思い出のチョコレートエッグ

ライヒェル

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ゼロ地点

エスプレッソ・バー

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アパートが無事に決まったのは、短期滞在アパートの滞在期限の1ヶ月が過ぎる4日前のことだった。
イヴァンの紹介で、市内数カ所のアパートを見て回ったが、優柔不断の私がどこにするか決めるのは想像以上に時間がかかってしまった。
でも、これからおよそ1年を過ごす場所になるわけだから、絶対妥協したくなかったので、ギリギリまで迷ったのも仕方が無いと思う。
私の拠点になる街は、Prenzlauer Bergというエリアだ。
プレンツラウアーベルクはミッテ地区にほど近く、モダンな高層ビルと戦前の町並みが共存している面白いエリアだ。カフェやオシャレなショップは勿論、ビンテージ家具店など充実しているし、ファミリー層が高いという健康的な地区でありつつ、個性的な学生やアーティスト達が集うスポットも数多い。それに、アパートから徒歩10分のMauer Parkでは、恐らくベルリン市でも最大規模ではないかと思われる蚤の市が毎週日曜日に開かれる。
しかし、立地的にはほぼ完璧と思えるこの物件で、私が心を決めるまでに1週間もかかった理由がひとつあった。

「……ふぅ」
階段の手すりによりかかり荒くなった息を整えつつ、ポケットから鍵を取り出した。
やっと着いた。なんだか少し、脚が筋肉痛のような気がする。
3回深呼吸をして、鍵穴に鍵を差し込んで2回、右へ回すとカチャ、と解錠の音がした。
キィーという音をたてながらドアを押し、アパートの中に入る。玄関に入ってすぐ右がキッチン。
買い出しの袋をキッチンの窓側にある小さいテーブルに置き、ガラスの扉を少し開けて外を見た。今はまだ枝ばかりの木々と青い空。

そう、問題はたったひとつ。ここが5階(日本の6階)ということだ。古い建物の多くはエレベーターがないため、この物件もエレベーターがついていなかった。
後からエレベーターを設置された物件は割高になっているので、賃貸の価格的にもこちらのほうがお得である。
私はこの階段を一日に何度も往復するだけの体力に自信が持てず、そのことで1週間も悩んでた訳である。
最初にこの物件を見に来た時、イヴァンが連れて来てくれたのだが、エレベーターなしの5階と聞いてひるんだ私に彼は冷ややかな目を向けてこう言ったのだ。
「え?階段を気にしているって?カノン、君にはちょうどいい運動になっていいんじゃないか?」
階段の段数なんて考えるにも値しない、というそぶりの彼は、案の定、スピードも変える事無くあっと言う間にどんどん登っていき、後方から随分遅れてあがって来た私を見下ろして失笑した。
それには正直腹が立ったが、息切れもしていたし、みっともない様子を見せた恥ずかしさで何も言えなかったけれど……
見学後に階段を下りながら段数を数えてみたら、合計で102段だった!!!
1往復したら204段!
「ベルリンは階段が多いんだ。これくらいで息が切れてどうする」
ご親切にもそういうアドバイス?説教?までいただいたが、どんなにアパートの中が素敵でも、この階段がひっかかって即決には至らなかった。
他にも数件回った後、最上階というのはこのプレンツラウアーベルクの物件だけで、同時に、立地条件もアパートの内装も大満足というのもこの物件だった。
相変わらず悩み続ける私に決断させたのは、やっぱりマリアの一言だった。
「最上階だと、泥棒も滅多に上がってこないから、安全さを優先するのならおすすめね」

一応、独身のお年頃の女性と自負している!!!
たいして価値のあるものは持っていないけれど、外国で泥棒に入られるとか絶対嫌だ。
階段でダイエット、筋トレっ!
そう自分に言い聞かせて、このアパートでの生活をスタートさせたのだった。

