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第8話 神殿で出会った聖女は俺に跪いた
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昼下がりの陽光が王都の残骸を照らしていた。
“天の審判者”を退けたのはほんの数時間前。だがその間に、王都の空気はすっかり変わっていた。
崩れた聖堂が再生し、人々が怯えよりも祈りに似た感情を取り戻している。
彼らの口に出る名は、もう“アルト王代行”ではなかった。
「救世主リオ様……!」
「彼の御業により、神の怒りは鎮まった!」
どこへ行っても耳にするのは自分の名。
本人であるリオはため息を吐いていた。
「まったく、勝手に『救世主』呼ばわりだ……」
セリスが肩をすくめる。
「でも、それだけのことをしたんですよ。普通の人には逆立ちしても真似できません」
リリアーナが苦笑した。
「真似できるなら、それはもう神と同じよ」
「俺は神でもなんでもない。ただの旅人だ」
「それを信じてるのはあなたぐらいよ」
軽い言葉のやり取り。しかし三人の背後では、王都の人々が確かに動き出していた。
王都の結界を司っていた神殿が昨日の崩壊で機能を失い、次に動いたのは神殿内部の“本物の聖職者たち”だった。
数年前、神殿の権力を握ったのはセレス派だった。けれど彼女の失踪で混乱が広がり、封印されていた聖女が呼び戻されたという報せが流れてきたのだ。
「聖女が……戻った?」
リオは眉をひそめた。
「神の代理人に盾突いても平然と生きてるあなたの方がよほど聖人だと思いますけどね」
セリスの皮肉は柔らかく笑いに変わっていた。
「でも聖女があなたに会いたいって。どうやら“奇跡を起こした男”に興味があるみたいです」
「……また面倒なことになりそうだな」
だが放っておくわけにもいかない。神々の干渉が再び起これば、王都は今度こそ滅ぶ。
三人は神殿へ向かった。
* * *
神殿の白い回廊は、静かで美しかった。
天井に埋め込まれた光の紋章がやさしく揺らめき、壁に刻まれた祈りの文が淡い金に輝く。
階段を上がり、最奥の大広間に入ると、そこで彼らを迎えたのは一人の女性だった。
白銀の髪を背まで垂らし、透き通るような肌。
彼女が振り返った瞬間、空気が凛と冷える。
「あなたが……リオ様ですね」
澄んだ声。だが底には波のような震えがあった。
その瞳――淡い瑠璃色。見る者を吸い込むような深みがある。
「俺に用があると聞いたが」
「はい。私は聖女エリス。あなたに、直接お会いしたかったのです」
近づいた時、彼女がわずかに膝をついた。
予想外の仕草にリオは思わず止まる。
「? どういうつもりだ」
「この国を、そして神殿を救ってくださった方に礼を申し上げます。――神の奇跡を超える御業を為した方に」
リオは困惑した。
「顔を上げてくれ。俺はそんなつもりじゃなかった」
「ですが、あなたの力は……神の領域そのもの。それを間近で感じてしまえば、誰も跪かずにはいられません」
リリアーナが慌てて口を開いた。
「聖女様、リオはそんな風に崇められるのを望んでいません。彼はただ――」
「ただの放浪者、ですか?」
エリスの唇が微かに笑う。
「放浪者が片手で天を封じた。そんな話、世界のどこにあります? あなた方が思っている以上に、この出来事は重大です」
王都の外からも、各地の神々が注目している。
神を退けた存在――それは古代の予言にも記されている“創世の再来”の証だ、と。
エリスは立ち上がり、ゆっくりとリオに近づく。
「私は神殿の本来の使命に従い、真実を求めてきました。だから、あなたに問いたい」
「問いたい?」
「あなたは何者なのですか。“創世の継承者”――それが何を意味するのか、ご自身で理解していますか?」
リオは答えられなかった。
“創世の権能”、その言葉は彼の中に何度も響いたが、正確な意味は分からない。
だが、今なら少しだけ分かる気がする。
「たぶん……俺はただ、誰かの作った世界の“鍵”なんだと思う」
「鍵、ですか」
「この世界を壊すことも、創り直すこともできる。そんな力が眠っている……気がする。ただ、俺自身は望んでいない」
エリスは静かにうなずいた。
「それが真実なら、あなたに課せられた運命は重い。ですが――私は信じたい。もし神がもう一度人に力を託したのなら、それは滅びではなく救済のためだと」
その瞬間、神殿の上空が光った。
