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第3話 勇者パーティーは勘違いしていた
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王都の一等地にそびえる白亜の城。そこでは今、異様な緊張感が漂っていた。
円卓を囲むのは、勇者アルドとその仲間たち――魔法使いのシェリル、槍士カイル、神官ライザ。
王の許可を得て「レン追放」からわずか数日。だがすでに彼らの表情には焦りが滲んでいた。
「おい、これ……何の冗談だ?」
カイルが机を叩いた。広げられた報告書には、信じ難い文字が並んでいる。
『王都外縁部にて“時間停止現象”発生』『創造の加護を受けし者の可能性』『勇者パーティー元補給係・レンの名あり』
「馬鹿な。奴が……あの凡人がそんなことできるわけねぇ!」
シェリルも眉をひそめる。「でも実際、王宮魔導院の観測にも同じ反応が出ているのよ。王都の東神殿に“創造神の波長”が確認されたって。」
アルドは無言だった。
強く拳を握りしめ、歯を食いしばっている。
「あいつは……ただの村人だったはずだ。」
「追放直前の戦い、もう一度思い出してみなさいよ。」
シェリルが静かに言う。「あなたが炎竜と戦っていたとき、急に嵐が起きて敵の攻撃が逸れたでしょう? あれもレンが叫んだ後だった。」
「偶然だ。」
「本当に?」
沈黙。
部屋を圧迫するような緊張が続いた。
ライザ神官が祈りの言葉を唱えるように呟いた。「リュミナ様の加護が彼に戻ったのかもしれません……。」
その瞬間、アルドが机を叩き割った。
「ふざけるな! 俺が勇者だ! 神に選ばれたのは俺だ!」
声が城中に響き渡る。魔導灯がかすかに震え、空気が凍りついた。
シェリルが小さく息を吐く。「あんた、何に怯えてるの?」
「怯えてなどいない!」
「じゃあ認めれば? レンが――“お前より上”の存在だったって。」
その言葉に、アルドの顔から血の気が引いた。
彼には、勇者の称号こそが生きる証だった。
それが否定されるなど、死より耐え難い屈辱だ。
「……あいつは何者なんだ。」
アルドが低く呟く。
誰も答えなかった。答えられる者など、この場にはいない。
一方そのころ、王都を離れたレンは霧風の森へ入っていた。
朝露に濡れた木々の間を抜けながら、慎重に足を進める。
森の中は静かだった。鳥の声すら遠く、風の音だけが聞こえる。
「……やっぱり何かがおかしい。」
気配が変だ。森そのものが息を潜めている。
俺は足元の落ち葉をかき分け、地面に散らばる奇妙な黒い結晶を見つけた。
指で触れると、冷たいというより“空気を吸い取るような”感触。
これが女神の言っていた“魔力の歪み”なのかもしれない。
「長くは持たないな、この世界……」
その時だ。
風の流れが止まり、黒い結晶がぶるりと震えた。
次の瞬間、地面が割れ、影のような狼が飛び出した。
口から吐き出される瘴気が、周囲の草を枯らしていく。
「魔物……いや、もう“生物”じゃないな。」
俺は後ずさりしようとしたが、狼の動きは速かった。
気づけば爪が目前に迫っている。
反射的に、心の中で叫ぶ。
「消えろ。」
――空気が圧縮されたような音が響き、影の狼は形を失った。
粉々の光となり、風に溶ける。
静寂。
俺は拳を握ったままその場に立ち尽くす。
何の呪文も詠唱もしていない。ただ“そう願った”だけだ。
「……やっぱり、俺に力がある。」
確信と同時に、背中を冷たい汗が伝う。
使えば使うほど、この“感覚”は拡大する。
だが、これは単なる力ではない。何かを“上書きする”力だ。
「創造……か。」
森を抜けた先に、古びた小屋が見えた。
扉をノックすると、中からひょろりとした青年が顔をのぞかせた。
「おお、やっぱりお前か! レン!」
見覚えのある顔――森の研究者ラウルだ。
俺の幼なじみであり、この世界でも数少ない“魔力観測学者”の一人。
「生きてたんだな、ラウル。」
「当たり前だ。けどお前こそ、勇者パーティーから追放されたって聞いたぞ? 大騒ぎだったじゃないか。」
「まあな。そのおかげで今こうしてのんびりしてる。」
軽い冗談を交わしながら小屋に入る。中は魔導書や鏡水晶だらけだった。
ラウルは慌ただしく机の上の結晶球を指し示す。
「見ろよ、王都の観測データだ。昨日から魔力が不規則に揺れてる。まるで“世界そのものが再構築されてる”みたいなんだ。」
俺の脳裏にリュミナの言葉がよぎる。
“あなたが動けば、世界が応えるでしょう。”
