大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

勇者と付き添い

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「…僕はまだ《勇者》だと言ってないのだけれど?」
「ははっ、ウィル、お前ってホントによな」
「なにがだい?」
「まだ、って事はつまり《勇者》だろ?適当にカマかけときゃ当たるもんだな」
もっとも、理由は幾つかあるけど。
「本当に当てずっぽうで僕が《勇者》だと?」
「二割ぐらいはな。まぁ、猫の方が二つ名持ち、それも知り合いをワザワザ引っ張り出して勧誘に来たんだ。それなら、犬の方もある程度以上のビッグネームを用意しねぇと張り合えないだろ」
ラウクムくんや、他のクラスメイトに軽く聞いたところ、この学校で特に有名な二つ名持ちは、有名な順に《勇者》《逆鱗》《雷光》だった。
猫の派閥では《不動荒野》が顔馴染みだったので、そちらを抜擢したようだが、これがたとえば面識のないリーザとかだったら、《逆鱗》が来てただろう。
で、犬としても人手は欲しい訳で、それでいて猫に人手を持っていって欲しくない。だから、ネームバリューがある《勇者》が最低でも来るだろうって予測はつく。
この時点で確率は二分の一。
黒いシーちゃんと、金のウィル。
ちなみに、俺は容姿に関しては全く聞いていなかったし、そもそもこの学校で容姿をアテに人を探すと酷い目に遭う。ウィルのような金髪碧眼は山ほどいるし、アーネの燃えるような炎髪も腐るほどいる。白髪は若干少ないが、まぁいないこともないし。
さて、話を戻すか。
「んで、ヘイ、シーちゃん。お前の持つ勇者像ってどんなの?」
「………貴様に答える義務はない」
「俺に答える義務はなくとも、その隣の《勇者》が答えを聞きたがってるんだ。《勇者》への義理はあるだろ?」
「ッチ!」
おう、俺はどうやら嫌われたらしい。
俺が嫌いなのはどっちかってーとウィルだから、別にコイツに嫌われたい訳じゃないんだが…。
「さて、答えは?」
「万人に優しく、礼儀正しく、誰よりカッコよく、決して負けず、なにより誰も見捨てず手を差し伸べ、そして………」
「という訳だ。ウィル、わかったか?」
「おい貴様!私の話の途中だぞ!」
知るか馬鹿。お前が俺に話す義務が無いなら、俺も聞く義務はねぇよ。
「えっと、レィアさん、つまりどういうことだい?」
苦笑いしながらウィルがまた尋ねる。
「おいおい、考えても見ろ。
このどちらかが確実に《勇者》です。一人は礼儀正しく、言葉遣いも非常に綺麗な美男子。もう一人は無愛想でずっと無言な上に、ちょっとしたジョークでブチ切れる女。これが目の前にいて、どっちが《勇者》かって、赤ん坊にに聞いても指さすのは同じだと思うぜ?」
さて、二人の反応は?
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