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#69 巻軸に見る世界は(意外なオチ)
しおりを挟む私は古書店で一本の巻軸を見つけた。表紙には「天地創造」という文字が書かれていた。
興味をそそられた私は巻軸を開いてみた。すると、中には色とりどりの絵が描かれていた。それはまるで世界の始まりを描いたような絵だった。太陽や月、星や地球、動物や植物、そして人間が次々と現れていた。
私は巻軸に見入ってしまった。
絵はとても美しく、細部まで丁寧に描かれていた。私は巻軸を手に取って、絵に触れてみた。すると、不思議なことが起こった。絵が動き出したのだ。太陽が昇り、月が沈み、星がきらめき、地球が回り、動物が鳴き、植物が揺れ、人間が笑った。
私は驚いて巻軸を閉じようとした。しかし、巻軸は閉じられなかった。
絵はどんどん動き続けていた。そして、絵の中の人間が私に気づいた。彼らは私を見て驚き、怒り、恐れた。彼らは私を神だと思ったのだろうか。彼らは私に祈り、嘆願し、崇拝し始めた。
私は困惑した。私は神ではない。私はただの人間だ。私は巻軸を開いただけだ。
しかし、巻軸は閉じられなかった。絵はどんどん動き続けていた。そして、絵の中の人間は私に従おうとした。彼らは私に贈り物をし、契約を求め、試練を与え始めた。
私は恐怖した。私は神ではない。私はただの人間だ。私は巻軸を開いただけだ。
しかし、巻軸は閉じられなかった。絵はどんどん動き続けていた。そして、絵の中の人間は私に反抗しようとした。彼らは私に罵り声を投げかけ、戦争を仕掛け、殺し合い始めた。
私は悲しみに暮れた。私は神ではない。私はただの人間だ。私は巻軸を開いただけだ。
しかし、巻軸は閉じられなかった。絵はどんどん動き続けていた。そして、絵の中の人間は自滅しようとした。彼らは自然を破壊し、病気に苦しみ、死にゆく。
私は涙を流した。
この現実の世界と同じだと思った。
祈っても願いを叶えてくれない神様の気持ちが理解できてしまった。
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