どうやら私はバッドエンドに辿りつくようです。

夏目

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第三章 嫌われた王子様と呪われた乞食

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 どうしてフィリップ兄様が王座に座っているんだ?
 父王様が、ご病気をされていて変わりにとか?
 けれど、ならばレオン兄様の方が適役のはずだ。なのに、フィリップ兄様?
 そもそも、国王陛下の言いつけで、と近衛が言っていたはずだ。
 ならば、ここにいるのは父王様のはずで。
 でも、目の前にいるのはフィリップ兄様その人だ。
 頭の中の整理が全然ついていない。机の引き出しを全部開けているみたいに、混乱していて、まとまる気配がしない。

「近付いて、というのが聞こえなかったのか? おれは、お前に顔を見せてと言っているのだけど」
「は、はい」

 おずおずと近寄ろうとするが、足が震えて前に進めない。内臓がせりあがってくるような、気持ち悪さがこみ上げる。

「……陛下」
「お前に、発言を許可したつもりはないけれど、フィガロ。お前はカルディアのおまけだよ。自分でもよく分かっているから、三十分も突っ立っていたのだろう?」
「俺が三十分、あの場に立っていたのは貴方がそう命じたからだ。この子のせいにつもりはない」
「おれのせいにはしているだろう」
「……そうだな。失言だった。俺は、俺の意思であの場に立っていた。責められるのは、だから俺であるべきで、この子に責任を擦り付けないでくれ。貴方に言われもない罪で責められて、怯えている」

 小さく、苦悶の声をこぼす。どうして、庇うようなことを言うのだろう。こいつが、聖職者だからか?
 だから、私に情けをかけている? か弱い存在だとでも思っているのか。

「か、かばわないで。フィリップ兄様、申し訳ございません。すぐ、そちらに向かいますので」
「……陛下。貴方から来てはどうだろう。俺は、震える女性を無理させて従わせる貴方を見たくない」
「おれは案外、そういうのは進んでやりたい人間だけどね。……まあ、ディアにやらせることでもないか。もう、近付かなくていいよ。顔は十二分に見れた。あまり、調子は良くなさそうだね。無駄に歩き回ったせいかな」

 後ろから、フィガロ・バルカスが私の腕を掴んで支えた。彼に触れられると、震えが少しだけ緩和された。強烈な羞恥心が、頭から爪先までを泥のような粘着性を持って流れ落ちていく。顔が熱くなりすぎて、涙が溢れた。
 ぎょっとフィガロが目を剥いたのが見えた。

「た、体調が本当に悪いのか? 熱がある? あぁ、額も熱い。頬も赤いし、風邪でもひいたのでは。陛下、大変だ。部屋で休ませないと」
「さ、触らないで」
「だが」
「触らないで。本当に」

 手を振り払って、すぐにとんでもないことをしたと後悔する。心配してくれただけなのに。
 フィガロはあきらかに瞳を揺らして、彼の方が泣きそうなぐらい傷付いていた。彼を拒絶してしまったということにまず傷付いて、心に爪を立てたのだと知って死にたくなった。
 清らかなものを払い除けた罪悪感に押し潰されそうになる。
 彼は唇を噛んで、仕方ないというように歪に笑ってみせた。

「すまない。俺などが心配するべきではなかったな。だが、お前が心配なんだ。これは偽りのない俺の気持ちだ。自分を大切にして欲しい。きついならきちんと言って欲しい」
「だ、大丈夫だもの!」
「本当に?」

 探るように見つめてくるフィガロの真摯さに、たじろぐ。
 何なんだ、この男! 
 さっきから、私に対して気安すぎる。もっと距離があるべきじゃないか。
 叔父様の愛人の子の癖に!
 これが、偏見だと自分でも分かっている。出自なんて、自分でどうこうできるものではないし、難癖をつけるのは間違っている。けれど、どうしてもこの男のことが気に食わない。心配されると反発してしまう。恥ずかしくて、消え入りたくなる。
 ――そうか、私。こいつのことが怖いのだ。
 卑しくて、軽薄であればよかったのに。呆れて、馬鹿だと貶せるような男であれば。けれど、彼は清廉で、無垢そうで、人のことを思いやれる心根の綺麗な男なのだ。
 こんな男と比べられたら、私なんてどうしようもない。愛人の子でもここまで違うのかと、呆れられてしまう。
 自尊心が削れるのが嫌だと汚いことを考える。他人に嫉妬している自分が情けない。

「…………これ、おれは見ていて全然楽しくないのだけど。痴話喧嘩している夫婦みたいでつまらない。フィガロは呼ぶべきじゃなかったかな」
「そ、そうです! どうしてフィガロ・バルカス公爵と一緒に?」

