伊号式潜水艦。

ゆみすけ

文字の大きさ
223 / 253
無線機に注目の少佐だ。

これが、ウワサの携帯無線機なのかっ!

しおりを挟む
 操縦手が、「軍曹殿、そろそろ燃料が。」「そうか。」「ハイ。」
どうやら、月面と同様な荒れ地を大馬力で走行したので、燃料を爆喰いしたようだ。
 「帰りがギリです。」と、操縦手だ。
「うむ。」「マッカート少佐殿。」と、車長の軍曹がいう。
 「わかった、戻ってくれ。」
車長が、「こちら、派遣軍の試乗戦車だ。」「軍港管理、どうぞ。」
 「こちら、軍港管理だ。」
「これより試射場を出る、十分試乗ができたことを感謝する。」「いいや、遠方からの派遣軍ごくろうさん。」
 車長の軍曹が無線機の周波数を切り替える。
「こちら、マッカート少佐の試乗車だ、工作船どうぞ。」
 「こちら、工作船です。」と、船の無線員から返事だ。
「いまから、試射場での試乗が終わり帰艦する。」「工作船、了解。」
 無線機のマイクをフックへ架ける。
それを、観ていたマッカート少佐が・・・
 「それが、ウワサの海軍の携帯無線機なのか?」と、聞いてくる。
「え、え、まあそうですが・・・」
 「修理改造したヤツにも、つけてくれたのかね。」と、マッカート少佐だ。
「これは、そのなんとも・・・はぁ・・・」と、軍曹の一存では無理なんだが・・・
 「ウワサで、取り外しができるとも・・・」と、期待感満々のマッカート少佐だ。
「いま、通話していないから出来ますよ。」と、軍曹がパカリと留め金を外して・・・片手でもったのだ。
 もちろん、マイクはフックに架かってるが・・・無線機本体は片手で持てるようだ。
ちなみに、まだ電源コードもつながってるからね・・・
 取り外すと、内臓電池になるから・・・通話距離と通話時間が短かくなるのだ。

 「すごい、日本海軍の強さの秘密は・・・これだったのかっ!」と、顔を輝かせるマッカート少佐だ。
先のドーバーでのドイツ軍との紛争で・・・英陸軍は半数近くをヤラれたのだ。
 ところが、英陸軍は敵のドイツ軍海底戦車を1両も撃破できなかったのだ。
日本海軍派遣軍のマツモト中尉が、「英陸軍が敵の海底戦車の部隊を分断してくれたのが・・勝利の決め手となった。」
 と、英陸軍の顔を立ててくれたから・・・戦って戦死した戦車兵も浮かばれよう・・・
しかし、我が戦車隊の隊長いわく・・・「日本軍は、まるで各戦車に耳と眼があるように連携して動いていた。」と、感想をいってたが・・・秘密はこれ、だったんだ。
 「しかし、すごい速度がでるのだな。」
「我がマークⅣ型の10倍は、でそうだ。」
 試射場の荒れ地ではなく、ポーツマス軍港内部の整地されて道路だから走行騒音は酷くなかった。
それで、マッカート少佐の声は車長の軍曹へ聞こえたのだ。
 もちろん、派遣軍の隊員は英語の日常会話はペラペラだ。
日本の戦後の英語教育は英文法とか学問的に片より・・・会話できない生徒ばかりだが・・・
 日本海軍では、日常会話ができるように訓練していたのである。
日英同盟で派遣された英海軍の軍人が相手の授業なのである。
 「速度は出ますよ、技師からエンジンを2個つけてあると聞きましたから。」
「なるほど。」と、納得する少佐だ。
 「左右の無限軌道を、それぞれのエンジンで動かしてるんですよ。」
「それで、超信地旋回も・・・」と、軍曹が操縦手へ・・・
 マークⅣ型魔改造戦車は、一旦止まって、その場でコマのように回転する。
「うわぁ、眼が廻る・・・」と、悲鳴を上げるマッカート少佐だ。
 なんせ、英陸軍のマークⅣ型戦車は信地旋回もできない戦車だったのだ。(信地旋回は、大まかに旋回できるが、旋回の中心軸がずれるのだ。)
 超信地旋回は旋回軸がずれない・・・フィギア・スケートの回転技と似てるのだ。
「まあ、そのくらいで・・・」「舗装路が酷くなるからな。」と、軍曹が・・・
 「わかりました。」と、旋回を停止する操縦手だ。
舗装路上には、履帯の回転した跡が・・・黒々と・・・
 「そのうち消えるだろうて・・・」と、いい加減な・・車長である。

 やがて、魔改造戦車は潜水艦桟橋の工作船トヨダへ・・・
重量物用のタラップを上がり・・・格納庫のエレベーターへ・・・
 そして、甲板に・・・
艦長らが出迎える。(待っててくれたようだ。)
 時間にして、20分ほどだからね。
マッカート少佐にとり、デズニーランドのスペースマウンテン20回連チャンの気分だった。
 魔改造戦車から降りたら・・・足腰が・・・部下が、あわてて補佐する。
「まあ、ここでは何ですので・・・」「小会議室で詳細を聞いてください。」と、アリマ艦長だ。
 修理費や改造費は会計から・・・ということらしい。
金銭の話はアリマ艦長は・・遠慮したいようだ。
 そこは、英陸軍のマッカート少佐の懐具合で決まるのである。
英陸軍の予備費はマッカート少佐の担当だからである。
 そして、修理費などは・・・陸軍の予備費から捻出するのだ。
予備費とは、予想しなかった戦費などに充てる財源のことなのだ。
 日本海軍の工作船は、英陸軍の希望どうりに・・・戦車を修理して、改造できるところは・・・してくれたのだ。
あとは、金銭が解決するのである。

 小会議室は12名ほどの椅子とテーブルがある、会議室である。(反省会もできるようだ。)
「では、ただいまから英陸軍との修理改造費の会議を開催します。」と、船の会計係がいう。
 「うむ。」「詳細の見積もり書を・・・」と、マッカート少佐の要求だ。
会計担当が1枚の書類を・・・少佐の前へ・・・
 そこには・・・
 ① ジーゼル・エンジン2基
 ② 携帯無線装置一式
 ③ ジーゼル用蓄電池2個(24ボルト)
 ④ 57ミリ長砲身1本
 ⑤ 水上戦車砲塔アッセンブリ
 ⑥ 照準装置、日本光学のJK製
 ⑦ 計器一式
 ⑧ 砲弾給弾機
 ⑨ 車内音通機器一式
 あと、もろもろの配線代金やら工賃までもが・・・
「うむ。」「貴国と我が英国の軍事同盟は健全だ。」
 つまり、日本風にいえば・・・勉強して欲しいということだ。
それは、ハナっからわかってるから・・・
 「工賃や雑費は削りましょう。」と、日本側会計だ。
しかし、それでは全体の2割ほどしか・・・マッカート少佐は半分ほどにしたいのだ。
 いまの請求は・・・軍艦1隻分といっても・・・
なんせ、戦車1両だ。 それは、お高いのだ。
 ぼったくり価格なのである。
しかし、戦車の性能は世界イチと言っても過言ではない。
 それは、理解してるマッカート少佐なのだが・・・
同席しているアラン中尉が、「大叔母に掛け合ってみましようか。」と、小声でマッカート少佐へ助言する。
 大叔母とは大英帝国のビクトリア大女王様のことだ。
しかし、それは最終手段のカードだ。
 ここで、切るわけにはいかない・・・




 

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

If太平洋戦争        日本が懸命な判断をしていたら

みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら? 国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。 真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。 破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。 現在1945年夏まで執筆

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

処理中です...