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有名俳優の妻
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顔が好きだった。
鏡越しに並んだとき、隣に立つ自分が少しだけ誇らしく思えた。
体型も、好みだった。
街を歩くとき、無意識に周囲の視線を感じて優越感に浸る。
恋に落ちた、という感じはしなかった。
ただ、何より「羨ましい」と周りから言われる恋愛をしてみたかった。
いわゆるイケメンの彼。
それは誰もが否定しないだろう。
なぜなら彼は、有名俳優だったから。
告げたのは限られた人だけだったが、羨望の眼差しは止まらなかった。
「すごい」
「現実にそんなことあるんだね」
「どうやって出会ったの?」
友人たちは目を輝かせた。
私には自分が“選ばれた側”にいるという優越感があった。
夜、テレビに映る彼を見ると、私の知っている彼と別人に思えた。
なので彼出演のドラマや映画は、見なかった。
話題になっていても、賞を取っていても、私は一度も映画館に行かなかったし、配信を観ることはなかった。
自分より綺麗な女優とのラブシーンを、わざわざ確認したいと思わなかった。
それでも——
現実の世界で彼と結婚したのは、私だった。
指輪も、戸籍も、名字も、彼の隣にあるのは私の名前だった。
だから時々、勝ったような気分になる。
どれだけ美しい女優が隣に立っていても、夜に帰る先は、私のいる家なのだ。
彼のことが本当に好きなのか、この結婚が正解だったのかわからない。ただ、優越感だけが何よりも優った。
彼が、なぜ私を結婚相手として選んだのか——
愛されたわけじゃない。
私は、遊び相手だった。
仕事の合間に呼ばれ、名前を呼ばれ、朝が来る前には何事もなかったように別れる存在。
都合のいい距離。
深入りしない約束。
未来を匂わせない関係。
それが、ある日、壊れた。
私が"うっかり"妊娠してしまったのだ。
私の立場は“秘密の都合のよい女”から“守るべき問題”に変わった。
結婚は、彼にとっても事務所にとっても解決策でしかなかった。
周りの友人は言う。
「愛されてる証拠だよ」
「責任取ってくれるなんて、誠実じゃない」
私はさらに優越感に浸った。
もし妊娠をしていなかったら、私は、彼の人生に一切、痕跡を残さない女だっただろう。
それをわかっていても、幸せだった。
しかし———入籍前に私は流産してしまった
病院の白い天井を見つめながら、涙は出なかった。悲しいはずなのに、赤ちゃんを失ったことより、彼との結婚がなくなることが怖くて不安だった。
彼はお見舞いに来た。
仕事の合間を縫って、帽子とマスクで顔を隠して、周囲に気づかれないように来てくれた。
「大丈夫?」
心配している姿は演技だとすぐにわかった。
この人は“父親”になる覚悟をしていたのではなく、“問題を処理する覚悟”をしていただけなのだと理解した。
赤ちゃんがいなくなったことで、彼は自由になった。本来なら、この関係はここで終わってもおかしくなかった。
それなのに、彼は淡々とした声で「結婚しよう」と言った。
彼にとって私は、守るべき存在ではなく、見捨てるには後味の悪い存在だったのだろう。
しかしその瞬間、私は救われた気がした。
赤ちゃんを失ったにも関わらず、周りから羨ましがられる、有名俳優と結婚ができるのだ。
彼は偽善者だ。
私を愛していないのに、責任を果たす自分に酔ったまま、結婚してくれた。
入籍の日、役所の窓口で書類を出す彼の横顔は、ドラマで見るどんな名シーンよりも、作り物めいて見えた。
私は愛されていないと分かっているのに、選ばれなかったよりはましだと、心のどこかで思ってしまっていた。