さてと。何を着ていこう?
食品と日用品の買い出しも終ったし、すぐにお出かけの準備をしないと約束に遅刻してしまう。
マリアが明日から作品を展示するギャラリーにお邪魔することになっているのだ。
オランダの海で撮ってくれた私の写真をもとにした作品もあるとかで、明日からの展示に先立って、友人達を数人招いてちょっとした前夜パーティを開くらしい。
場所はミッテ地区なので私のアパートからも近い。
パーティに招待されたメンバーには、近所の語学学校に通う日本人も居るというので助かる!
私も語学習得を目標にベルリンへ来ている身なので、どっぷりと日本語環境につかる気はないのだが、やっぱり数人くらい、母国語で気兼ねなく話せる知人友人が欲しい。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、女神マリアの気配りには感謝してもしきれない。

クローゼットを開いて日本から持って来た服を順番に眺める。
スーツケースひとつで来たので、そんなに服は無い。こちらで買い足す予定なので、クローゼットにはまだまだ余裕があるほうがいい。
まだ2月の初めだからかなり寒く、外はまだ、2週間前に積もった雪が溶けずに残っているくらい、毎日が零下から一桁の気温だ。
室内はセントラルヒーティングなのでとても暖かいが、外に出るとやはり極寒の世界。風なんか吹くとむき出しの顔がカチンコチンに固まりそうなくらいだ。
とりあえず何より防寒優先。おしゃれは二の次。
温かい厚手の黒いタイツを穿き、黒のG-Starのスリムジーンズ。防寒用のロングブーツは滑り止め付のローヒール。トップスはワインレッドのゆったりめのロールネックのセーターにした。
こちらの人はコートの下に、首もとが大きく開いた服を着て、首には目立つビジューネックレスをしていたりとオシャレな人も割といる。私はデコルテが剥き出しになるデザインの服は持っていないので、寒い冬は基本的に首もとの温かさ重視のセーターを着る事が多い。
今着ているロールネックは、ゆったりと肩から胸元に流れるデザインなので、首が詰まって苦しそうには見えないし、細いチェーンネックレスも見えるくらいで、ちょっとしたパーティにも着ていけるエレガントな1枚だと思う。
カジュアルだけど温かくてジーンズとも相性の良い、グレーとブラックのツィードのコートを羽織り、ワイレッドのレザーバッグの中身を確認してアパートを出た。

ところで、手みやげはどうしよう?
何か、簡単につまめるものでも買って行こうかな?
本当はなにか、手作りのものがよいのかなとは思うけど、引越し直後で調味料も食材もまだまだ揃っていないので諦めた。
通りのお店を見ながら駅のほうへ歩いて行く。
地下鉄のUバーンの最寄り駅へ向かう途中、グリーンのオーニングに真っ赤なメニュー看板が目立つこじんまりとしたお店が視界に入って来た。
立ち止まってそっと中を覗いてみたら、choco finesseという名前のショコラティエ。情熱的な深紅色の看板に惹かれて店内に入ってみると、決して大きくはないお店なのに品揃えは豊富だった。
色鮮やかなペーパー包装が目立つ、奇麗に陳列されたバラエティ豊かなチョコレートプレート。ガラスのショーケースの中にはトリュフなど一口サイズのチョコ達が宝石のように並んでいる。プレゼント用にラッピングされたメッセージ入りのメダル型チョコや、現代アートっぽいデザインのマグカップもガラス棚に並び、隣にはいろんなフルーツの絵がプリントされたフルーツサイダーボトルもある。
かわいいお店!ここで何かマリアに買って行こう!
次回はもっとゆっくりくることにして、美味しそうなトリュフの詰め合わせと、洋梨、林檎のサイダーボトルを各1本ずつ購入。
優柔不断の私にしては手際よく選べた。