「ラウル、その現象の中心はどこだ?」
「……王都だよ。お前がいたあたり。」
俺は無意識に息をのんだ。
「……それって、偶然か?」
「いや。あの波長、まるで“創造主の殻”が動いてるような波だ。」
ラウルは冗談めかして笑うが、俺には笑えなかった。
「何か隠してるな、レン。」
ラウルが鋭く言う。「お前、ただの村人じゃないんだろ。」
俺は苦笑した。「まさか。俺はただ、流れに任せて生きてるだけさ。」
「はっ。相変わらず嘘が下手だ。」
ラウルは溜息をつき、椅子に腰を下ろす。
「魔王軍の動きも活発化してきてる。俺が言うのもなんだが……お前、巻き込まれるなよ。」
「それを防ぐために来たんだ。」
その一言で、ラウルは目を見開いた。
だが俺はそれ以上何も言わずに、窓から外を見た。
遠くの空に、黒い雲が渦巻いている。
いや、あれは雲じゃない。何千もの黒い粒子――魔力の暴走体だ。
「まずいな。」
俺が呟くより早く、地響きが森の奥から伝わってきた。
空気が震え、影が蠢く。
“何か”がこちらに近づいている。
次の瞬間、小屋の壁が破壊され、黒い触手のようなものが突き出た。
ラウルが悲鳴をあげる。「ま、魔瘴気の塊が実体化してる!?」
「下がってろ!」
俺は腕を一振りした。
触手が砕け散り、地面ごと光に染まる。
爆音が走り、森が一瞬で静寂に包まれた。残ったのは焦げた匂いと風のうねりだけ。
「……おいおい、待てよレン。今の……魔法じゃねぇよな?」
「知らない方がいい。」
俺は静かに言って、崩れた扉を跨いだ。
「ラウル、森を離れろ。しばらくここは危険だ。」
彼は唖然とした表情で俺を見ていたが、やがて頷く。「わかった……けどお前、どこへ行く気だ?」
「この“歪み”の根を見つける。たぶん、神殿の奥――いや、そのさらに上層だ。」
風が吹き、木々がざわめく。
まるで世界が小さく呼吸したような音がした。
その時、遠くで雷鳴が響いた。
「レン!」
振り返ると、ラウルの声が。
「お前、気をつけろよ! ……もう、ただの人間じゃないんだから!」
その言葉に、俺はひとつ笑って答えた。
「俺は、最初から“ただの人間”じゃなかったのかもな。」
そして、霧の森の奥へと歩き出した。
その背後で、微かな女神の声が重なる。
――勇者たちが怯えています。
――けれど、彼らはまだ何も知りません。
――あなたが、すべてを創ったということを。
円卓を囲むのは、勇者アルドとその仲間たち――魔法使いのシェリル、槍士カイル、神官ライザ。
王の許可を得て「レン追放」からわずか数日。だがすでに彼らの表情には焦りが滲んでいた。
「おい、これ……何の冗談だ?」
カイルが机を叩いた。広げられた報告書には、信じ難い文字が並んでいる。
『王都外縁部にて“時間停止現象”発生』『創造の加護を受けし者の可能性』『勇者パーティー元補給係・レンの名あり』
「馬鹿な。奴が……あの凡人がそんなことできるわけねぇ!」
シェリルも眉をひそめる。「でも実際、王宮魔導院の観測にも同じ反応が出ているのよ。王都の東神殿に“創造神の波長”が確認されたって。」
アルドは無言だった。
強く拳を握りしめ、歯を食いしばっている。
「あいつは……ただの村人だったはずだ。」
「追放直前の戦い、もう一度思い出してみなさいよ。」
シェリルが静かに言う。「あなたが炎竜と戦っていたとき、急に嵐が起きて敵の攻撃が逸れたでしょう? あれもレンが叫んだ後だった。」
「偶然だ。」
「本当に?」
沈黙。
部屋を圧迫するような緊張が続いた。
ライザ神官が祈りの言葉を唱えるように呟いた。「リュミナ様の加護が彼に戻ったのかもしれません……。」
その瞬間、アルドが机を叩き割った。
「ふざけるな! 俺が勇者だ! 神に選ばれたのは俺だ!」
声が城中に響き渡る。魔導灯がかすかに震え、空気が凍りついた。
シェリルが小さく息を吐く。「あんた、何に怯えてるの?」
「怯えてなどいない!」
「じゃあ認めれば? レンが――“お前より上”の存在だったって。」
その言葉に、アルドの顔から血の気が引いた。
彼には、勇者の称号こそが生きる証だった。
それが否定されるなど、死より耐え難い屈辱だ。
「……あいつは何者なんだ。」
アルドが低く呟く。
誰も答えなかった。答えられる者など、この場にはいない。
一方そのころ、王都を離れたレンは霧風の森へ入っていた。
朝露に濡れた木々の間を抜けながら、慎重に足を進める。
森の中は静かだった。鳥の声すら遠く、風の音だけが聞こえる。
「……やっぱり何かがおかしい。」