 自分の子どもらしさを隠そうとするみたいに、フィリップ兄様を詰る。けれど、自分の声はまるで甘えた子供が行う癇癪のようだった。

「どうしてって。クロードは支配欲が強くて、ディアも辟易していただろう、違った? お前もたまには兄妹で話したいだろうと思ったんだけど。……なんだ、お前達、喧嘩でもしているのか? 兄妹喧嘩は本当に、本当に良くない。早く互いに謝った方がいい」
「は?」
「何だ、ディア。お前まで生意気になったのか。おれは誰にも敬われない王なのか?」
「ち、違います。ただ、フィリップ兄様は何を言っていらっしゃるの。兄妹だなんて」

 ――それに、王?

 フィリップ兄様が、王なのか?
 ならば、父王様はどこにいるのだろう。

「まるで、バルカス公爵と私が兄妹であるかのように言うのはどうしてですか」

 場が凍り付いたように音が消えた。フィリップ兄様も、フィガロも私を凝視している。
 私は二人をそれぞれ見つめ返して、へにゃりと道化のように口の端を歪めた。

「どうしてしまわれたの。おかしなことを言いましたか?」

 二人は言葉以外の言語で話し合いをするかのように互いを見合うと、ゆっくりと私へ視線を投げる。

「本当にそう言っている?」
「……はい?」
「ふ、ふふっ、あはははははは」

 突然笑い始めたフィリップ兄様にぎょっとしてしまう。目尻に涙をためて、ひとしきり笑っった彼は、すっと温度が消えたような真顔になった。

「からかっているならばやめなさい、カルディア。バルカス公爵にも失礼だろう」
「陛下」
「それとも本当に忘れてしまったのか。『聖塔』は本当に恐ろしいところだな。人の記憶は簡単に消えるものなのか。あそこにサガルをぶち込んでおいて正解だったね」
「陛下! お言葉が過ぎる。この子にとって、サガル王子は兄です」
「そうだね。でもお前とは違うだろう。なにせあの子は異母兄妹だからね。本物の兄妹とは言い難い。あの子の立場を奪ったお前がそのことは一番分かっていると思っていたけれど」
「……っ」

 唇を噛んで、フィガロが口を閉じる。
 さっき、フィリップ兄様がサガルに対して、かなり辛辣な言葉を口にしなかっただろうか?
 それに、サガルの立場を奪ったと言っていた。それはバルカス公爵の地位をこのフィガロが奪ったということだよな? けれど、何だか腑に落ちない違和感があった。

「フィリップ兄様」

 困って見上げると、フィリップ兄様はくすくすと肩を震わせて笑った。

「なるほど、あくまでからかってはいないというつもりなんだね。よろしい。こういう余興も悪くはないだろうからね。……でも、そうだなあ。どういったらいいかな。前はおれではなく宰相が説明したような気がするけれど」
「――俺が伝えます」
「そう? ならば任せよう。バルカス公爵。君が何者なのか、ディアに教えてあげて」

 横を向いて、フィガロが私を見つめてきた。神聖さを感じさせる無垢な瞳が私を映している。

「俺はお前の兄だ」
「……は?」
「といっても、父親は違うが」
「な、なにを言っているの」

 馬鹿なこと言っている。気が狂ったのか?
 後退る。だって、ありえない。この男は、叔父様と娼婦の間に出来た子供のはずだ。

「私とお前が兄妹? そんなはずがないわ。だって、そうだとしたら、お前は私の母の子ということになる」
「そうだ。俺とお前は母親が同じだ」

 頭のなかに影が出来たような感覚がした。くらりと体が傾く。フィガロが咄嗟に手を伸ばしてきた。それを振り払う。今度は明確な敵意を持って。
 母親が同じ? 訳がわからない。私の母親は娼婦じゃない。愛人で、淫らな女と言われていたけれど、貴族の令嬢だった。どこの誰だか分からない女じゃない。

「馬鹿なこと言わないで。お前は娼婦の子供だと聞いたわ」
「それは……そういうことになっているだけだ」
「そういうことになっている? おかしなことを言うのね。まるで誰かがそうさせたとでも言いたいよう」
「そうだ。……お前の父親がそう望んだのだからな」

 私の父親?
 つまり、父王様が望んだと?
 馬鹿馬鹿しい。ただの妄言だ。こいつは、頭がおかしいのだ。

「俺の父親はバルカス公爵。いや、もう元だな。元バルカス公爵だ。お前にとっては伯父にあたり、俺にとっては父親にあたる。母にとってーー俺達の母にとっては兄だな」
「なにを」
「俺は近親相姦によって産まれた子供だ」
「なにを言っているのよ……!」