地下鉄Uバーンの駅で切符販売機で4枚回数券を購入し、マシンで日付と時間をスタンプする。この切符は、電車もトラムもバスもすべてが共通で規定時間内はその1枚で乗換え自由。切符もその時の都合によって、駅区間指定でも変えるし、広範囲にエリア指定で購入することも出来るので、結構便利だ。
オランダのICカードシステムとは違って、一昔前に戻ったようだが、クラシックな雰囲気の残る街にはしっくりくる気がする。
まもなくやってきた黄色い電車に乗り込み、10分もするとマリアから言われた駅に着いた。あのベルリンのランドマーク、TV塔が間近で見える。
丁度ライトアップされてミラーボールのようにキラキラしているTV塔を右手に見ながら、言われた通りの道順で、通りの名前を確認して進むとすぐに「alex  esspresso bar」が見えた。
何でも友人が経営するエスプレッソ・バーで展示するとのことだった。
お店自体は夕方6時で閉まっているとのことだが、どうやらその通りらしく、表には「Closed」サインがかかっている。中を覗くと明かりがついていて数人ほど奥のソファに腰掛けているのが見えた。
ドアをぐいっと押してみるが開かない。
中の人影は少し遠くてこちらのほうに気がつかないようだから、携帯でマリアを呼び出してみようかと思い、バッグの中を覗き込んでいると、
「君、中に入る?」
突然背後から声がして驚いて携帯を取り落としてしまった。
「あっ!」
音と立てて石畳の上に落ちた携帯をあわてて拾って確認。よかった、割れてない。
ほっとしながら見上げると、背の高い、いかにも「アーティスト」っぽい柔らかい雰囲気の男の人が、眉を潜めて私の手の中の携帯をのぞく。
「ごめん、驚かせたね。携帯、大丈夫?」
「大丈夫です!あの、私、マリアの」
「うん、日本から来た友達だよね。聞いてる」
彼は頷いてドアに手をかけて扉をすっと引いた。
「あ……ドア」
これって、押すんじゃなくて引くんだ!
「そう。ここに、Ziehenって書いてあるだろう?これはPullという意味」
ドアのガラス部分にプリントされている文字を指差して、彼は片目でウインクした。
「……覚えておきます。ありがとう」
超、超基本中の単語だ。以後、二度と「押す」「引く」を間違えないようにしないと。
「引く」べきドアを力ずくで「押して」開けようとしていた自分の姿を見られたかと思うと、恥ずかしくなり思わずうつむきつつ中に入る。
そのまま彼の後ろをついていくと、彼がカーキ色のロングコートを脱ぎながらちらりと私を振り返った。
「君、名前は?マリアから一度聞いていたんだけど……」
忘れちゃったんだよね、という感じで首をすくめる。
「カノンです」
「そう、そうだった、カノン」
彼は手袋を取った右手を差し出した。私も手袋を取った手を出して握手する。
「アダム。マリアと同じ、ニューヨークのアート・アカデミー出身」
「ニューヨーク?そういえば、英語の訛りがニューヨークっぽいような」
最初から結構テンポの早い英語だったと思いながらそう聞くと、アダムが首を振って笑う。
「そうかもね。結構長く住んだから。もともとはスウェーデン」
「なるほど」
北欧の人は英語がとても上手で、国の訛りが強くないとは聞くが、彼の英語はスウェーデン語なまりなんて全くなさそうだから、噂は本当のようだ。
「君もあまり日本人訛りはないようだけど、アメリカにいた?」
「叔母が西海岸に住んでいるので、何度か夏休みにお世話になったくらいです」
「ドイツ語は?」
「……そっちは、まだ幼稚園レベルなので」
「そうか。僕もそれほど上手くはないから人のことは言えないけど、ローカルの言葉が使えると世界は広がるしね」
「はい。これから頑張るつもりです」
そんなことを言いながら奥に入ると、数人の招待客と話していたマリアがこちらに気がついて手を挙げた。
「カノン!あら、アダムも。こっちに来て」
彼女の方へ行くと、初めて見る作品の数々が奥の壁一面にディスプレイされているのが見えた。
力強い色合いの油彩画で大自然をモチーフにしたものから、大小様々な大きさの流木を組み合わせて形成した勢いのある馬のオブジェ、かと思えば廃棄直前だっただろうと思われるタイヤに壊れかけのPCや割れた陶器を使いひとつのアートに作り上げていたりと、とてもユニークな作品が15点ほど展示されていた。繊細なものから斬新でダイナミックなものもあるし、生命力の漲る情熱的なものもあれば無機質なものも。マリアの想像力って永遠に広がる終わりの無い世界のようだ。
ひとつひとつが違っているので、見る者も飽きることがないだろう。
真っ白な布と、海の砂、ガラスなどで作られたオブジェを見ていると、マリアが私の腕をひっぱった。
「カノン、ほら、こっち」
「うん?」
引っ張られて、エスプレッソマシンのカウンターのほうへ行くと、彼女が黒板メニューの上を指差した。
そこには、カラフルなステンドグラスがロマンチックなトルコランプの灯りに照らされた、1m幅ほどの大きな写真があった。
「あっこれは」
私の写真だ!
あの時の海と夕日の中で撮った1枚が、大きく引き延ばされたものだった。
マリアはタバコの火を消しながら私の肩を抱き寄せ、一緒に写真を見上げると、満足そうにため息をした。
「そう、あなたの写真」
足下にカニ……の瞬間の写真だ。あの時の自分の顔が、想像していたのとは違って驚いているようには見えず、自分で言ってはなんだが、意思の強そうな顔つきに見える。
マリアはその写真の中の、私の眼を指差した。
「見て。あなたの眼が、まるで炎のように燃えているわ。この眼を見ていると、なんだか引き込まれそうになって、何も出来なくなっちゃったの」
「何もって?」
「この写真をもとに、最初はコラージュを作るとか、絵を書くことを考えていたんだけど、なかなかアイデアが固まらなくて。そしたら、ヨナスも、他のみんなも、写真そのものが私の作品じゃないか、これがアートだって。そしたら、急に納得しちゃって」
彼女はそっと写真の中の私の髪を撫でた。
「この、髪がところどころ眼と同じ色に染まっているところも大好き。この色とエネルギーは、他の方法では表現出来ないわ」
なるほど。
それにしても、こんだけ大きく引き伸されると、もはや自分の写真という気がしなくて恥ずかしいとかいう感覚は出てこないみたいだ。
「やぁカノン、やっとあの時の君自身に会えたんだね」
カウンターの奥からヨナスが出て来た。
「こんばんは。先日はありがとうございました」
私はまずお礼を言った。この間、ドイツ語がダメな私のためにわざわざ時間を割いて、一緒に携帯ショップへ行ってくれたばかりだ。
「たいしたことないよ」
ヨナスは笑って、マリアの隣に立って写真を見上げた。
「いい表情だ。まさか、カニのおかげとは誰も思わないね。俺だってカニのトリックなんて忘れてしまう」
「ヨナス!カニで眼は開いているけど、でも眼の光の中にあるものは、カノン自身なのよ!カニじゃないって、ちゃんと見たらわかるでしょう?!まったく、カニカニってしつこいわね。カニとデートしてきたらどう?」
マリアがむっとして厳しい目つきでヨナスを睨む。ヨナスは慣れた様子でその眼を無視して、私に笑いかけた。
「マリアは、写真の中の俺についてはノーコメントなんだよ。俺は風景の一部だってさ」
「だって本当のことじゃない。脇役は脇役、背景」
マリアは悪気は全くない様子でそう言って、腕時計を見た。
「そういえばクラウスは?」
「あー、さっきメールが来たんだった。予定が長引いて今晩は無理みたいだ」
「あら残念」
マリアは写真をもう一度見上げた。
「クラウスはヨナスの弟なんだけど、この写真、すごく気に入ってたのよ。本人に会わせてあげるって言ってたんだけど、今晩は無理みたいね」
「ヨナス、兄弟がいたんだ」
そういえば、マリアやヨナスの家族構成とかあまり聞いた事がなかったかも。
ヨナスの弟っていうのなら、やっぱりかなりの美形なのかな?
なんて余計なことを考えつつヨナスを見ると、エスプレッソマシンの前にいた彼は、気取った様子でカップをふたつ見せた。
「さぁご婦人方。なにか温かいお飲物をお作りしましょうか」

