あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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奇跡の再会に心震わす

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理久先生に大正解を出され、かなり困惑する。


透明な壁で仕切られた奥の部屋からは、私の怪しい行動が丸見えだったらしい。


『べ、別に何でもないよ。気のせいだから』


そうやって下手な芝居でごまかしてはみたけど、理久先生ってこういうのに敏感だから…嘘ついてるの、バレてるかな。


いつだって人の気持ちが良くわかる人だもんね。


すごく優しい先生なんだ。


『スーツ姿があんなに似合うイケメン、なかなかいないですよね。あの雰囲気、男の僕からしても憧れます』


理久先生…


そうだよね、あんなカッコいい人、他にいないよね。


やっぱり…


あの人は九条さん。


「九条 慶都」さんだよね。


どうしてこんなところにいるの?


なんでよ…


必死で忘れようとしても全然忘れられなくて、消したくても消えなくて。


ずっと想い続けて、それでも少しずつ自分らしく生きていける気がしてたのに。


こんな再会…有り得ないよ。


間違ってもあの人に、自分だと気づかれては困る。


絶対に、彼に迷惑はかけられないから。


『ごめんね。理久先生、私、もう帰るね。お疲れ様』


突然の九条さんとの出会いで、情緒不安定になってるのがわかる。


緊張の糸が途切れず、ずっと心臓がドキドキしたままで、さっきから全然元の自分に戻れない。


他の先生達の顔もまともに見れないし。


『お疲れ様です。お先に失礼します』


入口の辺りにいた先生に頭を下げた。


『あっ、ねえ、彩葉先生。さっきのイケメンさん見た?すごく素敵な人だよね~』


『あっ、そ、そうですよね。すみません、じゃあ失礼します』


『彩葉先生?大丈夫?どうかした?』


『い、いえ!全然大丈夫です』


変な顔で無理矢理苦笑い。


私、自分の気持ちを隠すのがこんなに下手だったんだ。


あまりの衝撃から立ち直れないまま、とにかく私は保育園を急いで飛び出した。
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