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告白の行方
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「お取り込み中のところ、失礼いたします」
いつの間にか背後に現れたゼムクの声に、俺は思わずアーベルを引き剥がした。
「……うかうかしていられませんよ」
「ああ、そうだったな……」
「お嬢様の“挟まれる女作戦”を発動するなら、新婚を理由にお二人をお嬢様の領地に匿うことも可能かと」
「……申し訳ないけれど、それは受け入れられないよ」
アーベルが即座に、はっきりと断った。その口調には、迷いがなかった。
「僕の気持ちだけじゃない。彼女にも、きっといつか本当に愛し合える人が現れるはずだ。それを、僕が塞ぎたくはない」
「……そもそも彼女と結婚できるのは3代以上続いた名門貴族の子弟のみで、相手はかなり限られていますが……まあ、いいでしょう」
ゼムクは軽く流すように言って、話を先に進める。
「それはともかく……今後はどうなさるおつもりで?」
「今後のことは、父と直接交渉するつもりだ。――だから、リュシアンを安全な場所に避難させないと」
「安全な場所?」
「僕の領地の端に、昔の狩猟小屋がある。今は使っていないけど、籠もるには十分だ。 決して快適じゃないけれど……必ず迎えに行くから、そこで待っていて」
まっすぐ差し伸べられた手に、思わず息が詰まる。
「……分かった」
その手を握り返すと、アーベルは微かに笑った。
馬車に乗り込むと、内装は予想以上に豪奢だった。 深紅の座席と磨かれた木の壁板、窓には厚手のカーテン。
「……目立つんじゃないか?」 「これ以上格下の馬車は用意できなかったんだ」 「まあしょうがねえか」
座席に腰を下ろすと、アーベルも向かいに座る。 天井は高く、武器を構えても余裕がある広さだ。
「広い方が、いざというとき戦いやすい。――俺の家を襲った刺客の武器、少し長かった。この車内じゃ振り回しにくいはずだ」
御者の鞭が鳴り、馬車が大きく揺れて動き出す。 目指すは王国の辺境にあるという狩猟小屋。
窓の外で街並みが後ろへと流れていく。 こうして、アーベルと俺の二人きりの逃避行が始まった。
いつの間にか背後に現れたゼムクの声に、俺は思わずアーベルを引き剥がした。
「……うかうかしていられませんよ」
「ああ、そうだったな……」
「お嬢様の“挟まれる女作戦”を発動するなら、新婚を理由にお二人をお嬢様の領地に匿うことも可能かと」
「……申し訳ないけれど、それは受け入れられないよ」
アーベルが即座に、はっきりと断った。その口調には、迷いがなかった。
「僕の気持ちだけじゃない。彼女にも、きっといつか本当に愛し合える人が現れるはずだ。それを、僕が塞ぎたくはない」
「……そもそも彼女と結婚できるのは3代以上続いた名門貴族の子弟のみで、相手はかなり限られていますが……まあ、いいでしょう」
ゼムクは軽く流すように言って、話を先に進める。
「それはともかく……今後はどうなさるおつもりで?」
「今後のことは、父と直接交渉するつもりだ。――だから、リュシアンを安全な場所に避難させないと」
「安全な場所?」
「僕の領地の端に、昔の狩猟小屋がある。今は使っていないけど、籠もるには十分だ。 決して快適じゃないけれど……必ず迎えに行くから、そこで待っていて」
まっすぐ差し伸べられた手に、思わず息が詰まる。
「……分かった」
その手を握り返すと、アーベルは微かに笑った。
馬車に乗り込むと、内装は予想以上に豪奢だった。 深紅の座席と磨かれた木の壁板、窓には厚手のカーテン。
「……目立つんじゃないか?」 「これ以上格下の馬車は用意できなかったんだ」 「まあしょうがねえか」
座席に腰を下ろすと、アーベルも向かいに座る。 天井は高く、武器を構えても余裕がある広さだ。
「広い方が、いざというとき戦いやすい。――俺の家を襲った刺客の武器、少し長かった。この車内じゃ振り回しにくいはずだ」
御者の鞭が鳴り、馬車が大きく揺れて動き出す。 目指すは王国の辺境にあるという狩猟小屋。
窓の外で街並みが後ろへと流れていく。 こうして、アーベルと俺の二人きりの逃避行が始まった。
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