大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

気分と訓練所

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「なぁレィア、少し聞きたい事があるんだが」
「あぁ?何だ?」
訓練所の端で腕組みしながら一際大きく張られたフィールドを眺める。隣で同じような格好で話しているのは紫の髪をした耳長種エルフ。ユーリアだ。
「なんかレィアの機嫌、悪くないか?」
「…それを直接本人に確認するのがお前らしいよな。ホント」
「否定はしないのだな」
「合ってんだから否定をする訳にゃいかんだろ…おっ」
フィールドの中で、特大の爆煙が上がる。フィールドの中なので怪我はないだろうが、多分直撃した奴は戦闘不能にはなってるだろう。
今フィールドの中で行っているのは、五対五のチーム戦。俺とユーリアは先に個人的な一戦をやっていたので、それが終わったら他の奴が場所を貸してくれと言ってきたのだ。
昼間っから独占するのもアレだし、じゃあどうぞとどいた所、今のようになっている訳だ。
その結果、特にやることも無くぼーっとフィールドの中の戦いを眺める二つ名持ちの雑談コーナーが出来上がった訳だ。
「今の火力は…アーネだな?まともにフィールドに当たっていたら砕けかねない威力だったぞ」
「おいユーリア、実はあれでもアーネはかなり抑えて撃ってんだぜ?本気で撃ったら余波で俺達も危ない」
「はは、流石にそれは冗談だな?フィールドは破れるかもしれないが、流石に余波では………え、本気?」
「本気だ。《圧縮》で元々高火力を持ってる炎の魔法の火力をさらにはね上げてんだよ。多分、この学校で単発の火力を競うならアーネより高い奴はいないだろうよ」
「そうなのか?いやでも、レィアが言うならそうなのだろうな」
とは言っても、この学校の知り合いの大半が魔法より剣派なので、俺も結構勢いで言ってたりするのだが。
「で?」
「で?って何だよ」
「いやほら、機嫌の話だ。何かあったのか?」
「あぁ、そこまで戻るのか」
と言ってもうーん、どこから話せばいいのか。そもそも話していい話だっけこれ?ダメな気がする。
「まぁ、厄介事の種を一年が持ってきそうな感じだって話だ」
「へぇ、一年生が。ふぅん…ん?なんで君に一年生が?接点が無いだろう?」
「その辺は色々あったんだよ。本当に色々な」
「ふぅむ、まぁいいか。で?なんと言ってきたんだ?」
「いや、内容聞く前に逃げた。何か言うなら今晩にでも来いって言ってな」
ここで再び爆音が。もうじき向こうも終わるだろう。そうしたら、入れ替わりで俺達がまたフィールドに入る。
「…せめて、内容ぐらい聞いてやってもよかったんじゃないか?」
「嫌だよめんどくせぇ。あの手の輩は話聞いたらひと段落するまで結構かかるんだ」
「なるほどな。しかも、君も結構お人好しだから断らないだろうしな」
「…お人好し?俺が?」
「なんだその心底意外そうな顔は。もしかして気づいてなかったのか?」
三度爆炎。と言うか火柱。吹き上がった炎がフィールドの天井を焼き、しかし貫く程ではなかったか消えていく。
「お、丁度終わったみたいだな。行くか?レィア」
「…行くか」
納得できない所もあるが、ひとまずそう言って壁から背を離す。
「ところでユーリア、なんで俺がお人好しだと思うんだ?」
「ん?そんなことか。そもそもお人好しでもなければ、いくら実力があっても出会ってひと月程度の同室を助けに結界の外へ出たり、瀕死の一年生を助けにデーモンと一対一の戦いに挑んだりしないだろう?」
「…テメェちゃんと知ってるじゃねぇか」
フィールドに入り、銀剣──ではなく金剣を抜く。
「む、私の双剣に合わせてくれないのか?」
「うるせぇ。ちょっとムシャクシャしてるからそれなりに本気だ」
マキナも起動。まだ血のストックは少ないが、纏って戦う分には問題ない。
「俺に銀剣出させてみろよ《貴刃》」
「私はその名前、あまり気に入ってる訳では無いのだがな《緋眼騎士》」
俺もだよ。
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