261 / 320
第三章 嫌われた王子様と呪われた乞食
247
しおりを挟む
「俺の名前を忘れたと?」
「お、お前、抱えようとして持ち上がらなかったのをなかったことにしようとしている……?」
「そういえば俺は人形より重たいものを持ったことがない」
どんな言い訳だ?
羽根のように軽いとは言わないが、クロードの体は持ち上げられないほど重いものではないはずだ。そんな重さだったら私の方が先に圧死しているはずだろう。思ったよりも重くて、持ち上げるのを諦めたのか?
「忘れたというか、本当に知らないのよ。お前のことを、私は知らない」
「なるほど。そういう遊びか。宮廷では流行っているのかもしれないが……。人形師とだけ呼べばいいだろう。カリオストロもそうしていた」
「名前がないの」
私の言葉を無視して、男が髪にーー花に触れようとした。
ぱんと弾けるような音がしたあと、強烈な血臭がした。イルが懐から小型の銃を取り出していた。ゆらゆらと揺れる銃口から煙があがっている。
遅れて、頭の上に血が噴き出した。というか、男の体自体が血を溜め込んだ果実のように弾けた。どろりと中から血飛沫が飛び出し……私にかかる前に動きをとめた。時間を逆回転させたように血が男のいた場所に集まっていく。球体状の血溜まりになったそれは、ゆるゆると人の形をとり始めた。
数十秒もすると、元の人形師の男が現れた。
――こいつも、人間じゃない。
元通りになった男の白衣の汚れは一切なかった。男はゆっくりと頬に指をやり、思案するようにイルを眺めた。
「貧民のかでも短気で粗雑な生き物らしい。吸血鬼である俺に銃弾は効かないと知らないのか?」
「……吸血鬼?」
その言葉は、怪奇小説や伝承にしかないものだ。
曰く、吸血鬼は人の血を啜り、血肉とする。影がなく、うなじや唇から血を吸うための牙を持つ。神を怨み、呪詛を吐き、暗闇に溶け込むもの。
悍ましい、女神へ逆らうもの。禁忌のけだもの。悪徳に沈む澱み。
忌み嫌われる、恐ろしい生き物。
「化物が……」
「ふぅん、生意気な口だな。だが、お前の試みは分かる。煽っているな? カルディアに意識が向かないように。忠誠心は並の騎士よりもある。アハトのように清廉で、ルコルスが好きそうな奴だ」
そういうと、男は唇を吊り上げた。
「カルディア、名前をと言ったな。いい従者を得たお前に免じて教えてやる。オクタヴィスだ」
「オクタヴィス……?」
「オクタヴィス・フォン・ロゼダイン。まあ、名前など些事だ」
一瞬、くらりとした。
オクタヴィス・フォン・ロゼダイン。
国王陛下のお気に入り。人形師のオクタヴィス。
カロン、コロン、カロン。歩くときに不思議な音を立てて、新作の童話を人形劇で見せてくれた。カリオストロに殺された清族。
どうして同じ名前なんだ? こいつと、オクタヴィスの名前が同姓同名なのは、偶然なのか?