巨大な魔法陣が天空に浮かび上がり、鳴動が始まる。
「エリス!」
リリアーナが叫ぶ。
「この力……“審判者”の残響! まだ消えてなかったの!?」
天井が裂け、無数の光柱が降り注ぐ。
神殿の聖歌隊が悲鳴を上げる。
だがエリスは怯えなかった。
「リオ様、お願いです。私を通じて、上層の意志の干渉を止められますか?」
「できるならやってみよう」
リオが前に出る。
頭上の光が降り、周囲の空間がゆがむ。
その中心に立つエリスの体から、まるでさざ波のように祈りの魔力が放たれていた。
「これが……人の祈りの力か」
「そう。神の加護ではなく、人の願いそのものよ」
リオは目を閉じ、右手を掲げる。
次の瞬間、光が砕けた。
空の魔法陣が消え、残ったのは静かな蒼空だけ。
「わ、私たち……助かったの?」
セリスが息を呑む。エリスはその場に膝をつき、両手を合わせた。
「これでようやく……“神々の支配”が一時的に止まりました」
リリアーナがリオの隣に立ち、笑う。
「また助けてしまったわね、リオ」
「いや、今回は半分、聖女のおかげだ」
エリスがうつむいたまま、かすかに微笑んだ。
「その呼び方、心地よいですね。今まで“神の人形”としてしか存在を許されなかった私ですが――あなたの言葉で、ようやく“人間”に戻れた気がします」
リオは何も言わず、ただ差し出された手を取った。
心の奥で、かすかに光が灯るのを感じる。
それは安心ではなく、“絆”に似た温もりだった。
外では、信徒たちが新たな歌を口ずさみ始めていた。
それは神を褒め称えるものではなく、「人と人が共に手を取り、明日を創る」という祈りの旋律。
リオの耳にも届く。
「……世界は少しずつ変わってるようだな」
エリスが小さく頷く。
「あなたがその最初の光なんです」
リオは空を見上げた。雲ひとつない青空。
だが、その向こうではまだ神界がざわめいている気配を感じた。
「次は、向こうが本気を出してくる」
リリアーナとセリスが顔を見合わせる。
「リオ、行くの?」
「ああ。人が神の下で震える世界を、これ以上見たくない」
エリスが微笑み、祈るように言った。
「ならば、私もお供します。あなたと共に、真の平穏をこの地に」
彼女の言葉に、リオは小さくため息をついた。
「……どんどん賑やかになっていくな」
薄く笑ったその顔に影はなく、確かな光があった。
その時、彼らの旅はただの冒険を超え、世界そのものを導く戦いへと変わっていく。
“天の審判者”を退けたのはほんの数時間前。だがその間に、王都の空気はすっかり変わっていた。
崩れた聖堂が再生し、人々が怯えよりも祈りに似た感情を取り戻している。
彼らの口に出る名は、もう“アルト王代行”ではなかった。
「救世主リオ様……!」
「彼の御業により、神の怒りは鎮まった!」
どこへ行っても耳にするのは自分の名。
本人であるリオはため息を吐いていた。
「まったく、勝手に『救世主』呼ばわりだ……」
セリスが肩をすくめる。
「でも、それだけのことをしたんですよ。普通の人には逆立ちしても真似できません」
リリアーナが苦笑した。
「真似できるなら、それはもう神と同じよ」
「俺は神でもなんでもない。ただの旅人だ」
「それを信じてるのはあなたぐらいよ」
軽い言葉のやり取り。しかし三人の背後では、王都の人々が確かに動き出していた。
王都の結界を司っていた神殿が昨日の崩壊で機能を失い、次に動いたのは神殿内部の“本物の聖職者たち”だった。
数年前、神殿の権力を握ったのはセレス派だった。けれど彼女の失踪で混乱が広がり、封印されていた聖女が呼び戻されたという報せが流れてきたのだ。
「聖女が……戻った?」
リオは眉をひそめた。
「神の代理人に盾突いても平然と生きてるあなたの方がよほど聖人だと思いますけどね」
セリスの皮肉は柔らかく笑いに変わっていた。
「でも聖女があなたに会いたいって。どうやら“奇跡を起こした男”に興味があるみたいです」
「……また面倒なことになりそうだな」
だが放っておくわけにもいかない。神々の干渉が再び起これば、王都は今度こそ滅ぶ。
三人は神殿へ向かった。
* * *
神殿の白い回廊は、静かで美しかった。
天井に埋め込まれた光の紋章がやさしく揺らめき、壁に刻まれた祈りの文が淡い金に輝く。
階段を上がり、最奥の大広間に入ると、そこで彼らを迎えたのは一人の女性だった。
白銀の髪を背まで垂らし、透き通るような肌。
彼女が振り返った瞬間、空気が凛と冷える。
「あなたが……リオ様ですね」