この結婚は、彼の善意でできている。
愛されない妻として、彼に抱かれないまま、毎晩彼の隣で眠る。
彼は結婚を公表した。
公式サイトには、誠実で、簡潔で、誰の感情も逆なでしない言葉が綴られた。
ネットには祝福の声が溢れた。
「一般人と結婚するのは印象がいい」
「奥さん、幸せ者だ」
しかし、しばらくして私は気づいてしまった。
彼に、新しい恋人がいることを———
香水やソープの香りはない。
分かりやすい証拠は何もなかった。
ただ、スマートフォンを確認する角度や、彼の態度ですぐにわかった。
何よりも私を傷つけたのは、相手が女優ではなく、一般人女性だったことだった。
スクリーンの中の女優なら、まだ納得ができた。
でも、彼女は違った。
妊娠もしていないのに、責任も、罪悪感もないはずなのに、彼の心を独り占めにしていた。
ただ、好きになってもらえたのだ。
それは、どんなラブシーンよりも残酷だった。
私は、結婚した女で、公表された妻で、世間的には勝者なのに、彼女は、何も持っていない代わりに、彼から愛されている。
相手の女性が誰なのか、私は知ってしまった。
不動産会社に勤める、二十代後半の女性。
雑誌にも載らないし、名前を検索しても何も出てこない普通の一般人だ。
ただ、見た目はやはり目を引いた。
焦茶色の巻き髪の綺麗な人だった。
しかし彼の周りにいる女優と比べると「なぜ?」という感情が湧く。
それを知ったのは、偶然だった。
彼がトイレにいる間、テーブルに置かれたスマートフォンが震えた。
画面に映った、絵文字もない文章だった。
"ごめんね、今夜は親友が泊まりに来たからホテルには行けない"
彼の夜の誘いを断ったのだとすぐにわかった。
その夜、クローゼットを開けた。
奥にある棚には、彼女との2ショット写真と小さなプレゼントがあった。
サイズから推測すると、中身は指輪だろう。
それは私にプレゼントされるものではなかった。
自分と同じ一般人の女に負けた気がした。
この結婚は、いつ終わるのだろう。
それとも終わらせるのは、私の役目なのだろうか。
愛されてもいない、有名俳優と結婚した末路なのか。
そんな言葉が、頭の中で他人事のように浮かんでは消えた。
それでも、どうしても手放したくないものがあった。
——彼の遺伝子——
顔立ちだけではない。
骨格や人を惹きつける声、説明のつかない存在感。
努力だけでは手に入らない、選ばれた人間の身体だ。
私は、彼から愛はもらえなかった。
でも、未来まで何も残らないなんて、そんな終わり方だけは受け入れられなかった。
夜の営みは、とっくになくなっていた。
同じベッドにいても、触れ合う理由がない。
私は計画した。
体調管理も、時期も、一切の感情を切り離して"その日"を迎えた。
弱っているふりをして、彼に寄りかかり、必要とされている妻を、丁寧に演じた。
彼は拒まずに、一年ぶりに私を抱いてくれた。
そこに愛があるかどうかはどうでもよかった。
そして私は二度目の妊娠した——
検査薬の線を見た瞬間、胸に込み上げたのは、喜びではなく達成感だった。
これで私は、彼の人生にもう一度、確実な痕跡を残せる。
最高の遺伝子を手に入れたのだ。
彼は戸惑い、中途半端な顔をした。
でも、逃げずに「今度こそ無事に生もう」と言ってくれた。
妊娠中も、彼がたびたび本命の女を抱いていることは分かっていた。
それでも彼は、どんな夜も必ず帰ってきた。
同じ家に帰ってきてくれる。
それが彼なりの誠実さなのだと、私は理解することにした。
愛は外で使い切って、責任だけを家に持ち帰ってきていたのだろう。
お腹が大きくなるにつれ、彼は少しずつ優しくなった。
それは私ではなく、お腹の中にいる赤ちゃんに向けられている優しさだと、わかっていた。