「人形を与える理由? そんなもの、俺が人形師であるからでしかあり得んだろう。仕事だ」
「お、お前は、清族なの?」
「まさか。研究所の所長は清族がなるものという慣例があり、家名を変えられただけだ。元々は貴族であり、吸血鬼の最後の生き残りだ。――まあ、今更種族を誇ったところでどうしようもないが。貴族名鑑にも載っていないような忌み名だから」
「……? どう言う意味?」
「山犬や山羊、狼や蛇、人喰い屋敷に、狐に猪、剣に魚、鳥に木。鼠や猫。百の官達、百の地。豪華絢爛な貴族達。地の名を家名とするのが貴族だ。だが、俺の家の土地はもはや生物の死に絶えた死海だからな」
「やはり、分からないわ」
かろうじて分かるのは、目の前の人形師があまり自分の家名に頓着していなかったと言うことだろうか。死海というのも何が何だか分からないし、死海だから忌み名になるという関連も分からない。……いや、そもそもこの男が分かるように話していないのだ。だから、分からない。
「血や魔力を集める理由も、俺が吸血鬼であるから以外に理由が必要なのか」
「しょ、食糧ということ?」
「有体に言えばそうだ。研究してよし、眺めてよし、そして何より食べてよし。利にかなっている」
「何の研究をしているの。血と魔力と人形で、何が出来るの」
すっと紫色の瞳から温度が消える。
凪いだ水面のように、濁りのない瞳が射抜くように私を見つめた。
「女神リナリナが与える恩恵とは何だ」
「な、何、いきなり」
女神が与える恩恵? 女神リナリナが、というがカルディアの間違いではないのか?
……いや、きっと違う。何百年も前、女神の名前は沢山あったのだと聞いたことがある。この男がいう女神はリナリナという名前だったのだ。
「女神は子孫繁栄を司る恋女神でもあるだろう。男神と女神。女と男。ようは繁殖の神だ。男の次に女が産まれるだろう。女の次に男。男の次に女。まるで番のようだとは思わないか?」
はあ?
何の、話を。話を、しているの。
確かに、ライドル王国では兄が産まれ、次に妹が産まれることが多い。私にもサガル兄様がいるし、リストにも姉がいる。清族は最もたる例で、彼らは近親相姦を繰り返す。兄妹で、だ。ギスランの母親はダンの妹で、彼女はダンと子供をつくるはずだった。
……それが女神が与えた恩恵だと?
「増えよ、孕め。栄えよ、と人は子供を成したが、そのたびに生物として短命になっていく。清族は血の濃ゆさこそ、力と比例すると信じ、近親相姦を繰り返した。貴族も同じだ。だが、悪化していくばかり。そのうち、カリオストロみたいな規格外の奴らまで産まれ始めた。俺は思ったよ。産まれるという行為自体が劣化の原因ではないか、とな」
「……え、っと」
「ならば、崩れる体を捨てて、人形に移してしまえばいい」
それは、つまり体を乗り換えて、生き続けようということか?
だが、そんなことができるのか? できるとして、そんなもの、化物じゃないか。
人間なんて、呼べるのか。
この男はーー人形師のオクタヴィスは、死から逃れる方法を研究していた?
正直、反感と心惹かれる自分が半々だ。化物だと思う自分と、そうはいっても生きられるならばと思う自分がいる。だって、死ぬことから遠ざかることが出来るのだ。ギスランがもっと生きられるかも、しれない。
ーーあぁ、でもこの世界ではギスランはもう死んでいる。
「蘇ったというのは予想外のことだがな。まったく、俺の知らないところで面白い現象をしてくれるものだ。ここが、仮に現実なのだとしたら、面白い。実験のし甲斐があるというもの」
楽しげな声なのに、私に注がれる視線は無機質なままだった。観察されているようだと思った。
「さて、あらかた質問には答えたな。ではこちらから質問しても?」
「お前が私に質問したいことがあるの?」
「ああ。カルディア」
カルディアと呼びかける声は、酷く甘かった。
「お前の体は、男を受け入れたことがあるか?」
「お、お前、抱えようとして持ち上がらなかったのをなかったことにしようとしている……?」
「そういえば俺は人形より重たいものを持ったことがない」
どんな言い訳だ?
羽根のように軽いとは言わないが、クロードの体は持ち上げられないほど重いものではないはずだ。そんな重さだったら私の方が先に圧死しているはずだろう。思ったよりも重くて、持ち上げるのを諦めたのか?
