伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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新造艦の艦長は・・・

少佐なんですか・・・オレは中尉なんだが・・・

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 「いま、そこへ行きますから。」と、艦橋から返事だ。
やがて、士官服(普通の海軍士官の略装だ。)の艦長が・・・
 日下部主任が、「マツモト艦長、磯崎艦長です。」
「磯崎艦長、英海軍のマツモト艦長です。」と、両人を紹介してくれた。
 「英海軍のマツモトです。」
「こちらは、マーガレット飛行艇のスツキ機長です。」
 「よろしく。」と、互いに挨拶だ。
「もしかして、あなたが派遣軍の?」と、聞くマツモト艦長だ。
 「え、え、そう聞いてますよ。」と、カンタンにいう磯崎艦長である。
マツモト少尉の頃に英国まで潜水艦を回航するにも苦労したマツモト艦長だ。
 内心、この磯崎艦長で大丈夫か・・・と、不安になる。
「本職が、英国まで回航したころは大変でしたよ。」と、」話を振るマツモト艦長だ。
 「まあ、話は聞いてますよ。」「給油や補給が大変だったとか。」
そうなのだ、英国の植民地の基地は潜水艦用にはできていなかったのだ。
 給油も潜水艦は普通のフネのようには、カンタンではないのだ。
わざわざ、給油のゴムホースを持参して・・・現地の給油パイプへ径を合わせるなど、いろいろあったのだ。
 それは、英国回航記録として報告はしたんだが・・・
「あれから、植民地には潜水艦用に整備がされまして・・・」と、磯崎艦長だ。
 そうなんだ・・・と、現地も変わったものだ・・・と、感慨深いマツモト中尉だった。

 磯崎艦長の襟の徽章が少佐かな?
「おや、少佐殿でしたか、失礼しました。」と、改めるマツモト中尉だ。
 少佐は、中尉・大尉・そして少佐なのだ。
2階級も、マツモト中尉の上なのだった・・・
 「いえ、貴殿は英国海軍です。」「我が、日本海軍の先生ではないですか。」と、からかう磯崎少佐だ。
「まあ、日本海軍で潜水艦の地位が高くなったこともあるんですよ。」と、磯崎艦長が説明する。
 いままでは、軍艦の艦長が少佐だったのだ。
目の前の磯崎少佐も以前は軍艦の艦長だったそうだ。
 「かつては、ドン亀とバカにされていた潜水艦ですが、邦人救出や満州国の姫の救出などの活躍、そして速度があがって実用性が高くなり海軍内で評価がハンパないんですよ。」と、持ち上げるのだ。
 「マツモト艦長の活躍は、我が海軍の誇りですよ。」と、からかうのだ。
「それで、予算も倍増ですよ。」と、新造艦を見せるのだ。
 「この、新造イ号艦は軍艦より高額だそうですよ。」と、新造イ号の紹介だ。
さっきから待っていたのだ・・・
 新造艦を・・・パット見、すごいからだ。
まるで、大きなクジラなのだ。
 そして、艦橋には潜望鏡が3本、そしてアンテナが多数。 そして、櫛型アンテナが回転している。
スノーケルも2本あるようだ。
 艦尾の水中舵は・・・なんと、V型というか、左右に突き出てるのだ。
それも、でかい飛行機の尾翼並みだ。
 船体はゴム被膜で・・・覆ってあるようだ。
水中での速度を増す効果があるからだ。
 「この船体のゴムですが、敵のソナー音波を吸収するんですよ。」
「これは、軍事機密ですから内緒で・・・」と、明かす磯崎艦長だ。

 「では、艦内を案内しましょうか。」と、磯崎艦長だ。
もう、わくわくのマツモト・スツキ両人である。
 潜水艦桟橋からタラップを渡って・・・潜水艦のハッチ(カバーで隠してある。)から艦内へ・・・
艦内は内装が白色だ。
 以外に、明るいのだ。
潜水艦の隊員が数人・・・艦長が手で合図だ。(敬礼は略という合図だ。)
 「ここは、中央指令室といいます。」
「主に、軍艦なら艦橋です。」見れば、わかるんだが・・・
 思ったより艦内は広いのだ。
潜水艦は海面に出ている部分は・・・少しだけだからね・・・
 「そうだ、このイ号は排水量は4000トンです。」と、磯崎艦長だ。
現在の最新型潜水艦の大鯨は長さが約80メートル、排水量が3000トンだ。
 その、海上自衛隊の潜水艦より・・・すこし大きいようだ。
「乗員は65名です。」と、艦長が加える。
 「以外に少ないようですね。」と、マツモト君だ。
「え、え、蓄電池が新型で人員が必要なくなったからですよ。」
 「いままでは希硫酸の蓄電池でしたが、新しい固形電池になったんですよ。」
「新元素を使った充電電池だそうです。」
 「詳しいことまでは、本職は知りませんが・・・」と、磯崎艦長がいう。

 「ここが、ソナーと電波探信儀の部屋です。」
と、真っ暗な部屋を案内する。
 そこは、赤いライトがほんのりと点灯している部屋だった。
ブラウン管という真空管の画面に見入る隊員が数名いた。(当時、TV装置は日本でも開発されていた。)
 「ソナーも音波を解析して画像に表せるんですよ。」と、とんでもないことを平気でいうのだ。
見ると、折れ線クラフのような音波解析画面だ。
 「いままでは、カンで敵の艦船を認識していましたが、敵の機関音を波形に表せますから。」
「なるほど、敵を特定できますね。」と、マツモト君が感心する。
 「そうです、これはドイツの潜水艦5号だっ、と特定できますよ。」
艦の機関音は同じ音は無いからだ。
 同じ艦の形式でも微妙に差があるからだ。
ヒトの指紋みたいなモノだ。
 「いちおう、敵艦の音を収集する必要がありますが、とりあえす味方艦の音は記録してあります。」
まだ、磁気テープは無い。
 それで、75回転のレコードへ録音するのだ。
艦内のソナー室で録音できるようだ。
 磁気テープは、まだまだ開発されていないからだ。
石油からナイロンは精製されていなかった時代である。
 合成樹脂はアクリルガラスが飛行機の風防用に開発されているくらいの時代なのだ。

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