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無慈悲な展開
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王国と帝国の間には緩衝地帯がある。王子の狩猟用の屋敷と接しているそこは、何百年もの間不可侵条約が結ばれている。両国その土地に野心がなかったわけではもちろんない。理由はその土地にぽっかり穴を開けたダンジョンとその主人のせいだ。
「全てを統べる者」と呼ばれるその魔術師は全ての元素の魔法を操る強大な魔力を有しており「魔王」とも呼ばれていた。
このゲーム「ジャルダン・デ・ローズ」通称「薔薇庭」ではダウンロードコンテンツとして用意されており、囚われたマリーテレーズを親密度を最も深めたパートナーと共に奪還するシナリオで、制作途中まで俺は関わっていた。
(確か魔王の名前までは俺の方で候補決めたんだよな……)
まー、要するに、結ばれた二人がイチャラブするためのダンジョンだ。
その後多忙を極めたこともあり、何に決まったか今はどうしても思い出せなかったが、
お互いの心のうちを確かめ合う、精神的なものばかりで物理的に傷つくものはなかったはずだ。
国王が退室すると、アーベルは項垂れたまま「はぁ」と深いため息をつく。
「大丈夫か?」
心配になって俺が声をかけると、彼は俺の顔を見たまま頷いた。
「うん……ただ……」
そこまで言うと言いにくそうに口をつぐみ目を伏せる。何か懸念がある様子だったので続きを促すと彼は口を開いた。
「こんな危険なことに……君を連れて行きたくないんだ。今回は辞退してほしい」
その言葉を聞いたとき、俺は思わず吹き出してしまった。
きょとんとした顔でこちらを見る彼に、慌てて手を振る。
「あ、ごめん。馬鹿にしたわけじゃない」
でも確かに彼は不安だろうと思う。国王直々の勅命とはいえ、困難な任務だ。
「心配すんな。俺はアーベルの味方だよ。一緒に頑張ろうな」
そう言って彼の肩を叩くと、彼は少し驚いたような顔をした後、小さく微笑んだ。その笑顔にはもう陰りは見えなかった。
「明日叔父上に相談してみようか」
「アルノルト伯に?」
「叔父上は一度あのダンジョンに入ったことがあるはずなんだ」
ダンジョンに入ったものが過去いたとは初耳だった。だが、アーベルの父である国王の弟、つまり叔父のアルノルト伯は冒険者として諸国を旅していた時期がある。あり得ない話ではなかった。
「まあでも、とりあえず相談してみる価値はあるんじゃないか」
俺がそう言うと、アーベルは素直に頷いた。
「全てを統べる者」と呼ばれるその魔術師は全ての元素の魔法を操る強大な魔力を有しており「魔王」とも呼ばれていた。
このゲーム「ジャルダン・デ・ローズ」通称「薔薇庭」ではダウンロードコンテンツとして用意されており、囚われたマリーテレーズを親密度を最も深めたパートナーと共に奪還するシナリオで、制作途中まで俺は関わっていた。
(確か魔王の名前までは俺の方で候補決めたんだよな……)
まー、要するに、結ばれた二人がイチャラブするためのダンジョンだ。
その後多忙を極めたこともあり、何に決まったか今はどうしても思い出せなかったが、
お互いの心のうちを確かめ合う、精神的なものばかりで物理的に傷つくものはなかったはずだ。
国王が退室すると、アーベルは項垂れたまま「はぁ」と深いため息をつく。
「大丈夫か?」
心配になって俺が声をかけると、彼は俺の顔を見たまま頷いた。
「うん……ただ……」
そこまで言うと言いにくそうに口をつぐみ目を伏せる。何か懸念がある様子だったので続きを促すと彼は口を開いた。
「こんな危険なことに……君を連れて行きたくないんだ。今回は辞退してほしい」
その言葉を聞いたとき、俺は思わず吹き出してしまった。
きょとんとした顔でこちらを見る彼に、慌てて手を振る。
「あ、ごめん。馬鹿にしたわけじゃない」
でも確かに彼は不安だろうと思う。国王直々の勅命とはいえ、困難な任務だ。
「心配すんな。俺はアーベルの味方だよ。一緒に頑張ろうな」
そう言って彼の肩を叩くと、彼は少し驚いたような顔をした後、小さく微笑んだ。その笑顔にはもう陰りは見えなかった。
「明日叔父上に相談してみようか」
「アルノルト伯に?」
「叔父上は一度あのダンジョンに入ったことがあるはずなんだ」
ダンジョンに入ったものが過去いたとは初耳だった。だが、アーベルの父である国王の弟、つまり叔父のアルノルト伯は冒険者として諸国を旅していた時期がある。あり得ない話ではなかった。
「まあでも、とりあえず相談してみる価値はあるんじゃないか」
俺がそう言うと、アーベルは素直に頷いた。
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