 耳をふさいでしまいたい。フィガロのいうことを聞きたくない。この男の言葉を理解したくない。
 異父兄妹だと言っているのだ。しかも、母が父王様の以外の男――実の兄と子供を作っていたのだと。

「そんな話聞いたこともない。だいたい、伯父様がどうして妹である母に手を出すのよ」
「それはわからない。二人の間に兄妹以上の情があったのかも、俺が知るところではない。ただ、二人の間に性行為があり、俺が産まれたのは事実だ」
「や、やめて」

 首を振る。生々ししくて、聞いていられない。頭ががんがん痛む。誰か夢だと言って欲しい。

「嘘だわ。お前、嘘をついているのでしょう。伯父様に見た目が近いから、愛人の子だと偽って近付いたの。昔、聞いたことがあるわ。幼い頃に死んだ王子だと偽って王宮に訪ねてきたものがいると。容姿がそっくりだったその偽物を、貴族が担いで王にしようとしたことがある。お前もそういういんちきな紛い物の類でしょう?」
「……信じられない?」
「信じられるはずがないわ。純粋な姫ならば信じたでしょうけれど、私は少しばかり捻くれているの。こんなことが起こり得ない、あり得ないことだと知っているの」
「ありえない? どうして?」

 問いただす声は優しくて、子供を相手にしているようだった。
 かっとなって眉を吊り上げる。馬鹿にされていると衝動的に思った。

「どう信じろというのよ。お前のその額にある聖痕が伯父様と母の間に出来た子である証明だとでも?」
「そうではないな」
「ほら!」

 嫌な女になっている。喜色満面で目の前の男を嬲っている。弱点をつくように論って、自分の正しさを証明しようとしている。
 誰に? きっと自分自身だ。そうじゃないと自分の形が保てない。こいつを否定しなければいけないと、私自身が感じている。

「だが、俺が殺されなかった理由ではある」
「……どういう意味よ」
「話を聞いてくれるのか」

 嬉しいと微笑まれる。優しくされると、自分が惨めになって仕方がなかった。顔を背けて、続きを促す。

「カルディア、お前は、お前の父親がどうやって母を愛人にしたか知っているか?」
「そんなの、知らない。知りたくない。……あの女――王妃との間に子供を作る条件だったと、聞いたことはあるけれど」

 でも、私は母に直接聞いたことはない。父王様には聞けるとうな立場になかった。私が母の話をきいたのは侍女達の噂話がほとんどだった。

「その話は間違いじゃないよ」

 フィリップ兄様が白けた顔をしてそう口を挟んだ。手に頬をのせて、だるそうに口を開く。

「事実、その約束はあった。――とはいえ、あの女に果たそうとする意思はなかったらしいけれどね」

 あの女。きっと私の母のことだ。貧民に対するような冷たい吐き捨てるような声だった。

「そのままそう思っていてくれればよかったのにね。愛人だなんて、めんどくさいことに決まっているだろ。色恋は人の頭を馬鹿にする」
「陛下」
「言い難いだろうからかわりに言ってあげただけだよ。――はいはい、黙るよ」

 ふてくされたように、王座によりかかって、フィリップ兄様がそっぽをむいた。子供っぽい仕草だ。マイク兄様やレオン兄様と一緒にいるときとも違う、独特の甘え方だった。

「母は、子供をつくるというという結果さえあればいいと思っていたのだろう。だからこそ、本当に愛人になる気はなかったようだ。婚約者をつくり、結婚しようとしていた。彼女の心には、ザルゴ公爵がいたしな」

 こいつが母というたび心がざらついた。不快感を抱きながら、相槌を打つ。

「ザルゴ公爵」
「あぁ、母が最期まで愛した公爵閣下。……けれど、婚約者は次々と死んだ。そのせいか呪われたという噂も出て、婚約者候補は誰もいなくなった。では修道女にと望んだが向かった教会はお前の父がいたらしい。そのときの会話を、元バルカス公爵は詳しく聞けなかったという。ただ、母は泣きながら、もう決して聖職者にはなれないと言った」

 母が泣いていた。聖職者にはなれないと言っていた。
 言葉は入ってくるのに、ふわふわとした像しか頭の中には浮かばない。母の泣いた姿を見たことがない。だからなのだろうか、それがどんな風なのか思い描けない。
 知っているのは、歩いたり、紅茶を口にする姿。食事やおしゃべりに興じる姿。そして、――死んだときの姿。

