異世界親父騒動記

マサカド

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第二章 親父たち大陸横断する

親父たち、脱出と対策

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 親父たちは、盾のバリケードの中で周りの建造物がタウン・ゴーレムと鑑定結果がでたことに驚愕していた。
「なんだ。これは?」
「うむ、どうやらマカロニの町の建物は全てタウン・ゴーレムというモンスターらしい」
「しかも、ご丁寧の擬装まで施して上に、状態異常の能力もあります」
「マーヴィンファミリーとクリーフファミリーの興奮状態も、このモンスターによるものでござるな」
「あいつらはドーピングされっぱなしの競走馬になっているのか?道理で異常なバカ力だと思った」
 親父たちが、話し合いをしてる盾一枚挟んだ外ではマーヴィンファミリーとクリーフファミリーによる乱戦となっていた。
 ある者は常人では持つ事も出来ない巨大ハンマーを振り回し、またある者は馬車を両手で持ち上げ、ぶん投げていた。
「投石と火炎瓶が無くなったと思ったら、次はこれか?」
「うむ、異常なまでの力技でしか攻撃していないな」
「タウン・ゴーレムの状態異常能力は「狂化」なのか?」
「ちょっと、違うみたいでござるよ?」
「肯定であります。彼らは悪口を言って相手を罵っています。狂化ならあんな芸当はできません」
 親父たちの疑問をよそに、乱戦は続く。
「で、どうする?」
「うむ、とりあえずこの状況から脱出するのが先決だ」
「肯定であります。このままじゃ、盾が持ちません」
「でも、どうやって脱出する?この乱戦を掻い潜って、無事に脱出するのは不可能だ」
「方法なら、あるでござる」
「影。その方法はなんだ?」
「煙幕玉を投げまくって、混乱している隙に脱出するのでござる」
「「「煙幕玉なんて、あったか?」」」
「軍曹殿と共同で素材からコツコツ作ったでござる」
「肯定であります。実験済みなので効果は保証します」
「「「だ、大丈夫なのか?」」」
「大丈夫でござるよ。なぜ心配するのでござるか?」
「その通りであります。確かに使用時には煙から目と口を守る為のメガネとマスクが必要でありますが心配いりません」
 一抹の不安があるものの一刻を争う状態だったので、親父たちは急いでゴーグルを掛け、口を布で覆った。
「では、始めるでごぜるよ」
 影は煙幕玉に次々と火を着けて、周りにぶん投げた。
 効果はてきめん。周りは煙で覆われたと、同時に叫び声も上がった。
「目が痛い!」
「喉が焼ける!」
 のたうち回るマーヴィンファミリーとクリーフファミリーの面々。
 そんな惨劇をよそに親父たちは脱出に成功したのだった?

 町の外れまで逃げた村正は一息つく間もなく影に壁ドンをした。
「影。どうゆうことか、説明しろ」
「村正どの。なぜ怒っているのでござるか?」
「当たり前だ。こっちは皮膚がヒリヒリするのだからな」
「ブドウどのも、落ち着いてでござる」
 影は震える声でブドウを説得したが、聞く耳をもったなかった。
「「煙幕玉に何を仕込んだんだ!」」
「トウガラシに似た物を粉末にして入れたでござる」
「「何ぃーーー!」」
「軍曹殿も知っているでござる」
「「軍曹。何考えている」」
 村正とブドウは軍曹にツッコミをいれた。
「敵を足止めするのに有効な手段だと考えたからであります」
 村正とブドウは怒る気力を失くした。
 ちなみ教授が会話に参加しなかったのは、息切れを起こしていたからである。

 やがて教授の息切れも治まって、今後に対しての相談が始まった。
「うむ、では諸君これからの事態をどうするかね」
「どうすると言われても、モンスターまで絡んで来たとなると厄介だな」
「マーヴィンファミリーとクリーフファミリーは完全に敵でござる」
「肯定であります」
「しかし、なぜ我々はあのモンスターの影響を受けなかったんだ?」
「うむ、いい質問だブドウ。おそらくだが、我々はこの町にまだ来て日が浅いせいで影響を受けていないのだろう」
「じゃあ、あまり長くいると拙者たちも影響を受けてあんな風になるのか?」
「それって、まずいんじゃないでござるか?」
「肯定であります。しかし、逃げそうにも砂漠を踏破する手がないし、その準備もできていないであります」
「砂漠を迂回して進んだら、また違う方向に進んで時間と体力のロスに繋がる可能性大だ」
「うむ、皆の意見はわかった。私としてはタウン・ゴーレムを倒そうと思うがどうかな?」
「教授。本気か?」
「冗談でこんな事は言えないよ」
「理由を説明してほしいでござる」
「では、説明しよう。タウン・ゴーレムを倒して、その素材を使ってアレを作ろうと思うんだが、どうかね」
「アレか?」
「アレでござるか?」
「確かにアレが完成すれば砂漠を踏破できるかもしれないであります」
「本当にアレが作れるのか?」
「うむ、確証はないがやってみる価値は充分にある」
「しかし、どうやってタウン・ゴーレムを倒すでござるか?」
「教授、なにか作戦はあるのか?」
「鑑定してみたい所、タウン・ゴーレムは自分の身体を分離して、建築物に偽装してるようだから、それを命令している中心部分をたたけばいい」
「敵の本陣を直接たたくわけだ」
「うむ、そのとおりだよ村正。しかし、その前にいくつか準備する必要がある軍曹と影。爆弾もしくは爆発物を作れるか?」
「材料はあるから作れるでござるよ」
「肯定であります」
「ちょっと、まった」
 突然のブドウのちょっとまったコール。
「どうしたのかね。ブドウ?」
「教授。その作戦には致命的な穴がある」
「穴とは?」
「ゴーレムの中心部分がどこにあるかという事だ」
「それなら心配ない。町長か保安官の所だろう」
「その理由は?」
「西部劇の舞台に出てくるからだ」
「酒場が抜けているぞ」
「そんな不特定多数の人間が入る場所に大事な物を置くとはとても思えない。それは飲兵衛の考えでしかないぞ」
「また酔っ払いか?」
「酔っ払いでござる?」
「酔っ払いであります?」
 冷たい目がブドウの支持率を落としていた。
「だが、ブドウの言うことにも一理ある。念の為に鑑定を使って細かく注意した方がいい。爆弾ができるまでに、作戦を練っておこう」
「わかった」
「任せるでござる」
「問題ありません」
「……」
 教授のフォローにより、ブドウの支持率はある程度回復した。
 しかし、酔っ払いという自覚はあっても妙に納得できないブドウであった。
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