そして――
娘が生まれた。
産声を上げた瞬間、彼は泣いた。
声を押し殺すこともなく、役者の顔でもなく、
父親として泣き崩れた。
この人は、私を愛していなくても、この子のことは愛しているのだと理解した。
彼は私の手を握り、何度も「ありがとう」と言った。
この子が生まれたことで、何かが確実に変わった。
子どもが生まれたことを、世間に公表したとき、彼の言葉には一切の迷いがなかった。
「守るべき存在ができた」
その一文で、父親として、俳優として、彼はまた評価を上げた。
それからしばらくして、彼は夜遅く、何も言わずに出かけていった。
直感で分かった。
あの女の元へ行ったのだと。
時計の針が進み、娘の寝息だけが規則正しく続く。
——そして、玄関の音がした。
思っていたより早い帰宅だった。
彼は、肩を落としていた。
視線は床に落ちたまま、いつもの「完璧な男」の余裕がなかった。
女に捨てられたのだと私はすぐにわかった。
私の元へ、帰ってきたのだと。
自分は選ばれたわけじゃない。
彼は残された場所に、戻ってきただけだ。
それでも優越感が止まらなかった。
彼はそのまま、子煩悩俳優、愛妻家として地位を固めていった。
インタビューでは、娘の話を欠かさない。
夜泣きで寝不足だとか、初めて笑った日のこととか。
聞かれれば、私への感謝も忘れない。
「妻の支えがあってこそです」
その言葉は、何度も記事になり、何度も拡散され、何度も、彼を"理想の夫像"“理想の父親像”に仕立て上げた。
彼は、娘を本気で愛している。
それは疑いようがない。
あの女のことは、いつの間にか、なかったことになった。
彼は、
理想の父で、
理想の夫で、
理想の俳優だ。
私は愛されないまま、最高の遺伝子と、有名俳優の妻の座を手に入れた。
彼の人生の中で、最後まで名前が消されない女なのだ。
そして今日も、テレビの中の彼は完璧な笑顔で言う。
「家族が全てです」
鏡越しに並んだとき、隣に立つ自分が少しだけ誇らしく思えた。
体型も、好みだった。
街を歩くとき、無意識に周囲の視線を感じて優越感に浸る。
恋に落ちた、という感じはしなかった。
ただ、何より「羨ましい」と周りから言われる恋愛をしてみたかった。
いわゆるイケメンの彼。
それは誰もが否定しないだろう。
なぜなら彼は、有名俳優だったから。
告げたのは限られた人だけだったが、羨望の眼差しは止まらなかった。
「すごい」
「現実にそんなことあるんだね」
「どうやって出会ったの?」
友人たちは目を輝かせた。
私には自分が“選ばれた側”にいるという優越感があった。
夜、テレビに映る彼を見ると、私の知っている彼と別人に思えた。
なので彼出演のドラマや映画は、見なかった。
話題になっていても、賞を取っていても、私は一度も映画館に行かなかったし、配信を観ることはなかった。
自分より綺麗な女優とのラブシーンを、わざわざ確認したいと思わなかった。
それでも——
現実の世界で彼と結婚したのは、私だった。
指輪も、戸籍も、名字も、彼の隣にあるのは私の名前だった。
だから時々、勝ったような気分になる。
どれだけ美しい女優が隣に立っていても、夜に帰る先は、私のいる家なのだ。
彼のことが本当に好きなのか、この結婚が正解だったのかわからない。ただ、優越感だけが何よりも優った。
彼が、なぜ私を結婚相手として選んだのか——
愛されたわけじゃない。
私は、遊び相手だった。
仕事の合間に呼ばれ、名前を呼ばれ、朝が来る前には何事もなかったように別れる存在。
都合のいい距離。
深入りしない約束。
未来を匂わせない関係。
それが、ある日、壊れた。
私が"うっかり"妊娠してしまったのだ。
私の立場は“秘密の都合のよい女”から“守るべき問題”に変わった。
