伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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逃がしてしまったのかっ!

惜しい所で・・・逃がしてしまったと、言い訳だ。

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 アランの潜水艦を曳いて・・・ポーツマス軍港へ帰投したマツモト艦だ。
潜水艦隊司令本部へ報告を・・・
 「アラン艦が、魚雷攻撃でエンコして・・・マツモト君はアラン艦を曳いたのか?」
「そうです。」と、マツモト中尉だ。
 「不審潜水艇は?」と、副司令が聞く。
「水平線で見えましたので、アラン艦を曳きつつ、追跡を。」と、マツモト中尉だ。
 「しかし、不審潜水艇へ不審なタグ・ボートが・・・」
「それで、逃がしてしまいました。」と、マツモト中尉がいう。
 軍隊とは、報告に言い訳を入れてはならない。
ダメなら、ダメだったと報告するまでなのだ。
 結果を報告しればいいのだ。
幹部は部下の言い訳なんぞ、聞きたくないのである。
 「報告は以上です。」「うむ、さがってよろしい。」
敬礼をして、答礼を受けて、下がるマツモト中尉だ。
 なお、不審潜水艇とマツモト中尉が言っていたのは・・・国籍表示の旗が掲げられていなかったからだ。
もちろん、ポーツマス軍港へ不法に潜航して侵入してきたのだ。
 その段階で国旗を掲げる気なんて、ないのであるのだが・・・
フランス大使との密談へ、チャチャを入れるのには成功したドイツ帝国海軍なのだ。
 まあ、火に油だったのだが・・・
 
 「どうだった。」と、アランがマツモト君へ聞く。
「うむ、なんもなかったよ。」「そうか。」
 なんとか、ポーツマス軍港でのゴタゴタはケリがついたようだ。
「ところで、ロケット魚雷は?」と、アランが・・・
 「シーーーッ。」「今は、まだマズいぞ。」「あ、あ。」
「いいか、ドイツ軍が使った魚雷が判明するまでは・・・」
 「わかったよ。」と、うなずくアラン君だ。
「アラン、君の艦で爆発した魚雷は判明したのか?」と、マツモト君が聞く。
 「まだ、なんともいえないようだ。」
「でも、魚雷に航跡はなかったんだ。」
 「それは、信用できる情報なのか。」
「そうだ、オレの部下だからな。」
 「うむ、まさか日本軍の酸素魚雷じゃないだろうな。」と、マツモト君が危惧する。
「あれは、秘匿兵器だったはずだ。」「まさか、ドイツへ流れることはないと思うが。」
 「それに、あれは艦の付近で爆発しても、かなりの威力だから、違うとは思うが。」
「なら、電気推進魚雷ということになるぞ。」と、マツモト君が叫んだ。
 「まさか。」と、疑うアラン君だ。
なぜなら、英国海軍の研究所でも何度も電気推進魚雷は試しているが・・・イマイチなのだ。
 とても使える代物ではないのだ。
魚雷というものは、すくなくても軍艦よりは速く進まねばならない。
 ところが、英国の電気推進魚雷は・・・20ノットくらいが・・・限界なのだ。
20ノットでは、駆逐艦より遅いのだ。
 せめて、30ノット(約50キロ毎時)は欲しいのだ。
日本の酸素魚雷は50ノットで50キロ遠方まで・・・あくまで、ウワサだが・・・
 「なら、ロケット魚雷しか・・・」と、危惧するアランだ。

 「わかった、マーガレツト王女様から大女王様へ進言を・・・」と、マツモト君が決断する。
「うむ、ここはロケット魚雷しか・・・」
 「もし、あの航跡が無い魚雷が電気だったら・・・」と、アランが焦るのだ。
「それで、固形燃料は日本から入ってるか。」と、アランが聞く。
 「うむ、なんとか確保はできてるが・・・」
「まだ、数がそろわないのだ。」と、マツモト君だ。
 「最低でも、100発は確保したいのだ。」と、いうのだ。
「いまは?」「まだ、30発分しか無いのだ。」
 「はやり、大叔母様からの・・・」と、アランが言い出す。
つまり、大女王様からの海軍への、お言葉が・・・
 ドイツ帝国へ開戦準備だと、疑われるのは必須だ。
「ドイツ帝国へ開戦準備だとバレてしまうぞ。」と、マツモト君だ。
 「しかし、フランス大使との密約はバレたんだ、今更だぞ。」と、アランが開き直ったのだ。
「ううむ、せめてロケット魚雷が1000発は欲しいのだぞ。」と、さらに言うアランだ。
 「それは、無理だぞ。」「日本軍も300発くらいしか持ってないぞ。」と、マツモトくんが明かす。
「まあ、日本も開戦はしてないからな。」と、加えるマツモト君だ。
 「しかし、大女王様からの要請があれば、日本の皇室はOKをだすはずだ。」
「なんせ、英国と日本は王立国家だから・・・」と、マツモト君だ。
 現在も立憲君主国家の日本国だ。(それは、神武建国から、そうなのだ。)
日本の国家元首は、今上陛下であらせられることは永遠に変わることは無いのだ。
 君臨すれど統治せずの今上陛下であらせられるのだ。

 「やはり、電気推進魚雷だったらしいぞ。」と、アランがポーツマス軍港での事件の検証を言ってきたのだ。
「なんだって、では電池は。」「そこまでは、わからないぞうだ。」
 「つまり、ドイツ帝国の潜水艦の蓄電池も・・・」と、マツモト君がいう。
「もう、ガスは発生しないということだな。」
 「そうとも言えるな。」
「どこから、蓄電池の仕組みを解明したのかな・・・」と、マツモト君だ。
 「日本から漏れたのかな。」「まさか。」
「潜水艦用の蓄電池は日本が専売だからな。」と、アランだ。
 「そういえば、潜水艇の蓄電池をフランスへ・・・」と、思い出したアランだ。
「まさか、フランス軍の潜水艇は、どうなってる。」と、マツモト君だ。
 「ダンケルクからの撤退でフランス軍はゴタゴタだから、わからんぞ。」
「まさか、ドイツ軍に拿捕されてないだろうな。」と、慌てるマツモト君だ。
 電池を制するモノは世界を制するようである。
 


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