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告白の行方
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「とおとい! とおとい!」
「ご安心ください。お嬢様は『妹を操れない姉などいない』と仰っています。聖女様の件も、近いうちに解決できるでしょう」
「……いや、ちょっと待て。婚約を続けるとなると、アーベルにはちゃんと話したのか?」
「それを今からご説明しようと思っておりました」
「いや、だから本人いないじゃねぇか」
「いらっしゃってますよ」
その瞬間、部屋の外から衛兵の声が響いた。
「アーベル王子がマリーテレーズ様をお尋ねです!」
案内を待つ間もなく、アーベルはすぐに部屋へと駆け込んできた。
「リュシアン! ここにいたんだね!」
俺を見つけるなり、まっすぐ駆け寄ってきて、強く抱きしめてくる。
「アーベル、どうして……?」
「君の家を訪ねたら誰もいなかった。何かあったんじゃないかと思って、あちこち探して……。無事で本当に良かった……!」
そう言って、もう一度抱きしめ直す。そしてようやく、マリーテレーズに向き直った。
「マリーテレーズ皇女、僕は――」
マリーテレーズはなぜか動きを止めていた。
その間にゼムクが素早く間に入り、スッと膝をつく。
「お嬢様は今まともにお話しできる状態ではありません。代わって私がお伝えいたします」
ゼムクは簡潔に、婚約続行の提案を王子に告げた。
アーベルは一瞬首を傾げたが、やがて、まっすぐに言った。
「――その提案は、受け入れられません」
空気が一瞬、張り詰める。
「それは……あまりにも不誠実だと思うからです。リュシアンにもですが、それ以上に、マリーテレーズ殿下に対して。彼女にだって、彼女を愛する人と結ばれる権利がある」
「……アーベル……」
「もし今、僕たちが婚約してしまえば、それは彼女の未来を閉ざすことになる。立場のことを思ってくれるのは感謝しているけれど、彼女にそこまでしてもらうのは違うと思うんです」
その瞬間。
「ぐっ……はあああああああっ!」
マリーテレーズが突然胸を押さえて崩れ落ちた。
「マリーテレーズ皇女!?」「おい!?」「ああっ、お嬢様!」
「今度はどうした!?」
「……とお……と…い……」
ゼムクが冷静に告げる。
「推しの摂取量が限界を超え、一時的な発作を起こされただけです。命には一切関わりませんので、隣室で静養させます」
「……そうかい」
「難病……なんですね……」
勘違いして神妙な面持ちになるアーベル。まあ、“難”を抱えた“病”という意味では間違っていないが。
すると、どこからともなく現れた騎士団の男たちが鮮やかな動きで部屋に入ってきた。
一斉にアーベルに跪いて礼をすると、そのままマリーテレーズを恭しく――だが慣れた手つきで――担ぎ上げる。
まるで神輿のように持ち上げられた皇女は、そのまま隣室へと運ばれていった。
(……あの扱いで……いいのか。まあ、いいんだな)
そして、部屋には俺とアーベルの二人だけが取り残された。
「ご安心ください。お嬢様は『妹を操れない姉などいない』と仰っています。聖女様の件も、近いうちに解決できるでしょう」
「……いや、ちょっと待て。婚約を続けるとなると、アーベルにはちゃんと話したのか?」
「それを今からご説明しようと思っておりました」
「いや、だから本人いないじゃねぇか」
「いらっしゃってますよ」
その瞬間、部屋の外から衛兵の声が響いた。
「アーベル王子がマリーテレーズ様をお尋ねです!」
案内を待つ間もなく、アーベルはすぐに部屋へと駆け込んできた。
「リュシアン! ここにいたんだね!」
俺を見つけるなり、まっすぐ駆け寄ってきて、強く抱きしめてくる。
「アーベル、どうして……?」
「君の家を訪ねたら誰もいなかった。何かあったんじゃないかと思って、あちこち探して……。無事で本当に良かった……!」
そう言って、もう一度抱きしめ直す。そしてようやく、マリーテレーズに向き直った。
「マリーテレーズ皇女、僕は――」
マリーテレーズはなぜか動きを止めていた。
その間にゼムクが素早く間に入り、スッと膝をつく。
「お嬢様は今まともにお話しできる状態ではありません。代わって私がお伝えいたします」
ゼムクは簡潔に、婚約続行の提案を王子に告げた。
アーベルは一瞬首を傾げたが、やがて、まっすぐに言った。
「――その提案は、受け入れられません」
空気が一瞬、張り詰める。
「それは……あまりにも不誠実だと思うからです。リュシアンにもですが、それ以上に、マリーテレーズ殿下に対して。彼女にだって、彼女を愛する人と結ばれる権利がある」
「……アーベル……」
「もし今、僕たちが婚約してしまえば、それは彼女の未来を閉ざすことになる。立場のことを思ってくれるのは感謝しているけれど、彼女にそこまでしてもらうのは違うと思うんです」
その瞬間。
「ぐっ……はあああああああっ!」
マリーテレーズが突然胸を押さえて崩れ落ちた。
「マリーテレーズ皇女!?」「おい!?」「ああっ、お嬢様!」
「今度はどうした!?」
「……とお……と…い……」
ゼムクが冷静に告げる。
「推しの摂取量が限界を超え、一時的な発作を起こされただけです。命には一切関わりませんので、隣室で静養させます」
「……そうかい」
「難病……なんですね……」
勘違いして神妙な面持ちになるアーベル。まあ、“難”を抱えた“病”という意味では間違っていないが。
すると、どこからともなく現れた騎士団の男たちが鮮やかな動きで部屋に入ってきた。
一斉にアーベルに跪いて礼をすると、そのままマリーテレーズを恭しく――だが慣れた手つきで――担ぎ上げる。
まるで神輿のように持ち上げられた皇女は、そのまま隣室へと運ばれていった。
(……あの扱いで……いいのか。まあ、いいんだな)
そして、部屋には俺とアーベルの二人だけが取り残された。
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