澄んだ声。だが底には波のような震えがあった。
その瞳――淡い瑠璃色。見る者を吸い込むような深みがある。
「俺に用があると聞いたが」
「はい。私は聖女エリス。あなたに、直接お会いしたかったのです」
近づいた時、彼女がわずかに膝をついた。
予想外の仕草にリオは思わず止まる。
「? どういうつもりだ」
「この国を、そして神殿を救ってくださった方に礼を申し上げます。――神の奇跡を超える御業を為した方に」
リオは困惑した。
「顔を上げてくれ。俺はそんなつもりじゃなかった」
「ですが、あなたの力は……神の領域そのもの。それを間近で感じてしまえば、誰も跪かずにはいられません」
リリアーナが慌てて口を開いた。
「聖女様、リオはそんな風に崇められるのを望んでいません。彼はただ――」
「ただの放浪者、ですか?」
エリスの唇が微かに笑う。
「放浪者が片手で天を封じた。そんな話、世界のどこにあります? あなた方が思っている以上に、この出来事は重大です」
王都の外からも、各地の神々が注目している。
神を退けた存在――それは古代の予言にも記されている“創世の再来”の証だ、と。
エリスは立ち上がり、ゆっくりとリオに近づく。
「私は神殿の本来の使命に従い、真実を求めてきました。だから、あなたに問いたい」
「問いたい?」
「あなたは何者なのですか。“創世の継承者”――それが何を意味するのか、ご自身で理解していますか?」
リオは答えられなかった。
“創世の権能”、その言葉は彼の中に何度も響いたが、正確な意味は分からない。
だが、今なら少しだけ分かる気がする。
「たぶん……俺はただ、誰かの作った世界の“鍵”なんだと思う」
「鍵、ですか」
「この世界を壊すことも、創り直すこともできる。そんな力が眠っている……気がする。ただ、俺自身は望んでいない」
エリスは静かにうなずいた。
「それが真実なら、あなたに課せられた運命は重い。ですが――私は信じたい。もし神がもう一度人に力を託したのなら、それは滅びではなく救済のためだと」
その瞬間、神殿の上空が光った。
巨大な魔法陣が天空に浮かび上がり、鳴動が始まる。
「エリス!」
リリアーナが叫ぶ。
「この力……“審判者”の残響! まだ消えてなかったの!?」
天井が裂け、無数の光柱が降り注ぐ。
神殿の聖歌隊が悲鳴を上げる。
だがエリスは怯えなかった。
「リオ様、お願いです。私を通じて、上層の意志の干渉を止められますか?」
「できるならやってみよう」
リオが前に出る。
頭上の光が降り、周囲の空間がゆがむ。
その中心に立つエリスの体から、まるでさざ波のように祈りの魔力が放たれていた。
「これが……人の祈りの力か」
「そう。神の加護ではなく、人の願いそのものよ」
リオは目を閉じ、右手を掲げる。
次の瞬間、光が砕けた。
空の魔法陣が消え、残ったのは静かな蒼空だけ。
「わ、私たち……助かったの?」
セリスが息を呑む。エリスはその場に膝をつき、両手を合わせた。
「これでようやく……“神々の支配”が一時的に止まりました」
リリアーナがリオの隣に立ち、笑う。
「また助けてしまったわね、リオ」
「いや、今回は半分、聖女のおかげだ」
エリスがうつむいたまま、かすかに微笑んだ。
「その呼び方、心地よいですね。今まで“神の人形”としてしか存在を許されなかった私ですが――あなたの言葉で、ようやく“人間”に戻れた気がします」
リオは何も言わず、ただ差し出された手を取った。
心の奥で、かすかに光が灯るのを感じる。
それは安心ではなく、“絆”に似た温もりだった。
外では、信徒たちが新たな歌を口ずさみ始めていた。
それは神を褒め称えるものではなく、「人と人が共に手を取り、明日を創る」という祈りの旋律。
リオの耳にも届く。
「……世界は少しずつ変わってるようだな」
エリスが小さく頷く。
「あなたがその最初の光なんです」
リオは空を見上げた。雲ひとつない青空。
だが、その向こうではまだ神界がざわめいている気配を感じた。
「次は、向こうが本気を出してくる」
リリアーナとセリスが顔を見合わせる。
「リオ、行くの?」
「ああ。人が神の下で震える世界を、これ以上見たくない」
エリスが微笑み、祈るように言った。
「ならば、私もお供します。あなたと共に、真の平穏をこの地に」
彼女の言葉に、リオは小さくため息をついた。
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