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第二章 令和元年版? 八月二十四日の告白。
第三十六回 選手交代! 入室してから音響く。
しおりを挟む――想像するに机を叩いた音。或いは蹴った音。
「お前ら、ふざけるな!」
と、怒鳴り声まで炸裂。
「おいおいミズッチ、もっと冷静にだな……」
「体外にしろよ! いくら店主とはいえ、お兄ちゃんは知らなかったんだろ? そのキム・ウメダという奴が高額でチケットを捌いてたってこと。いくら自分が所属している劇団だからって、二回も取り調べといて、まだ検察所へ行けだと?」
……怖かった。
僕にはもう、その室内の様子はわからない。瑞希先生と入れ替わりで今は廊下、ベンチに座っている。傍には可奈がいてくれて、ガタガタ震える僕の体を宥めてくれていた。
瑞希先生、そして可奈の顔を見てから、あの室内を出てから、
涙が止まらなくなってしまった。『どうしたのだろう?』と思えるほど止まらない。
いつもとは違う瑞希先生、
こんなに怒った瑞希先生は初めてだ。いやいやいや、いつもはホットで優しかった。
……まだ続く。
深い溜息からすぐ、
「わたしとお兄ちゃんのことはともかく、梨花さんと、梨花さんのご両親にだけは絶対に謝れよな。善、お前は刑事としてでも人としてでも、それだけのことをしたんだからな」
「ああ、わかった」
「それからな、梨花さんによく似た女の子……千佳さんだけど、無罪とはいかないと思うけど、なるべく軽くしてやって、今後のフォローもしてやってくれよな」
「……昔と変わらずだな、ミズッチ」
「お前もな善、『善』なだけに、やんちゃでも生真面目だしな」
「今更だけど、結婚式に行けなくてごめんな。もう一児の母親になったんだな」
「惚れても何も出ないよ~だ」――あっ表! いつもの瑞希先生に戻っていた。
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