してくる。
そして、カンテラに火を灯した。
カンテラには色ガラスがハメてあり、黄色や赤や緑色に光るのだった。
その色とりどりのカンテラをランチの船舷につるしたのだ。
他から観れば・・・観光船の飾りに見えるのである。
国際法で決まっている、船の船舷灯とも色は微妙に違うのだ。
カンテラの色ガラスはステンドグラスの色なのである。
なにかの信号に見えるのなら・・・不審船としても疑われてしまうからだ。
それで、あたかも観光旅行に来ている船客へのサービスかのように思わさせているのである。
なかなか芸が細かいのである。
しかし、それでも、なかなか発見してもらえないのだ。
「まだ、見つからないのですか。」と、機関員がいう。
蓄電池には制限時間があるからだ。
「あと、何時間あるんだ?」と、聞くシトロエン艇長だ。
「1時間も、ありませんよ。」「なんだって。」
うかうかしている内に時間だけが過ぎていたようだ。
「いかん、仕方がない危険だが、艦橋まで浮上だ。」
つまり、ハッチから周りを捜索するしかないと、判断した艇長だ。
潜望鏡では、視界も狭く・・・限界があるからである。
もとより、潜水艇である。
艦橋は小さく、発見されるリスクは少ないと判断したのである。
「ベント半開きだ。」「深度2メートルまでだ。」
北朝鮮が使う、半潜水艇と同じである。
しかし、内海だが・・・波もあるのだ。
少し波頭が高いと浸水の恐れもあるのである。
潜水艦なら夜間用や昼間用の潜望鏡があるのだが・・・潜水艇では、せいぜいが1本あれば・・・
近代なら広角や暗視潜望鏡もあるのだが・・・当時は、倍率も変わらないし・・・視界は広くはなかったからだ。
そして、身をハッチから乗り出して・・・検索するシトロエン艇長だ。
「艇長、時間がありません。」「まて、もう少しだ。」
「いいか、マジノ要塞のためだ。」「ハァ~。」
戦時ではない、命を賭けるほどではないのだが・・・
しかし、このチャンスを除くと・・・チャンスは、なかなかやってこないものだ。
仮想敵国のドイツ軍の情報だ。 無下にはできないのである。
「ん、今なにか見えたような・・・」と、再度、注視するシトロエン艇長だ。
海面に色とりどりの光が・・・チラチラしているのである。
どうやら、船舷灯ではないようだ。
フネの左右には決まった色のライトを夜間は点灯しなければならない。
国際法で決まっているのだ。
確か、左舷が赤灯で、右舷が緑色、そして船尾が白色だったかな・・・
「よし、たぶん、あれだ。」「ジーゼル始動。」「速度あげるぞ。」
艦橋を出して半潜航のままで進む、潜水艇である。
目標を目視しているから、たがわずに進むことができたのだ。
急に黒いモノが現れて・・・驚愕するエリザベート嬢と侍従の家族だ。
「なんや、クシラが!」「あぶない、エリザベート様。」
ランチはてんやわんやである。
あわてて、合言葉を叫ぶシトロエン艇長だ。
「ゲルマニュウム将軍。」と、叫ぶ。
すると、合言葉を思い出して・・・「ボルドー。」と、叫び返す侍従の家族だ。
「エリザベート様、船がきましたよ。」と、エリザベート嬢へ・・・
「えっ、どこに?」と、まさか、黒いクジラが・・・
潜水艇は黒いクジラに見えなくも無いからだ。
「よし、ランチを固定するぞ。」
「友綱を・・・」「ハイ。」
潜水艇とランチがロープで結ばれた。
そして、潜水艇のハッチへエリザベート嬢が運ばれる。
「ありがとう、ジルベール。」「お気をつけて、エリザベート様。」
「ところで、アレは持参しているな。」「例のモノは持っております。」
「うむ。」「ようこそ、潜水艇1号へ歓迎しますぞ。」と、迎えるシトロエン艇長だ。
「蓄電池は?」「ハイ、少しは充電ができました。」「うむ、行けそうだな。」
「よし、ジルベールとやら、ごくろうだった。」
「いえ、お嬢様を必ず運んでください。」「あ、あ、任せろ。」
ランチが、離れていく。
「よし、ボルドーは戻るぞ。」「ベント開け、潜航だ。」
ハッチを閉め直して・・・シトロエン艇長は指示をだす。
エルベ河の河口を南へボルドーを目指して潜航していく。
「やはり、隠密行動は潜水艇に限るな。」と、潜水艇の隠密性を再確認するシトロエン艇長だ。
これが、普通のフネなら、洋上での検問からも逃れられないからである。
社交界は主にフランス語が使われることが多い。
それで、エリザベートもフランス語をたしなんでいた。
「お世話になりますわ。」と、シトロエン艇長らへ挨拶をするエリザベートである。
河口というより、まだ海のようだ。
どちらかというと、内海のようだ。
とても、河口とは・・・
「しかし、広すぎるぞ。」「どうやって、見つけるんだ。」と、周囲を見回す・・・
そのころ、河口へやっと着いたランチ(小舟)だ。