「忘れたというか、本当に知らないのよ。お前のことを、私は知らない」
「なるほど。そういう遊びか。宮廷では流行っているのかもしれないが……。人形師とだけ呼べばいいだろう。カリオストロもそうしていた」
「名前がないの」
私の言葉を無視して、男が髪にーー花に触れようとした。
ぱんと弾けるような音がしたあと、強烈な血臭がした。イルが懐から小型の銃を取り出していた。ゆらゆらと揺れる銃口から煙があがっている。
遅れて、頭の上に血が噴き出した。というか、男の体自体が血を溜め込んだ果実のように弾けた。どろりと中から血飛沫が飛び出し……私にかかる前に動きをとめた。時間を逆回転させたように血が男のいた場所に集まっていく。球体状の血溜まりになったそれは、ゆるゆると人の形をとり始めた。
数十秒もすると、元の人形師の男が現れた。
――こいつも、人間じゃない。
元通りになった男の白衣の汚れは一切なかった。男はゆっくりと頬に指をやり、思案するようにイルを眺めた。
「貧民のかでも短気で粗雑な生き物らしい。吸血鬼である俺に銃弾は効かないと知らないのか?」
「……吸血鬼?」
その言葉は、怪奇小説や伝承にしかないものだ。
曰く、吸血鬼は人の血を啜り、血肉とする。影がなく、うなじや唇から血を吸うための牙を持つ。神を怨み、呪詛を吐き、暗闇に溶け込むもの。
悍ましい、女神へ逆らうもの。禁忌のけだもの。悪徳に沈む澱み。
忌み嫌われる、恐ろしい生き物。
「化物が……」
「ふぅん、生意気な口だな。だが、お前の試みは分かる。煽っているな? カルディアに意識が向かないように。忠誠心は並の騎士よりもある。アハトのように清廉で、ルコルスが好きそうな奴だ」
そういうと、男は唇を吊り上げた。
「カルディア、名前をと言ったな。いい従者を得たお前に免じて教えてやる。オクタヴィスだ」
「オクタヴィス……?」
「オクタヴィス・フォン・ロゼダイン。まあ、名前など些事だ」
一瞬、くらりとした。
オクタヴィス・フォン・ロゼダイン。
国王陛下のお気に入り。人形師のオクタヴィス。
カロン、コロン、カロン。歩くときに不思議な音を立てて、新作の童話を人形劇で見せてくれた。カリオストロに殺された清族。
どうして同じ名前なんだ? こいつと、オクタヴィスの名前が同姓同名なのは、偶然なのか?
「人形を与える理由? そんなもの、俺が人形師であるからでしかあり得んだろう。仕事だ」
「お、お前は、清族なの?」
「まさか。研究所の所長は清族がなるものという慣例があり、家名を変えられただけだ。元々は貴族であり、吸血鬼の最後の生き残りだ。――まあ、今更種族を誇ったところでどうしようもないが。貴族名鑑にも載っていないような忌み名だから」
「……? どう言う意味?」
「山犬や山羊、狼や蛇、人喰い屋敷に、狐に猪、剣に魚、鳥に木。鼠や猫。百の官達、百の地。豪華絢爛な貴族達。地の名を家名とするのが貴族だ。だが、俺の家の土地はもはや生物の死に絶えた死海だからな」
「やはり、分からないわ」
かろうじて分かるのは、目の前の人形師があまり自分の家名に頓着していなかったと言うことだろうか。死海というのも何が何だか分からないし、死海だから忌み名になるという関連も分からない。……いや、そもそもこの男が分かるように話していないのだ。だから、分からない。
「血や魔力を集める理由も、俺が吸血鬼であるから以外に理由が必要なのか」
「しょ、食糧ということ?」
「有体に言えばそうだ。研究してよし、眺めてよし、そして何より食べてよし。利にかなっている」
「何の研究をしているの。血と魔力と人形で、何が出来るの」
すっと紫色の瞳から温度が消える。
凪いだ水面のように、濁りのない瞳が射抜くように私を見つめた。
「女神リナリナが与える恩恵とは何だ」
「な、何、いきなり」
女神が与える恩恵? 女神リナリナが、というがカルディアの間違いではないのか?
