伊号式潜水艦。

ゆみすけ

文字の大きさ
234 / 253
ところで、サイトウ技官殿?

潜水艦の交換部品は、どうするのですか?

しおりを挟む
 連日の水上戦車の砲身交換やら、車内改修に時間を浪費している技師の・・・ひとりが・・・
「そういえば、技官殿?」と、あらたまって聞いたのだった。
 「この潜水艦の交換部品は?」と、木箱を示す。
輸送船で運ばれてきた部品の木箱が格納庫に山積なのだ。
 「・・・・・」と、サイトウ技官は見なかったことに・・・
「技官殿!」と、催促である。
 「ん、なんだ?」と、今気づいたかのような・・・サイトウ君だ。
「あの、木箱は?」と、潜水艦用の交換部品の山を示す。
 「うむ、その、なんだ。」と、言い訳する言葉を考える時間を・・・
「どうなんですか。」と、技師らが繰り返す。
 「うむ、水上戦車の次だな。」と、言い訳をいう技官だ。
「いまは、ドーバー越が最重要課題なのだ。」と、もったいをつける技官である。
 「あっ、技官殿。」「なんだ?」
「これは、新型のアクデブ・ソナーじゃないですか。」と、木箱のお品書きを示すのだ。
 ポーツマス軍港の潜水艦工廠では・・・潜水艦の建造が・・・進んでいるのだ。
「うむ、潜水艦の補佐や補修が本来の任務だからな。」「英陸軍の下請けではないからな。」
 と、反省しきりの技官だ。
しかし、受けた仕事はやらねばならない。
 「よし、とにかく水上戦車の改修を急いでくれ。」「おう!」
やっと、マツモト艦長やアラン艦長らの出番が・・・くるかも・・・だな。

 マッカート少佐が工作船トヨダへ来訪だ。
「なんですと、合同の抑止訓練ですと。」と、アリタ艦長だ。
 「え、え、ドイツ軍へ見せつけてやりましょうぞ。」と、意気込むマッカート少佐である。
なんせ、少佐はドイツ軍のドーバー越を・・・なんとか乗り切った男だ。
 英陸軍の期待は大である。
いつのまにか、情報部なんだが・・・陸軍の回し者に・・・なり果てたようだ。
 しかし、ドーバー越を防いだ将官として、本年度の叙勲の筆頭なのである。
ナイトの称号も・・・あるやもしれぬのだ。
 大女王様のナイトとなれば・・・大英帝国の栄えある要員として認められても同然なのである。
ちなみに、我がマツモト艦長はマーガレット王女のナイトであるから・・・マーガレット王女が、手放さない限りは・・・不動なのである。(マツモト君の意思は・・・関係無いのである。)
 「大々的な演習で、ドイツ軍の戦意を喪失させてやりましょうぞ。」と、マッカート少佐だ。
「わかりました。」「大々的に、やりましょう。」と、合同演習の合意するのだ。
 英陸軍と日本海軍の陸戦隊の合同演習は英国民にも宣伝されて・・・栄えある、天覧演習となった。
つまり、大女王様が閲覧遊ばされることとなったのだ。
 これは、英陸軍にとり名誉回復のチャンスである。
過去に英陸軍は大女王様へ反旗を・・・それで、王立という名称が使えないのだ。
 それで、海軍との差が・・・ショボイ、英陸軍なのである。
「この演習で大女王様から大儀を承れば・・・晴れて王立の名称が許されるやも・・・」と、画策する少佐なのである。

 見学者多数の大演習となって、ドイツのスパイも多々紛れ込んできたのだ。
当然、ドイツ陸軍も話は聞いてるのだ。
 ヴォルター男爵は、「ドーバー越は、英軍の演習しだいだな。」と、再考するようである。
なんせ、日本海軍の陸戦隊の戦力というか・・・能力がドイツ軍はつかめていなかったからだ。
 英陸軍なぞ、鼻で飛ばすドイツ陸軍だが・・・戦う相手の情報は大いにこしたことはないのだ。
そして、水上戦車の改修は・・・なんとか演習に間に合ったのだ。
 20両の改造水上戦車が20両だ。
もちろん、予備車も用意してあるのだ。
 ここで、問題だ。
日本海軍の陸戦隊は隊長が少尉なのだ。
 ところが、英陸軍の戦車隊の隊長は大尉なのである。
2階級も上なのだ。
 英陸軍はスミス大尉が戦車隊長だそうだ。
「おい、英軍は大尉だぞ。」「うむ、我が陸戦隊は・・・」
 新垣少尉は・・・知らんフリだ。
アリタ艦長が・・・「では、スミス大尉が統合司令ということですな。」と、マッカート少佐へ・・・
 つまり、英陸軍の隊長兼、統合司令とするなら陸戦隊のメンツは建つからだ。
階級を揚げたいアリタ艦長だが・・・勝手なことはできないからね・・・
 そして、大演習の打合せだ。
「敵は、どうすんだ。」と、なったのだ。
 まさか、ドイツ軍へ参加してくれなんて言えないからだ。
「ふむ、なら鹵獲した海底戦車を使えば。」と、意見だ。
 「それは、いいんだが・・・」「隊員が居ないぞ。」
ドイツ軍の海底戦車はドイツのⅣ号の改造版だ。
 操縦などは、英陸軍の戦車と似たようなモノである。
「どうせ、ドイツのスパイも多量に紛れ込んでくるだろうて・・・」
 「そいつらに、見せつけてやろうぞ。」
「それで、肝心の戦車隊員は?」
 「うむ、戦車学校の学生で、どうだ。」
「それは、いいアイデアだ。」
 「学生に演習は、いい経験になるからな。」
こうして、鹵獲した海底戦車も役に立つときがきたのである。

 演習には、模擬砲弾が使われる。
これは、爆発の噴煙だけが勇ましい・・・日本の戦隊モノの背後で爆発して、場面を盛り上げる火薬を使っているのである。
 派手に爆発するんだが・・・威力は、ほとんど無い。
それでも、直接人間が喰らえば・・・当たりところが悪いと、即死だ。
 戦車には、キズひとつ付かないが・・・
そして、命中すれば、その場所が白く粉が付着するのだ。
 それで、当たった場所で判定が・・・そこで、破壊判定がでると、停止して白旗を掲げるのだ。
そして、隊員は演習が終わるまで・・・その戦車内で待機するしかない。
 「まあ、鹵獲した海底戦車は39両しかないが・・・一応、全車両が動くように修理はしてあるぞ。」
鹵獲した海底戦車は動力と本体の接合部が離れてるだけで、修理はカンタンだったのである。
 修理は日本人技師らがやったので、修理前より動きは良くなったそうだ。
変速機やエンジンの整備も万全なのである。
 そこは、さすがドイツ軍の戦車である。
英国のマークⅣ型とは比べ物にならないほどだ。
 39両の海底戦車の仮想ドイツ軍と改造マークⅣ型と水上戦車改の演習は明日ときまったのだ。
ドーバーの丘は大女王様のお立ち台から・・・兵站や見学者向けの売店まで、準備は整ったのである。
 
 
 
 
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

If太平洋戦争        日本が懸命な判断をしていたら

みにみ
歴史・時代
もし、あの戦争で日本が異なる選択をしていたら? 国力の差を直視し、無謀な拡大を避け、戦略と外交で活路を開く。 真珠湾、ミッドウェー、ガダルカナル…分水嶺で下された「if」の決断。 破滅回避し、国家存続をかけたもう一つの終戦を描く架空戦記。 現在1945年夏まで執筆

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら

俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。 赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。 史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。 もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

処理中です...