さすがにこちらの人はエスプレッソマシンを使いこなすのが上手だ。
私はほかほか湯気をたてるカフェラテ、もといドイツ語で言うミルヒ・カフェのマグカップを片手に、ラウンジのほうへ向かった。
マリアは他の招待客の相手で忙しいし、ヨナスもエスプレッソマシンでお仕事中。ラウンジのほうに例の日本人が居ると聞いたので、探してみることにした。
途中、数人と簡単な挨拶をかわしていると、角のほうに、最初に話した例のスウェーデン人アダムがいて、日本人っぽい女の子と話している。
そちらを見ているとアダムが私に気がついて手を挙げた。
「カノン、こっち」
近くに寄ると、アダムがその子に私を紹介してくれた。
「アナ、彼女がカノンだよ」
アナと呼ばれた彼女が、ぴょこんと頭を下げて、笑顔で私に手を差し出す。
私も手を出して握手した。
「こんばんは!カノンです」
「亜波です。みんな、アナって呼んでます。カノンさん、今日会えるの楽しみにしてました!」
ウキウキした様子でそう言ってくれるアナに私も急にテンションが上がった。
「私もです!まだ本当にベルリン初心者なので、よかったらお友達になってください!」
「もちろんです~!私もまだ半年だから、それほど詳しくはないんだけど」
「私なんてまだ1ヶ月でだから、右も左もわかんなくて」
日本語で話していると、アダムが私達の顔を眺めて肩をすくめた。
「君たち、すっかり俺のことを忘れているね」
「あっごめんなさい、つい興奮しちゃって」
紹介してくれたのにすっかり日本語でベラベラ喋ってしまうなんて、かなり失礼なことしちゃった!
思わず黙ると、アダムがふふっと笑い、私達の肩を叩いて言った。
「冗談だよ。本気にしなくていいから。俺はヨナスの手伝いに行くよ。クラウスがいなくて忙しそうだ」
見れば、エスプレッソマシンの前にもう4人も並んでいる。ビールやワインより、今は温かいドリンクが人気のようだ。

