あなたと恋に落ちるまで～御曹司は、一途に私に恋をする～

星が降り注ぐ夜

6

「もう…電話しない…ね。声聞いたら…会いたくなってしまうから。今も、やっぱり…すごく会いたいよ。でも、我慢する」


「希良君…」


「遠くから、あなたの幸せを…いつまでも祈っています。最後に言わせて。僕と出会ってくれて本当にありがとう。一緒に行ったテーマパーク、楽しかったし、幸せだったよ。雫さんは…最高の女性だ。あなたを超える人なんて、世界中どこを探しても見つからない。本当にありがとう…じゃあ、体に…気をつけてね。バイバイ」


あれから…


希良君とは、1度も連絡を取っていない。


きっと…


立派な先生になってるね。


もしかして今頃、結婚してパパになって子育てなんかしてるかもね…


そう思うと嬉しくなる。


希良君は、本当に…


素晴らしい青年だった。


君のことは、私の記憶の中にいつまでもずっと…キラキラ輝く思い出として残っていくだろう。


それからしばらくして、私達は祐誠さんの休みに、私の両親も連れて長野に向かった。


ロープウェイに乗って、どんどん上がってく。


夜になって、そこにあるすごく広い高原にみんなでシートを敷いて寝転んだ。


ガイドさんの説明を夢中で聞く正孝。


いろんな星座のことを教えてくれて…


本当に楽しいみたいで、終始笑顔でニコニコしてる。


興味津々の正孝を見てたら、私までワクワクして来た。


まるで子どもの頃にタイムスリップしたみたいだ。


きっと…


希良君もこんな風に小さな胸を躍らせて、ここに寝転んで、この星空を見てたんだろうな…


時間になって、一斉に電気が消えた。


全ての明かりがシャットアウトされた瞬間…


空1面に星がびっしりと輝いて、それはそれは美しい光景が浮かび上がった。


『うわぁ！綺麗』


そう叫んで、正孝は…


空に向かって手を伸ばした。