結婚は、彼にとっても事務所にとっても解決策でしかなかった。
周りの友人は言う。
「愛されてる証拠だよ」
「責任取ってくれるなんて、誠実じゃない」
私はさらに優越感に浸った。
もし妊娠をしていなかったら、私は、彼の人生に一切、痕跡を残さない女だっただろう。
それをわかっていても、幸せだった。
しかし———入籍前に私は流産してしまった
病院の白い天井を見つめながら、涙は出なかった。悲しいはずなのに、赤ちゃんを失ったことより、彼との結婚がなくなることが怖くて不安だった。
彼はお見舞いに来た。
仕事の合間を縫って、帽子とマスクで顔を隠して、周囲に気づかれないように来てくれた。
「大丈夫?」
心配している姿は演技だとすぐにわかった。
この人は“父親”になる覚悟をしていたのではなく、“問題を処理する覚悟”をしていただけなのだと理解した。
赤ちゃんがいなくなったことで、彼は自由になった。本来なら、この関係はここで終わってもおかしくなかった。
それなのに、彼は淡々とした声で「結婚しよう」と言った。
彼にとって私は、守るべき存在ではなく、見捨てるには後味の悪い存在だったのだろう。
しかしその瞬間、私は救われた気がした。
赤ちゃんを失ったにも関わらず、周りから羨ましがられる、有名俳優と結婚ができるのだ。
彼は偽善者だ。
私を愛していないのに、責任を果たす自分に酔ったまま、結婚してくれた。
入籍の日、役所の窓口で書類を出す彼の横顔は、ドラマで見るどんな名シーンよりも、作り物めいて見えた。
私は愛されていないと分かっているのに、選ばれなかったよりはましだと、心のどこかで思ってしまっていた。
この結婚は、彼の善意でできている。
愛されない妻として、彼に抱かれないまま、毎晩彼の隣で眠る。
彼は結婚を公表した。
公式サイトには、誠実で、簡潔で、誰の感情も逆なでしない言葉が綴られた。
ネットには祝福の声が溢れた。
「一般人と結婚するのは印象がいい」
「奥さん、幸せ者だ」
しかし、しばらくして私は気づいてしまった。
彼に、新しい恋人がいることを———
香水やソープの香りはない。
分かりやすい証拠は何もなかった。
ただ、スマートフォンを確認する角度や、彼の態度ですぐにわかった。
何よりも私を傷つけたのは、相手が女優ではなく、一般人女性だったことだった。
スクリーンの中の女優なら、まだ納得ができた。
でも、彼女は違った。
妊娠もしていないのに、責任も、罪悪感もないはずなのに、彼の心を独り占めにしていた。
ただ、好きになってもらえたのだ。
それは、どんなラブシーンよりも残酷だった。
私は、結婚した女で、公表された妻で、世間的には勝者なのに、彼女は、何も持っていない代わりに、彼から愛されている。
相手の女性が誰なのか、私は知ってしまった。
不動産会社に勤める、二十代後半の女性。
雑誌にも載らないし、名前を検索しても何も出てこない普通の一般人だ。
ただ、見た目はやはり目を引いた。
焦茶色の巻き髪の綺麗な人だった。
しかし彼の周りにいる女優と比べると「なぜ?」という感情が湧く。
それを知ったのは、偶然だった。
彼がトイレにいる間、テーブルに置かれたスマートフォンが震えた。
画面に映った、絵文字もない文章だった。
"ごめんね、今夜は親友が泊まりに来たからホテルには行けない"
彼の夜の誘いを断ったのだとすぐにわかった。
その夜、クローゼットを開けた。
奥にある棚には、彼女との2ショット写真と小さなプレゼントがあった。
サイズから推測すると、中身は指輪だろう。
それは私にプレゼントされるものではなかった。
自分と同じ一般人の女に負けた気がした。
この結婚は、いつ終わるのだろう。
それとも終わらせるのは、私の役目なのだろうか。