二人きりになったので、アナと私はソファに座ることにして、しばらくいろんな話をした。
アナは東京の音大出身のバイオリニストらしい。ヨーロッパの交響楽団に入りたいのだが、語学力がないのでまず、ドイツ語と英語を同時に学ぶためにこちらへ来ているらしい。
バイオリニストと聞いて納得する。とてもサラサラの長い黒髪に日焼けとは無縁らしい真っ白いお肌、黒めがちの大きな瞳。そしてなんといっても姿勢が美しく、私のようにすぐ、家のソファでごろん、というだらしない雰囲気が全くない。恐らくかなり腕を使うんだろう、チョコレート色のセーターに包まれた腕もすらりと細く、しかし筋肉がありそうなきれいなラインが見える。
「半年も住んでいるんだけど、まだまだ慣れないことも多くて……ま、でも楽しいからいいんだけどね」
アナは明るい笑顔で話す。いわゆる、前向きな人ってやつらしい。
「マリアは私の音楽仲間に紹介してもらったの。彼女のアートと、現代音楽のコラボをする企画があって、その時に」
「へぇー、みんな精力的に活動しているね」
「そうかも。ほとんど毎週ってくらい、なにかイベントがあるから、なるべく参加するようにしてるよ。たまに日本人にも会うしね」
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「2時間無料Wifiあるしね。駅の近くとかにあるから、便利っていえば便利。私は、どっちかというとローカルなカフェに行くことが多いけど」
「私も多分、ローカルなカフェに行きたいタイプ。お店のメニューが違うし」
私がそうい言うと、アナが目を丸くして、あははっと笑った。
「わかる!あるよ、私も行きつけのカフェ。チーズケーキならあの店、チョコケーキならあっちの店、サンドイッチならこっちの店って使い分けてる」
「わー!いいね、それ!私もそうやってお気に入りのお店を開拓したいの!」
ベルリンに来た一番の理由がドイツ語の習得だったのに、娯楽系の興味がすっかりメインのテーマになっていることに気づく事も無く、私達は長々とカフェ談義をしたのだった。
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