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そして婚約は破棄された
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「――ついに明日ね」
一条の光が差し込む薄暗い部屋に、あの声が響いた。背筋に冷たいものが走る。夢だ。案の定、俺の目の前には“女神様”が仁王立ちしていた。
「まあな」と、俺は肩をすくめて返した。
「処刑フラグは全部叩き潰した。あとは明日、あの王子がちゃんと婚約すれば完璧ってやつだ」
すると女神の顔が、ふっと曇った。
「……あんまり有頂天にならない方がいいわよ。運命ってのはね、調子に乗ってると足元すくってくるの」
「おいおい、縁起でもねぇ。俺の死亡フラグは消えたって前に言ってたじゃねえか」
「そう言ったけど……どうもおかしいのよね。あんたの死亡フラグ、まだ完全には消えてないのよ」
言葉の意味を理解するまでに、数秒かかった。
「……は? 嘘だろ、何が残ってんだよ。王子は明日、王女と結婚するんだぜ?」
女神は意味ありげに目を細めた。
「ほんとに? アーベル王子……本当に、明日、婚約破棄しないかしら?」
「いや、理由ねぇだろ、もう。マリーテレーズ王女も来てるし、破棄の理由なんか――」
「“他に好きな人がいる”とか?」
その一言で、胸の奥がひゅっと冷える。
「……誰だよ、それ」
思わず低く呟いた。
「あら、気になるの? ふふ、かわいい」
「別に気になってねぇって……! ……そういう余計な茶々入れてくんなよ」
女神は肩をすくめ、くるりと背を向けた。
「まぁまぁ。私は忠告したわよ。あんた、自分で選んだ運命なんだから、最後まで責任取りなさい」
その言葉を最後に、彼女――いや、彼(?)の姿はふっと掻き消えた。
気がつけば、いつもの自室。時計塔の裏、狭くてボロくて煤けた床のきしむ部屋。窓の外には、まだ王宮の明かりが瞬いていた。
(……王子が、婚約を破棄する……?)
まさか、そんなこと――ないよな?
一条の光が差し込む薄暗い部屋に、あの声が響いた。背筋に冷たいものが走る。夢だ。案の定、俺の目の前には“女神様”が仁王立ちしていた。
「まあな」と、俺は肩をすくめて返した。
「処刑フラグは全部叩き潰した。あとは明日、あの王子がちゃんと婚約すれば完璧ってやつだ」
すると女神の顔が、ふっと曇った。
「……あんまり有頂天にならない方がいいわよ。運命ってのはね、調子に乗ってると足元すくってくるの」
「おいおい、縁起でもねぇ。俺の死亡フラグは消えたって前に言ってたじゃねえか」
「そう言ったけど……どうもおかしいのよね。あんたの死亡フラグ、まだ完全には消えてないのよ」
言葉の意味を理解するまでに、数秒かかった。
「……は? 嘘だろ、何が残ってんだよ。王子は明日、王女と結婚するんだぜ?」
女神は意味ありげに目を細めた。
「ほんとに? アーベル王子……本当に、明日、婚約破棄しないかしら?」
「いや、理由ねぇだろ、もう。マリーテレーズ王女も来てるし、破棄の理由なんか――」
「“他に好きな人がいる”とか?」
その一言で、胸の奥がひゅっと冷える。
「……誰だよ、それ」
思わず低く呟いた。
「あら、気になるの? ふふ、かわいい」
「別に気になってねぇって……! ……そういう余計な茶々入れてくんなよ」
女神は肩をすくめ、くるりと背を向けた。
「まぁまぁ。私は忠告したわよ。あんた、自分で選んだ運命なんだから、最後まで責任取りなさい」
その言葉を最後に、彼女――いや、彼(?)の姿はふっと掻き消えた。
気がつけば、いつもの自室。時計塔の裏、狭くてボロくて煤けた床のきしむ部屋。窓の外には、まだ王宮の明かりが瞬いていた。
(……王子が、婚約を破棄する……?)
まさか、そんなこと――ないよな?
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