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力が欲しいか
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宮殿の豪奢な謁見の間に、アーベルの声が響いた。何故か俺も連れてこられて
豪奢な壁のレリーフに紛れるように隅っこに息を潜めていた
(なんで俺までーーー)
「……だから、神聖魔法を学びたいんだ!」
王座に座る父王——レオポルト三世は、重厚な沈黙をもって息子の言葉を受け止めた。
隣に座る王妃も、眉をひそめている。
「神聖魔法だと?」
王の低く威厳に満ちた声が、謁見の間に響いた。
「はい。正式に教会へ入り、本格的に学びたいと思っています」
アーベルはまっすぐ父王を見上げる。
「なぜだ?」
「神聖魔法は人を癒し、導く力です。王族として、民を救う力を身につけるのは大切なことだと思います」
そう熱弁をふるうアーベルだったが、父王の表情は変わらない。
「——王族に求められるのは、剣と統治の才だ。神聖魔法など必要ない」
「しかし——!」
「神聖魔法は貴族の学ぶものではないわ」
王妃の冷ややかな声が、アーベルの言葉を遮った。
(まあ、そうだろうな)
王妃や王の反応はそれほど過激なものではない。
教会と貴族は表向き第一身分(僧侶)と第二身分(貴族)で農民や商人を協力して支配しているように見えるが、実際はお互いがお互いを監視している冷戦状態に近い。教会関係者の上層部は貴族の次男三男が多いのも災いして静かにお互いをバカにしあっているというのが正しいか。
とはいえ、対立しているからこそ内部の人間に伝手を持っておいたほうがいいのはどの時代も同じなわけでーー
(何か言ったほうがいいのか?いや、でもここでおかしなフラグが立ってもなあ……)
可哀想だが、一介のモブに王と王妃の気持ちを変える力があるとも思えなかった。
「神聖魔法はあくまで神に仕える者の力。王族が修めるものではありません。それに——」
王妃の目が細められる。
「あなたは第二王子なのよ、アーベル。余計なことを考えず、兄を支える立場をわきまえなさい」
「……!」
その言葉に、アーベルは拳を握りしめる。
「余計なこと……ですか」
「そうよ。あなたに求められるのは、兄王の補佐と、ふさわしい貴族の姫との婚姻。神聖魔法など、身につける意味がないでしょう?」
父王も静かに頷く。
「お前が進むべき道は決まっている。今さら、神聖魔法に手を出すなど、道を誤るな」
「……」
アーベルは何かを言おうとしたが、口をつぐんだ。
「以上だ。もうこの話は終わりとする」
父王の厳かな言葉が下される。
「……陛下。僭越ながら、私からも一言よろしいでしょうか」
俺の声に、王が顔をあげ、その鋭い眼光が射抜くように向けられた。
「ほほう、お前は…アーベルの学友のリュシアンと言ったか、申してみよ」
豪奢な壁のレリーフに紛れるように隅っこに息を潜めていた
(なんで俺までーーー)
「……だから、神聖魔法を学びたいんだ!」
王座に座る父王——レオポルト三世は、重厚な沈黙をもって息子の言葉を受け止めた。
隣に座る王妃も、眉をひそめている。
「神聖魔法だと?」
王の低く威厳に満ちた声が、謁見の間に響いた。
「はい。正式に教会へ入り、本格的に学びたいと思っています」
アーベルはまっすぐ父王を見上げる。
「なぜだ?」
「神聖魔法は人を癒し、導く力です。王族として、民を救う力を身につけるのは大切なことだと思います」
そう熱弁をふるうアーベルだったが、父王の表情は変わらない。
「——王族に求められるのは、剣と統治の才だ。神聖魔法など必要ない」
「しかし——!」
「神聖魔法は貴族の学ぶものではないわ」
王妃の冷ややかな声が、アーベルの言葉を遮った。
(まあ、そうだろうな)
王妃や王の反応はそれほど過激なものではない。
教会と貴族は表向き第一身分(僧侶)と第二身分(貴族)で農民や商人を協力して支配しているように見えるが、実際はお互いがお互いを監視している冷戦状態に近い。教会関係者の上層部は貴族の次男三男が多いのも災いして静かにお互いをバカにしあっているというのが正しいか。
とはいえ、対立しているからこそ内部の人間に伝手を持っておいたほうがいいのはどの時代も同じなわけでーー
(何か言ったほうがいいのか?いや、でもここでおかしなフラグが立ってもなあ……)
可哀想だが、一介のモブに王と王妃の気持ちを変える力があるとも思えなかった。
「神聖魔法はあくまで神に仕える者の力。王族が修めるものではありません。それに——」
王妃の目が細められる。
「あなたは第二王子なのよ、アーベル。余計なことを考えず、兄を支える立場をわきまえなさい」
「……!」
その言葉に、アーベルは拳を握りしめる。
「余計なこと……ですか」
「そうよ。あなたに求められるのは、兄王の補佐と、ふさわしい貴族の姫との婚姻。神聖魔法など、身につける意味がないでしょう?」
父王も静かに頷く。
「お前が進むべき道は決まっている。今さら、神聖魔法に手を出すなど、道を誤るな」
「……」
アーベルは何かを言おうとしたが、口をつぐんだ。
「以上だ。もうこの話は終わりとする」
父王の厳かな言葉が下される。
「……陛下。僭越ながら、私からも一言よろしいでしょうか」
俺の声に、王が顔をあげ、その鋭い眼光が射抜くように向けられた。
「ほほう、お前は…アーベルの学友のリュシアンと言ったか、申してみよ」
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