……いや、きっと違う。何百年も前、女神の名前は沢山あったのだと聞いたことがある。この男がいう女神はリナリナという名前だったのだ。
「女神は子孫繁栄を司る恋女神でもあるだろう。男神と女神。女と男。ようは繁殖の神だ。男の次に女が産まれるだろう。女の次に男。男の次に女。まるで番のようだとは思わないか?」
はあ?
何の、話を。話を、しているの。
確かに、ライドル王国では兄が産まれ、次に妹が産まれることが多い。私にもサガル兄様がいるし、リストにも姉がいる。清族は最もたる例で、彼らは近親相姦を繰り返す。兄妹で、だ。ギスランの母親はダンの妹で、彼女はダンと子供をつくるはずだった。
……それが女神が与えた恩恵だと?
「増えよ、孕め。栄えよ、と人は子供を成したが、そのたびに生物として短命になっていく。清族は血の濃ゆさこそ、力と比例すると信じ、近親相姦を繰り返した。貴族も同じだ。だが、悪化していくばかり。そのうち、カリオストロみたいな規格外の奴らまで産まれ始めた。俺は思ったよ。産まれるという行為自体が劣化の原因ではないか、とな」
「……え、っと」
「ならば、崩れる体を捨てて、人形に移してしまえばいい」
それは、つまり体を乗り換えて、生き続けようということか?
だが、そんなことができるのか? できるとして、そんなもの、化物じゃないか。
人間なんて、呼べるのか。
この男はーー人形師のオクタヴィスは、死から逃れる方法を研究していた?
正直、反感と心惹かれる自分が半々だ。化物だと思う自分と、そうはいっても生きられるならばと思う自分がいる。だって、死ぬことから遠ざかることが出来るのだ。ギスランがもっと生きられるかも、しれない。
ーーあぁ、でもこの世界ではギスランはもう死んでいる。
「蘇ったというのは予想外のことだがな。まったく、俺の知らないところで面白い現象をしてくれるものだ。ここが、仮に現実なのだとしたら、面白い。実験のし甲斐があるというもの」
楽しげな声なのに、私に注がれる視線は無機質なままだった。観察されているようだと思った。
「さて、あらかた質問には答えたな。ではこちらから質問しても?」
「お前が私に質問したいことがあるの?」
「ああ。カルディア」
カルディアと呼びかける声は、酷く甘かった。
「お前の体は、男を受け入れたことがあるか?」
0
あなたにおすすめの小説
家出を決行した結果
棗
恋愛
フィービーの婚約者ミゲルには大切な幼馴染がいる。病弱な幼馴染をいつも優先するミゲルや母が亡くなって以降溝が出来てしまった父と兄との関係にフィービーは疲れていた。
デートの約束をしてもいつも直前になって幼馴染を理由にキャンセルされ、幼馴染にしか感情を見せないミゲルを、フィービーを見ようとしない父や兄を捨てる決心をしたフィービーは侍女や執事の手を借りて家出を決行した。
自分を誰も知らない遠い場所へ行ったフィービーは、新しい人生の幕開けに期待に胸を躍らせた。
※なろうさんにも公開しています。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
逃した番は他国に嫁ぐ
基本二度寝
恋愛
「番が現れたら、婚約を解消してほしい」
婚約者との茶会。
和やかな会話が落ち着いた所で、改まって座を正した王太子ヴェロージオは婚約者の公爵令嬢グリシアにそう願った。
獣人の血が交じるこの国で、番というものの存在の大きさは誰しも理解している。
だから、グリシアも頷いた。
「はい。わかりました。お互いどちらかが番と出会えたら円満に婚約解消をしましょう!」
グリシアに答えに満足したはずなのだが、ヴェロージオの心に沸き上がる感情。
こちらの希望を受け入れられたはずのに…、何故か、もやっとした気持ちになった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる