あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

けいこ

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可愛い子どもを守る母の思い

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お医者さんから、何よりもストレスの無い場所での静養が大事だと言われ、母は今、田舎にある実家でのんびり暮らしてる。


かなりの田舎だけど、父も私も、何とか時間を作ってたまに顔を見に行くようにしてる。


雪都を連れて行くと喜んでくれて、少しずつ笑顔も出るようになったけど…


でも、まだまだ全てが解決してる訳ではなさそうで。


やっぱり、心がつらくなることがあると体にも障るし、たぶんもう一堂家には戻らないだろうと思う。


優しい優しいお母さん。


本当の私の父に浮気をされて、かなりひどい仕打ちを受けても、私には何も言わなかったし、麗華のことだって1度も悪く言ったことがなかった。


優し過ぎて、いつも私を守ってくれて、いっぱい1人で抱え込んで…でもきっと、人知れず涙を流していたんだよね。


ごめんね、何もしてあげられなくて。


本当はずっと側にいてあげたいけど、私がいたらまた母は「頑張って」しまうから。


麗華との壁は、母だけじゃなく、私との間にもあった。


その壁はなかなか崩れなくて、どうしようもなく厚かった。


新しい母親と姉が急に出来たのが気に入らないのはわかる、でも、麗華の言葉はいつも私達の気持ちを深くえぐった。


男性関係もかなり派手で、特定の彼氏はいないみたいだけど、いつも男性の影がチラついていた。


私の2歳下、23歳、172cmでくっきりした目鼻立ちの美人。


ブラウンのつやつやした美しいロングの巻き髪。


メイクもバッチリで、その美しい顔立ちとスタイルを活かして雑誌モデルとして活躍している。


そんな娘を心配した父が、麗華と九条さんのお見合いを提案し、九条社長も賛成して実現した。


麗華はあっさりお見合いを受け入れたから、私は2人が相思相愛なんだと…ずっと思ってた。


だから…


あの夜のことが、本気だったのか嘘なのか…


九条さんの気持ちは結局今もわからないままで。
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