伊号式潜水艦。

ゆみすけ

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海底戦車、起動す!

海での試験運用・・・

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 サイモン博士はカレー市へ海底戦車の試験運用をするべく・・・海岸へ・・・
34キロ北西には英国が・・・
 「エルベ川での試験はできたが、海ではやってないからな。」が、今日の試験の目的であるのだ。
海底戦車は地上型戦車との乗員の差があるのだ。
 それは、機関員が必要だからである。
潜水艇のなごりである。
 戦車には機関員は、まず隊員には無いことが多い。
初代の英国戦車やドイツ軍の戦車には、機関員が居たが・・・
 ドイツ帝国のⅡ号・Ⅲ号・Ⅳ号戦車は操縦手は居るが、機関員はいないのだ。
それで、5名の隊員が海岸へ並んだ。
 「諸君、君たちは栄えある試験要員に選ばれたのだ。」と、サイモン博士が演説をブチかますのだ。
「この海底戦車は帝国(ドイツ帝国)が、欧州での覇権を盗るための切り札なのだ。」
 「英国野郎(ジョンブルのことだ。)へ、鉄槌を咬ますのだ。」
「我が帝国陸軍は無敵である。」
 「この試験は、海底戦車が34キロの海中を走破できるかの試験だ。」
「君たちの健闘を祈る。」
 「敬礼。」5名の試験隊員らは、敬礼する。
答礼するサイモン博士と技師達だ。
 「搭乗だ。」と、指示が飛ぶ。
ちなみに、海底戦車は海岸の砂浜の上だ。
 そう、海岸から試験するのである。
なぜなら、戦車だからだ。
 戦車とは、岡の乗り物なのだから・・・
海底戦車のハシゴを使い、5名の隊員らは海底戦車へ乗り込むのだ。
 戦車長はマッハ軍曹だ。
Ⅳ号戦車でマジノ要塞を攻略した猛者である。
 他の4名も、Ⅳ号戦車の経験者であるのだ。
「点検をはじまるぞ。」と、マッハ軍曹だ。
 「蓄電池。」「希硫酸濃度OKです。」
「ジーゼル・エンジン。」「加熱ヒーターOKです。」
 「無線機。」「送受信OKです。
「アクデブ・パッシブ・ソナー。」「音波送受信OKです。」
 飛行機ほどではないが・・・点検項目は少なくないのだ。
「電動機は?」と、マッハ軍曹が言う。
 「ブラシ圧は大丈夫だろうな?」「え、え、接触不良は、ありません。」「うむ。」
ドイツ帝国は、旧式の電動機を使ってるようだ。
 日本海軍の潜水艦はブラシレス、つまり電動機のブラシが無い効率がイイ電動機だ。
まあ、軍事機密だ。 英国から、漏れないように用心だ。

 「よし、点検OKだ。」「無線で出発すると。」「ヤー。」(了解の略だ。)
「海底戦車より、博士へ。」「サイモンだ。」
 「試験運用を開始しまず。」「うむ。」
「ヒーター。」と、マッハ軍曹が指示を出す。
 ジーゼル・エンジンのヒーターが入る。
計器盤に赤いランプが点灯する。
 「ジーゼル始動します。」「ガラ、ガラ、ガラ、ガラ。」と、エンジンが廻りだした。
「よし、前進微速。」「ヤー。」
 海底戦車はジョジョに動きだした。
海岸から海を目指して進む、海底戦車だ。
 まあ、速度は20キロ毎時ほどだが・・・長さが12メートルある潜水艇が動くのだ。
なかなかの迫力なのである。
 やがて、海底戦車は半分ほど海水へ胴体が沈んだ。
ここからが、本番なのである。
 「ジーゼル停止、蓄電池へ切り替え。」「ヤー。」
「切り替えOKです。」
 「ハッチ閉めろ。」「確認をするんだ。」
「ハッチ、確認しました。」
 「空気ボンベ圧は?」「異常ありません。」
「水中換気装置を入れろ。」「ヤー。」
 海底戦車は水中を走行するのだ。
それで、空気をタンクから出して、汚れた空気を海中へ放出するのだ。
 そこは、潜水艇と同様だ。
「よし、微速前進だ。」
 海底戦車は海中へ進んでいく。
浮力は無いから(重いのだ。)・・・そのまま海底を進むのだ。
 海底の砂が無限軌道で舞い上がり・・・海中は砂で煙幕のように見えなくなる。
海底戦車には、潜望鏡や操縦手用に窓があるのだが・・・なかなか、思うように周りが見えないようだ。
 「ソナー装置を起動しろ。」「ヤー。」
音波が発振される。 それが、海底で反射して・・・戦車内へ聞こえるのだ。
 「現在の深度は?」と、マッハ軍曹だ。
「現在、深度20ほどです。」「うむ。」
 ドーバ―海峡は大陸棚だ。 平均深度は46メートルだ。
下手な潜水艦だと、海底へ腹を擦ってしまいかねないほどだ。
 
 「よし、このままで、34キロほど走行試験だ。」と、マッハ軍曹が指示をだす。
「ヤー。」と、隊員らが答える、士気は高いようだ。
 ドーバー海峡を英国のドーバーへ向かわずに・・・ダンケルクとカレ―市を往復する試験運用だ。
だいたい、往復すれば34キロ前後だ。
 海底戦車は英国のドーバーへ上陸すれば、地上で戦うのだから・・・
しかし、しかしだ。
 海底戦車は全長が12メートルも、あるのだ。
普通の戦車の3倍から2倍ほども、あるのである。
 戦車は燃費がリッター当たり、300メートルから200メートルほどなのだ。
潜水艇より、遥かに燃費が悪いのだ。
 つまり、海底戦車は常に燃料の心配があるようなのだ・・・地上走行では・・・だが。(海底は蓄電池での走行だ。)
こうして、ドイツ帝国の海底戦車は順調に試験走行を果たしていったのである。
 「ん、どうした。」と、マッハ軍曹だ。
機関員が注意喚起だ。
 「軍曹殿。」「なんだ。」
「蓄電池が、あと少ししか・・・」
 「なんだって・・・まだ、20キロも走行してないぞ。」
「いえ、海底の凹凸があります。」「それで、蓄電池へ負担がかかったようです。」
 つまり、戦車は不整地だと燃費が悪くなるのだ。
海底戦車も、同様のようだ。
 「いかん、地上へ出ねば・・・」「方向を陸上へ変えろ。」
操縦手が方向を転換しようと・・・前部の無限軌道を差動させる。
 しかし、なかなか海底の泥に履帯が捕られて・・・・うまく、方向を変えられない。
「うう、まだが。」「いま、やってます。」
 機関員が、「蓄電池が・・・」と、注意喚起だ。
海底の地形で蓄電池(希硫酸型鉛蓄電池)の消費量が増えることまでは・・・サイモン博士も手が回らなかったようである。
 
 

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