エリザベート嬢は、「どこに、迎えのフネが?」と、見回すが・・・暗いし、わからないようだ。
侍従の家族がカンテラを数個出してくる。
そして、カンテラに火を灯した。
カンテラには色ガラスがハメてあり、黄色や赤や緑色に光るのだった。
その色とりどりのカンテラをランチの船舷につるしたのだ。
他から観れば・・・観光船の飾りに見えるのである。
国際法で決まっている、船の船舷灯とも色は微妙に違うのだ。
カンテラの色ガラスはステンドグラスの色なのである。
なにかの信号に見えるのなら・・・不審船としても疑われてしまうからだ。
それで、あたかも観光旅行に来ている船客へのサービスかのように思わさせているのである。
なかなか芸が細かいのである。
しかし、それでも、なかなか発見してもらえないのだ。
「まだ、見つからないのですか。」と、機関員がいう。
蓄電池には制限時間があるからだ。
「あと、何時間あるんだ?」と、聞くシトロエン艇長だ。
「1時間も、ありませんよ。」「なんだって。」
うかうかしている内に時間だけが過ぎていたようだ。
「いかん、仕方がない危険だが、艦橋まで浮上だ。」
つまり、ハッチから周りを捜索するしかないと、判断した艇長だ。
潜望鏡では、視界も狭く・・・限界があるからである。
もとより、潜水艇である。
艦橋は小さく、発見されるリスクは少ないと判断したのである。
「ベント半開きだ。」「深度2メートルまでだ。」
北朝鮮が使う、半潜水艇と同じである。
しかし、内海だが・・・波もあるのだ。
少し波頭が高いと浸水の恐れもあるのである。
潜水艦なら夜間用や昼間用の潜望鏡があるのだが・・・潜水艇では、せいぜいが1本あれば・・・
近代なら広角や暗視潜望鏡もあるのだが・・・当時は、倍率も変わらないし・・・視界は広くはなかったからだ。
そして、身をハッチから乗り出して・・・検索するシトロエン艇長だ。
「艇長、時間がありません。」「まて、もう少しだ。」
「いいか、マジノ要塞のためだ。」「ハァ~。」
戦時ではない、命を賭けるほどではないのだが・・・
しかし、このチャンスを除くと・・・チャンスは、なかなかやってこないものだ。
仮想敵国のドイツ軍の情報だ。 無下にはできないのである。
「ん、今なにか見えたような・・・」と、再度、注視するシトロエン艇長だ。
海面に色とりどりの光が・・・チラチラしているのである。
どうやら、船舷灯ではないようだ。
フネの左右には決まった色のライトを夜間は点灯しなければならない。
国際法で決まっているのだ。
確か、左舷が赤灯で、右舷が緑色、そして船尾が白色だったかな・・・
「よし、たぶん、あれだ。」「ジーゼル始動。」「速度あげるぞ。」
艦橋を出して半潜航のままで進む、潜水艇である。
目標を目視しているから、たがわずに進むことができたのだ。
急に黒いモノが現れて・・・驚愕するエリザベート嬢と侍従の家族だ。
「なんや、クシラが!」「あぶない、エリザベート様。」
ランチはてんやわんやである。
あわてて、合言葉を叫ぶシトロエン艇長だ。
「ゲルマニュウム将軍。」と、叫ぶ。
すると、合言葉を思い出して・・・「ボルドー。」と、叫び返す侍従の家族だ。
「エリザベート様、船がきましたよ。」と、エリザベート嬢へ・・・
「えっ、どこに?」と、まさか、黒いクジラが・・・
潜水艇は黒いクジラに見えなくも無いからだ。
「よし、ランチを固定するぞ。」
「友綱を・・・」「ハイ。」
潜水艇とランチがロープで結ばれた。
そして、潜水艇のハッチへエリザベート嬢が運ばれる。
「ありがとう、ジルベール。」「お気をつけて、エリザベート様。」
「ところで、アレは持参しているな。」「例のモノは持っております。」
「うむ。」「ようこそ、潜水艇1号へ歓迎しますぞ。」と、迎えるシトロエン艇長だ。
「蓄電池は?」「ハイ、少しは充電ができました。」「うむ、行けそうだな。」
「よし、ジルベールとやら、ごくろうだった。」
「いえ、お嬢様を必ず運んでください。」「あ、あ、任せろ。」
ランチが、離れていく。
「よし、ボルドーは戻るぞ。」「ベント開け、潜航だ。」
ハッチを閉め直して・・・シトロエン艇長は指示をだす。
エルベ河の河口を南へボルドーを目指して潜航していく。
「やはり、隠密行動は潜水艇に限るな。」と、潜水艇の隠密性を再確認するシトロエン艇長だ。
これが、普通のフネなら、洋上での検問からも逃れられないからである。
社交界は主にフランス語が使われることが多い。
それで、エリザベートもフランス語をたしなんでいた。
「お世話になりますわ。」と、シトロエン艇長らへ挨拶をするエリザベートである。
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