「そのあと、二人の間には子供が出来た。陛下はそれを見逃さずに、母を脅した」
「お、脅した? でも、近親相姦は、清族じゃ珍しくないことよ。貴族だって、王族だって、叔父と姪でよく結婚しているし。親子で結婚した例だってある。血が近い身内の結婚なんて、珍しくない。近親相姦はたしかにあまり外聞がよくないけれど、脅しの材料になるほどとは思えない」
「バルカス公爵に、当時婚約者がいなければ、その論は通ったのだろう」

 婚約者!?
 いたのか、伯父様に?
 てっきり、ずっとそういう話はないまま一人で生きることを決意したのだとばかり思っていた。

「いた。その騒動があって立ち消えてしまったらしいが。――バルカス公爵家の嫡男だ。子孫を残すという使命は当たり前のように課せられていた。だから、脅しの材料にはなったんだ」
「そもそも、バルカス公爵家は貴族の中でも特に血が濃いからね。近親相姦を繰り返し過ぎてる。三代前は普通に親子で結婚しちゃったし、二代前は醜聞を気にして妹を養子に出して外聞を整えた後、兄妹で結婚したはずだよ。清族なんかより血が濃ゆいって揶揄されるぐらいだし。――知らなかった?」
「……知りませんでした」

 だって、あの公爵家は、藤の花が綺麗な幽玄な屋敷という印象しかない。バルカス公爵は、――元バルカス公爵は、幸が薄そうな微笑みを浮かべて私を呼んだ。カルディア。声にはぬくもりがあって、声に合わせて、花が揺れる。
 どんな家なのか。バルカス公爵家がどんな家なのか。侍女達は噂していなかった。騎士のなかの騎士であるヨハンがいることと、平民である彼が領地を貰ったことは盛んに話していたけれど。
 ふと、離宮のことを思い出した。藤の花が植えられたあの美しい建物を。

「兄と交わっておきながら、兄の心配をして愛人の話を受け入れるなんて、場当たり的な判断で、無責任だ。あの女自身の軽率な行動が引き起こした事態だろ。自死でもして責任をとれば、誰も悲しまずに済んだのにね」
「……。俺は、陛下のことが好きだ。けれど、そのような愚劣な物言いには嫌悪感しか抱かない。どうか、言い方を改めて欲しい。それに、この子の目の前で母親のことを罵らないでくれ」
「お前の母親でもあるのに、ディアの前だけでいいの?」
「……そうだな。俺の前でも慎んでほしい。とても、不愉快だった」
「本当に、バルカス公爵は生意気だなあ」

 にやにやとフィリップ兄様は笑っていた。気分を害した様子はなかった。むしろ、フィガロが反応するのが面白いというに機嫌が良さそうに見える。
 フィリップ兄様とフィガロの関係性が分からない。兄様はそれなりにフィガロを気に入っているようだが、どうして気に入っているのかが分からない。
 こほんと、フィガロが咳ばらいをこぼす。

「話が逸れた。そんなこともあり、産まれてきた子供は、殺される予定だった。お前の父親の強い希望でもあったらしい。愛人になると偽ったこと、兄と交わったこと、それは全て俺が死ねば水に流す、とまで言ったそうだ」
「――でも、産まれてきた子供には、聖痕があった」
「そうだ。この傷は、俺の命を守った。聖痕を持った子を殺すことに誰もが抵抗を抱いていたからだ。俺は、イーストン領にある教会に預けられ、そこで過ごした」

 子供を殺せといった父王様の仄暗い執着にぞっとした。妻の姉を求めるというのはどんな気持ちだったのだろう。
 段々と、彼が本当に母と叔父の間に産まれた子だと認識し始めている。愛人の子ではない。そう思うときゅっと胸が締め付けられるように痛んだ。
 けれど、それでも首を振って違うとまだ否定している自分がいた。そんなはずはないのだと、受け入れられない自分が。

「バルカス公爵が呼び戻さなきゃ、今でもイーストンにいただろうね。ディアも、そろそろ思い出してきた? 感動の兄妹の再会を、おれが後押ししただろう。忘れてしまった?」
「ま、待ってください」

 バルカス公爵が呼び戻した? そしてフィリップ兄様が後押しした?
 けれど、父王様は殺そうとしていたのではなかったのか。聖痕があったから生かしておいたけれど、殺したいと殺意を向けた子供にバルカス公爵の跡を継ぐことを許すのか?

「父王様は、父王様はどうお考えなのですか。バルカス公爵がこいつでいいと?」

 言葉を出したことを後悔した。フィリップ兄様は、ぎらついた狂気的な瞳を光らせて私を見たからだ。

「父王様? あぁ、 グランディオスのこと? あの人なら死んだよ。なんだ、ディア、それも忘れてしまっている設定なのか?」

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