愛されてもいない、有名俳優と結婚した末路なのか。
そんな言葉が、頭の中で他人事のように浮かんでは消えた。
それでも、どうしても手放したくないものがあった。
——彼の遺伝子——
顔立ちだけではない。
骨格や人を惹きつける声、説明のつかない存在感。
努力だけでは手に入らない、選ばれた人間の身体だ。
私は、彼から愛はもらえなかった。
でも、未来まで何も残らないなんて、そんな終わり方だけは受け入れられなかった。
夜の営みは、とっくになくなっていた。
同じベッドにいても、触れ合う理由がない。
私は計画した。
体調管理も、時期も、一切の感情を切り離して"その日"を迎えた。
弱っているふりをして、彼に寄りかかり、必要とされている妻を、丁寧に演じた。
彼は拒まずに、一年ぶりに私を抱いてくれた。
そこに愛があるかどうかはどうでもよかった。
そして私は二度目の妊娠した——
検査薬の線を見た瞬間、胸に込み上げたのは、喜びではなく達成感だった。
これで私は、彼の人生にもう一度、確実な痕跡を残せる。
最高の遺伝子を手に入れたのだ。
彼は戸惑い、中途半端な顔をした。
でも、逃げずに「今度こそ無事に生もう」と言ってくれた。
妊娠中も、彼がたびたび本命の女を抱いていることは分かっていた。
それでも彼は、どんな夜も必ず帰ってきた。
同じ家に帰ってきてくれる。
それが彼なりの誠実さなのだと、私は理解することにした。
愛は外で使い切って、責任だけを家に持ち帰ってきていたのだろう。
お腹が大きくなるにつれ、彼は少しずつ優しくなった。
それは私ではなく、お腹の中にいる赤ちゃんに向けられている優しさだと、わかっていた。
そして――
娘が生まれた。
産声を上げた瞬間、彼は泣いた。
声を押し殺すこともなく、役者の顔でもなく、
父親として泣き崩れた。
この人は、私を愛していなくても、この子のことは愛しているのだと理解した。
彼は私の手を握り、何度も「ありがとう」と言った。
この子が生まれたことで、何かが確実に変わった。
子どもが生まれたことを、世間に公表したとき、彼の言葉には一切の迷いがなかった。
「守るべき存在ができた」
その一文で、父親として、俳優として、彼はまた評価を上げた。
それからしばらくして、彼は夜遅く、何も言わずに出かけていった。
直感で分かった。
あの女の元へ行ったのだと。
時計の針が進み、娘の寝息だけが規則正しく続く。
——そして、玄関の音がした。
思っていたより早い帰宅だった。
彼は、肩を落としていた。
視線は床に落ちたまま、いつもの「完璧な男」の余裕がなかった。
女に捨てられたのだと私はすぐにわかった。
私の元へ、帰ってきたのだと。
自分は選ばれたわけじゃない。
彼は残された場所に、戻ってきただけだ。
それでも優越感が止まらなかった。
彼はそのまま、子煩悩俳優、愛妻家として地位を固めていった。
インタビューでは、娘の話を欠かさない。
夜泣きで寝不足だとか、初めて笑った日のこととか。
聞かれれば、私への感謝も忘れない。
「妻の支えがあってこそです」
その言葉は、何度も記事になり、何度も拡散され、何度も、彼を"理想の夫像"“理想の父親像”に仕立て上げた。
彼は、娘を本気で愛している。
それは疑いようがない。
あの女のことは、いつの間にか、なかったことになった。
彼は、
理想の父で、
理想の夫で、
理想の俳優だ。
私は愛されないまま、最高の遺伝子と、有名俳優の妻の座を手に入れた。
彼の人生の中で、最後まで名前が消されない女なのだ。
そして今日も、テレビの中の彼は完璧な笑顔で言う。
「家族が全てです」
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