大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ

鮭とば

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本編

告白と血

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『つっても、大体気づいてるだろ?』
誰も彼もが寝静まった夜、俺が目覚めて一日経ってからシャルが『約束の通り、例の件について教えに来た』と珍しく自分から言って来たのだ。いつもならこの手の話題は俺が聞いてやらないと絶対答えないのに。
そして、今のセリフを言ったのだ。
「三割ぐらいなら」
『分かってねぇのと同じじゃねぇか。まぁ普通じゃ有り得ないことだったしな』
その言葉は、普通ではないことが起こったという事を裏から肯定する。
『アーネは恐らく俺の…孫にあたる血筋だ』
その答えに、俺はやはりという感想と何故、という疑問が同時に湧いた。
普通のヒトは《勇者》の血に耐性がない。というか、仮にも神の力なのだから、普通のヒトは絶対に耐えられない。《聖女》は非常に特殊なケースだと言える。
なら何故アーネは俺の血に耐性があったのか。
何かしらの特殊ユニットの力が働いているか。
あるいは、アーネ自体が特殊ユニットなのか。
可能性は二つ。しかし前者は、誰がどういう意図でただの個人にこんなピンポイントな能力を与えているのかという疑問が。後者は神の数が絶対に合わなくなるのでそもそも否定が発生する。
だが、後者の考えに限りなく近いがずっと前から有り、そして否定されていた。
すなわち、《勇者》の子孫。血脈とは全く別、生物の生殖を経てこの世に次を残す手段。
だが。
「おい、でもそれって無理だって話だろ。ヒトと《勇者》とじゃそもそも生物として別物だって」
そう言うと、シャルが答えた。
『誰が《勇者》とヒトの子だって言った。《勇者》と《理》。この二つの間に生まれたのがアーネの母だ』
「……は?」
予想の斜め上をすっ飛んだ答えに、思わず呆けたような声を出す。
「《理》って要は金剣だろ。そんなのとどうやって──」
あぁいや、違った。
今俺の知ってる金剣と、シャルの知ってる金剣はまるで違うのだった。
金剣は姿を変え、ありとあらゆる物になる事が出来たらしい。
たしかその名前は《理》という無機質なものではなく、もっとヒトらしい名前だったか。
『アベル。それが俺の相手だ』
「ヒトのナリした剣……か。それもただの剣じゃねぇ。機人の神の力を受けたれっきとした特殊ユニット。《勇者》に合わせるには充分か」
ヒトと《勇者》では格が違う。だが、《勇者》と《理》──いや、正確には《勇者》と《比翼の剣》か。片割れであったとしても、神の力を持つ特殊ユニットであることに変わりはない。
『いや、特殊ユニットだから成功した訳じゃない。アベル……《理》の能力が無かったら絶対に有り得なかった』
《勇者》に血界、《聖女》に結界、《王》には……そうだな、さしずめ掌握とでも言おうか。ともかく、それぞれの運用に合った能力が与えられる。
当然それは機人の特殊ユニットである《比翼の剣》であっても同様。
『《理》の能力は《全なる一》。《理》自体が世界全てを表し、それを自由に表面化させる能力だ』
「……?」
『まぁ、能力の応用の幅は恐ろしく多岐に渡るから、今回適用された所だけ引っ張ってくると、限定条件下で擬似的に《勇者》にも《魔王》にも、何にでもなれる能力とでも思えばいい。《勇者》と《勇者》。片方が偽物でも、条件としては生殖は可能だろう』
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