あなたと恋に落ちるまで～御曹司は、一途に私に恋をする～

励ましと感謝と涙

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私、心臓が大変なことになるよ…


ううん。


もう…なってしまってる。


どうしようもないくらい…胸が高鳴って、体も熱くなって…


日本とニューヨークはあまりに遠く離れてるのに、声は…すぐ側にいる。


こんなに近くにあなたを感じられるのに…


手を伸ばしても…触れることは出来ない。


『雫のこと応援してる。俺も今の仕事、必ず成功させるから。だから…一緒に頑張ろう』


私は、ただパン教室の先生になるだけ。


あなたは…きっと、何億、何十億と言うお金を動かすお仕事。


仕事のレベルが違い過ぎるのに…


なのに…一緒になんて…


ちょっと申し訳ない気持ちになったけど、でも、あなたのその優しい思いに心が安らぐ。


それと同時に、祐誠さんの励ましで…私はまたほんの少しだけ強くなれた。


『じゃあまた、雫。ゆっくり休んで』


『…祐誠さんも、体…気をつけて…無理しすぎないで下さい』


『…雫に言われたら、まるで奥さんに注意されてるみたいだな。守らないと叱られるから…気をつけるよ…』


そう言って笑う祐誠さん。


「奥さん」なんて…


そんなワード、聞き逃せないよ…


『おやすみ…雫』


頭の中の「奥さん」への処理が出来ないまま、祐誠さんとの時間が終わろうとしていた。


『あ…は、はい。おやすみ…なさい、祐誠…さん』


しどろもどろな「おやすみ」の挨拶をして、私は電話を切った。


どうして？


心臓の鼓動がなかなか止まらない…


布団にもぐっても、しばらく寝付くことは出来なかった。 


枕に顔を埋めて思った。


3人からの電話…


祐誠さんも、慧君も希良君も、本当に優しくて…


確かに、祐誠さんからは告白されたわけじゃない。


私をどう思ってるのか、本当の気持ちは…わからない。


でも、こんなにも私を大切に扱ってくれて…


その言葉や行動に、やっぱり…


嬉しくて、幸せな気持ちになる。