気配が変だ。森そのものが息を潜めている。
俺は足元の落ち葉をかき分け、地面に散らばる奇妙な黒い結晶を見つけた。
指で触れると、冷たいというより“空気を吸い取るような”感触。
これが女神の言っていた“魔力の歪み”なのかもしれない。
「長くは持たないな、この世界……」
その時だ。
風の流れが止まり、黒い結晶がぶるりと震えた。
次の瞬間、地面が割れ、影のような狼が飛び出した。
口から吐き出される瘴気が、周囲の草を枯らしていく。
「魔物……いや、もう“生物”じゃないな。」
俺は後ずさりしようとしたが、狼の動きは速かった。
気づけば爪が目前に迫っている。
反射的に、心の中で叫ぶ。
「消えろ。」
――空気が圧縮されたような音が響き、影の狼は形を失った。
粉々の光となり、風に溶ける。
静寂。
俺は拳を握ったままその場に立ち尽くす。
何の呪文も詠唱もしていない。ただ“そう願った”だけだ。
「……やっぱり、俺に力がある。」
確信と同時に、背中を冷たい汗が伝う。
使えば使うほど、この“感覚”は拡大する。
だが、これは単なる力ではない。何かを“上書きする”力だ。
「創造……か。」
森を抜けた先に、古びた小屋が見えた。
扉をノックすると、中からひょろりとした青年が顔をのぞかせた。
「おお、やっぱりお前か! レン!」
見覚えのある顔――森の研究者ラウルだ。
俺の幼なじみであり、この世界でも数少ない“魔力観測学者”の一人。
「生きてたんだな、ラウル。」
「当たり前だ。けどお前こそ、勇者パーティーから追放されたって聞いたぞ? 大騒ぎだったじゃないか。」
「まあな。そのおかげで今こうしてのんびりしてる。」
軽い冗談を交わしながら小屋に入る。中は魔導書や鏡水晶だらけだった。
ラウルは慌ただしく机の上の結晶球を指し示す。
「見ろよ、王都の観測データだ。昨日から魔力が不規則に揺れてる。まるで“世界そのものが再構築されてる”みたいなんだ。」
俺の脳裏にリュミナの言葉がよぎる。
“あなたが動けば、世界が応えるでしょう。”
「ラウル、その現象の中心はどこだ?」
「……王都だよ。お前がいたあたり。」
俺は無意識に息をのんだ。
「……それって、偶然か?」
「いや。あの波長、まるで“創造主の殻”が動いてるような波だ。」
ラウルは冗談めかして笑うが、俺には笑えなかった。
「何か隠してるな、レン。」
ラウルが鋭く言う。「お前、ただの村人じゃないんだろ。」
俺は苦笑した。「まさか。俺はただ、流れに任せて生きてるだけさ。」
「はっ。相変わらず嘘が下手だ。」
ラウルは溜息をつき、椅子に腰を下ろす。
「魔王軍の動きも活発化してきてる。俺が言うのもなんだが……お前、巻き込まれるなよ。」
「それを防ぐために来たんだ。」
その一言で、ラウルは目を見開いた。
だが俺はそれ以上何も言わずに、窓から外を見た。
遠くの空に、黒い雲が渦巻いている。
いや、あれは雲じゃない。何千もの黒い粒子――魔力の暴走体だ。
「まずいな。」
俺が呟くより早く、地響きが森の奥から伝わってきた。
空気が震え、影が蠢く。
“何か”がこちらに近づいている。
次の瞬間、小屋の壁が破壊され、黒い触手のようなものが突き出た。
ラウルが悲鳴をあげる。「ま、魔瘴気の塊が実体化してる!?」
「下がってろ!」
俺は腕を一振りした。
触手が砕け散り、地面ごと光に染まる。
爆音が走り、森が一瞬で静寂に包まれた。残ったのは焦げた匂いと風のうねりだけ。
「……おいおい、待てよレン。今の……魔法じゃねぇよな?」
「知らない方がいい。」
俺は静かに言って、崩れた扉を跨いだ。
「ラウル、森を離れろ。しばらくここは危険だ。」
彼は唖然とした表情で俺を見ていたが、やがて頷く。「わかった……けどお前、どこへ行く気だ?」
「この“歪み”の根を見つける。たぶん、神殿の奥――いや、そのさらに上層だ。」
風が吹き、木々がざわめく。
まるで世界が小さく呼吸したような音がした。
その時、遠くで雷鳴が響いた。
「レン!」
振り返ると、ラウルの声が。
「お前、気をつけろよ! ……もう、ただの人間じゃないんだから!」
その言葉に、俺はひとつ笑って答えた。
「俺は、最初から“ただの人間”じゃなかったのかもな。」
そして、霧の森の奥へと歩き出した。
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――けれど、彼らはまだ何も知りません。
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