あなたと恋に落ちるまで～御曹司は、一途に私に恋をする～

思いがけない人からの告白

3

何だか慧君らしくない…


『いや…いいんだ。雫ちゃんなら、好きな人くらいいるに決まってるよね…』


そう言って、下を向いた。


『慧君…どうしたの？大丈夫？顔色、ちょっと悪くない？』


本当に…心配になるよ。


『…大丈夫だよ。別に体調は悪くない…から…』


『そう…なんだ。だったら良かったけど…』


やっぱりぎこちない。


こんなやり取り、初めてだよ…


それにしても、慧君の瞳…


いつも以上に潤んでいるように見える。


見惚れてしまうような、とっても綺麗な瞳。


きっと、このままずっと見つめられたら、釘付けにされてしまう…


そう思った瞬間、私は思わず目を逸らした。


そして、小さく息を整えてから…また慧君を見た。


憂いを帯びた顔。


大人びた表情にドキッとする。


同じ年齢の慧君のこと、今までこんな風に感じたこと無かったのに…


慧君の唇が…


ゆっくりと動き出した…


『雫ちゃんが誰を好きとか…俺にはわからないけど…それでも…やっぱり…』


唇を噛み締める仕草が、私の心を揺さぶる。


胸の鼓動が…


独りでにどんどん早くなっていって…


『俺は、雫ちゃんのことが好きなんだ。他の人じゃダメだ。雫ちゃんじゃなきゃ』


そのセリフで、一気に心臓の高鳴りが最高潮に達した。


『そんな…』


『迷惑だとは思うけど、ずっと勝手に想い続けてた。この気持ち、いつか言わないとって思ってた…でも、勇気が出なくて』


『嘘…でしょ？だって慧君、私のことを好きな素振りなんて、全然見せたことなかったよね？』


そうだよ。


ずっと近くにいたけど、本当に…いつだって普通に話してただけだった。


なのに、私のことを想ってくれてたなんて…


やっぱり、信じられないよ。


『…俺は…そういうの上手くないから…好きだって言うアピールなんて、どうやってしたらいいかわからないよ』


『…でも…』