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第二章 令和元年版? 八月二十四日の告白。
第三十七回 一撃必殺!
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――僕は苦手だ。必ず一度お試し、三度目で勝負だ。……三繋がりで此処は三階。まだ生活課のある一室から出た所の廊下。静かな中にも声だけの世界から先に進み、逆光の中を、星野善一刑事と望月刑事の二人と一緒に、こちらに瑞希先生が歩み寄った。
ベンチから立ち上がり、隣にいた可奈をも後にして、
……駆ける。涙を拭くのも忘れて。
それどころか込み上げてくる。――あなたの胸に飛び込んだ。
「僕、僕……」と言葉にならず、ひたすら号泣だ。瑞希先生は、そんな僕をそっと、温かく抱き留めてくれた。「怖い思いさせてごめんね……」と一言。優しくそう言った。
「梨花ちゃん、本当にごめんね。……そして捜査にご協力いただき、誠にありがとうございました!」と、星野刑事の敬意を示す言葉。
それと便乗して、望月刑事も一緒になって頭を下げた。続けてチョンチョン……またはクイクイッと、僕のワンピースの裾を引っ張るのを感じた。グスッと、そちらの方を向いたら、小さな子がググッと顔を上げていて、……僕の顔を見て、
「わらお、ないちゃかなしいよ」
と、眉を下げて、そう言った。
「楓太、お姉ちゃんのこと心配してくれてるんだね」
「うん、はやく、げんきげんき」
「もうすぐ泣き止むからね、パパのとこ行っといで」
「うん!」
元気いっぱいな返事、瑞希先生のお子様で女の子みたいに見えるけど、楓太君という男の子。そのそばには楓太君のパパ。つまり瑞希先生のマイハズバンドの姿が――。
カッコいい! と思いながらも「瑞希、大丈夫か?」と、僕より瑞希先生。そりゃそうか。「うん大丈夫、明日はバッチリ検察庁へ行くから」と、ニッコリと瑞希先生。
その上に、輝けるVサインも追加した。
ベンチから立ち上がり、隣にいた可奈をも後にして、
……駆ける。涙を拭くのも忘れて。
それどころか込み上げてくる。――あなたの胸に飛び込んだ。
「僕、僕……」と言葉にならず、ひたすら号泣だ。瑞希先生は、そんな僕をそっと、温かく抱き留めてくれた。「怖い思いさせてごめんね……」と一言。優しくそう言った。
「梨花ちゃん、本当にごめんね。……そして捜査にご協力いただき、誠にありがとうございました!」と、星野刑事の敬意を示す言葉。
それと便乗して、望月刑事も一緒になって頭を下げた。続けてチョンチョン……またはクイクイッと、僕のワンピースの裾を引っ張るのを感じた。グスッと、そちらの方を向いたら、小さな子がググッと顔を上げていて、……僕の顔を見て、
「わらお、ないちゃかなしいよ」
と、眉を下げて、そう言った。
「楓太、お姉ちゃんのこと心配してくれてるんだね」
「うん、はやく、げんきげんき」
「もうすぐ泣き止むからね、パパのとこ行っといで」
「うん!」
元気いっぱいな返事、瑞希先生のお子様で女の子みたいに見えるけど、楓太君という男の子。そのそばには楓太君のパパ。つまり瑞希先生のマイハズバンドの姿が――。
カッコいい! と思いながらも「瑞希、大丈夫か?」と、僕より瑞希先生。そりゃそうか。「うん大丈夫、明日はバッチリ検察庁へ行くから」と、ニッコリと瑞希先生。
その上に、輝けるVサインも追加した。
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